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福岡大学医学部の傾向分析2019

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福岡大学医学部2019

2019年度一般入試問題分析

英語

試験時間70分。問題形式は大問IIIが正しいものを選ぶ形に戻った以外は変化なし。大問Iは日本語訳の出来で差が付くので,まずは構造に忠実な直訳を作り,自然な日本語になるように意訳しよう。英文全体が言わんとしていることを俯瞰的に捉える視点も必要である。大問IIの長文総合は消去法を使って残った選択肢をしっかり吟味すればよい。大問IIIとIVは文法やイディオム,発音・アクセントの問題集を繰り返し解いておくと良い。大問Vは日本文に引っ張られてしまうと不要の選択肢を選ぶ誘導に引っかかってしまうので,最後は英文として文法的・構造的に正しいか確認すること。他学部の問題も同じ形式なので,このタイプの整序作文が苦手な受験生はそちらも解いてみるべきだろう。

大問 形式 難易度 内容
1

記述

★★☆☆

短文: 和訳

硬質な長めの英文で,譲歩表現の挿入もあって訳しにくいが,全体としては標準レベルである。

2 記述(選択式) ★★☆☆

長文総合:空所補充,下線部内容, 下線部換言,下線語句意味,内容一致

セシル・B・デミルというアメリカ人映画監督の映画セットに関する英文。読みやすいが選択肢に判断に迷うものがある。

3 記述(選択式) ★★☆☆

適語補充: 文法・語法

昨年まで2年連続で,「適していないもの」を選ぶという問題であったが,「最も適当な語(句)」を選ぶ形式になり,易しくなった。

4 記述(選択式) ★☆☆☆

発音・アクセント: 語彙力

発音・アクセントの融合問題。頻出のものばかりで易しい。

5 記述(選択式) ★☆☆☆

語句整序: 和文あり

共通して一語句不要であり,4問中3問は引っ掛けの単語は入っているが,be proud of Xのように簡単なイディオム知識や限定用法の不定詞で答えが絞り込める形式となっている。

数学

ここ10年以上,形式は一定している。第1問は6つ,第2問は4つの空所補充で,第3問は記述形式である。配点は空所で7割弱,記述で3割強と推測される。第1,2問では,確率,数列,図形と式やベクトルなどの幾何的分野,データの分析,整数問題からの出題頻度が高い。第3問は決まって数学Ⅲの微積分(特に求積)から出題されている。かつては易しい問題が中心でミスなく高得点がとれるかどうかの勝負,というのが常だったが,ここ5年ほどは問題が難化傾向にある。2019年はその傾向が極まり,今までになく難易度が高かった。連続する2つの設問のうち初めの方が難しく先に進みにくい問題や,方針は立てられても計算が重く空所補充ゆえに得点しにくい問題が多く含まれていた。今後もこの難易度が続くと予想される。対策として重要となるのは,前述の頻出分野について典型題の演習を重ねておくこと,また,多少計算が重い問題でもキッチリ正解を導く力をつけておくことだろう。

大問 形式 難易度 内容
1 答のみ ★★☆☆

小問集合

整数問題(素因数分解,2進数),データの分析(偏差値の最小値),数列(漸化式)

2 答のみ ★★★☆

小問集合

三角関数(最大最小),だ円(4本の接線を辺とする長方形の面積)

3 答のみ ★★★☆

積分法: 関数の増減と極値,曲線とx軸との面積

関数が極値をもたない条件,面積

化学

大問1は小問3題,大問2は無機と理論計算,大問3は理論分野からの出題,大問4は有機と,形式面に大きな変化はなし。やや難化した昨年に比べ知識問題の深みは減ったものの,大問2のような一見取り組みにくい問題も出題されたので,昨年並みの難易度と言える。目標は7割5部から8割。 初見でも解けるよう丁寧な誘導がなされているが,限られた試験時間内で安定して高得点が狙えるようになるにはなかなかの演習量が必要だろう。教科書レベルの事項をマスターしておくことは当然ながら,今回でいうモール法など,時おり入試問題のテーマに取り上げられるような一歩踏み込んだ題材にまで幅広く触れておきたい。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★☆☆☆

小問集合

問1と問3は教科書レベルの知識問題,問2は定石通り,平衡時のモル分率から分圧を求めて圧平衡定数の定義式に代入すれば求まるので難しくない。どれも落とせない素直な問題ばかりである。

2 記述 ★★☆☆

沈殿滴定,中和滴定

モール法による沈殿滴定の計算,逆滴定によるアンモニアの定量問題を対策していた受験生には難なく解けたであろうが,初見だと難しい。経験値で差が出る問題。

3 記述 ★☆☆☆

電池・電気分解

全体的に解きやすい。知識問題は教科書に記されている内容の問題で,計算問題は標準的なレベル。難しくなりそうな問題には問題文中に手がかりとなるような内容が記されており難しくならないよう配慮されている。

4 記述 ★★☆☆

芳香族エステル:構造推定

化合物Dに関する情報が少なく少し決めにくかった以外は標準的な内容。差がつきそうな問題。ここで高得点がとれるかが勝負どころのひとつ。

生物

2科目120分。大問5題構成。例年,問題の難易度は易しい〜標準で教科書レベルの問題中心であるが,今年度はどの大問も易しかった。論述問題がほぼなく,計算問題もあまり出題されず,選択問題や用語問題中心となっているが,今年度は論述・計算問題ともに出題されなかった。そのため,合格点も自ずと高くなり,点差が開かないと考えられるため,9割は確実に得点しておきたい。出題分野としては,体内環境,代謝,遺伝情報の発現,生殖・発生,動物の反応と行動が取り上げられることが多いが,例年高得点での争いになることを考えると,分野を絞らず,満遍なく学習することが必要である。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★☆☆☆

生物の環境応答: 視覚と視覚器

 

2 記述 ★★☆☆

生命現象と物質: 光合成と呼吸

 

3 記述 ★☆☆☆

生物と遺伝子: バイオテクノロジー

 

3 記述 ★☆☆☆

生物の体内環境の維持: 免疫

 

3 記述 ★☆☆☆ 生殖と発生: ウニの発生,動物の受精

 

物理

例年通り,大問1と2が選択式。大問3が記述式。18年度にくらべて易化。 大問1,2,3はいずれも標準。完答を目指したい。選択式は,大問のすべての選択肢がひとまとめに与えられていることもある(今年は大問1のみ)。ただし,小問ごとの選択肢は連続した番号に割り振られている。これは,受験する人は知っているべきだし,要練習。 テストの形式,傾向ともに他の理系学部と同じ。まとめて作成して,比較的難易度の高い問題を医学部を含む日程に割り振っているように見える。癖のない良問が多いので,問題内容に関しては特別な対策の必要性は低い。

大問 形式 難易度 内容
1 記述(選択式) ★★☆☆

電磁気: 交流回路

 

2 記述(選択式) ★★☆☆

波動: 光の反射・屈折・分散・偏光,その他のいろいろな干渉

 

3 記述 ★★☆☆

力学: 振り子

 

受験者数および合格者数推移

  受験者数 一次合格者数 二次正規合格者数 合格最低得点/満点 得点率
2019年度 2,543名 405名 207名 283/400 70.7%
2018年度 2,608名 379名 144名 281/400 70.3%
2017年度 2,678名 371名 185名 287/400 71.8%

医師国家試験合格率推移

  全体 新卒
2019年度 71.9% 75.2%
2018年度 82.1% 83.0%
2017年度 78.7% 82.8%

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