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川崎医科大学の傾向分析2019

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川崎医科大学2019

2019年度一般入試問題分析

英語

試験時間80分。全問マーク式。大問4題は昨年と同じ構成だが,大問3で2018年度出題された段落整序が無くなり,空所補充に戻った。大問1は出題される分野が前置詞,準動詞,語法,イディオムに偏っており,事前の対策で高得点が可能。大問2は和訳なし語句整序だが典型的な出題が多く,全文完成させずとも正答にたどりつける問題も多く取り組みやすい。大問3は長文読解だが,空所を含む文のみでも文法的な観点から正答を導くことができる問題が多く,またそうでない問題も空所を含む文の前後のみを見れば正答を導くことができるので臆せず解答したい。問題量に比して時間的余裕があり,しかも大問1,2,3は比較的短時間で終わらせることが可能なので,大問4にしっかりと時間をかけて高得点を狙いたい。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★☆☆

適語補充: 文法・語法・熟語

12問。前置詞,準動詞,語法,イディオムに関する問題が多い。

2 マーク ★★☆☆

語句整序: 和文なし

5問。7〜8語句の整序でそのうち1個に入る語句を選ばせる形式の問題。典型的な構文を問う問題が多い。

3 マーク ★★☆☆

長文その他: 適語補充

終末期の患者に関する英文。5問中3問は文法的な観点から選ぶことができる。

4 マーク ★★☆☆

長文総合: 内容一致

人口増加と環境の持続可能性に関する英文。13問。内容,設問とも標準的。

数学

大問3問で80分,すべてマーク式。少なくとも1つは必ず数学Ⅲの微積分が出題されている。他に確率や図形問題(三角比・図形と方程式・平面ベクトルなど)がよく出題されている。現行の教育課程が入試に反映されて以降,複素数平面の出題も多くなった。計算量が多くなる問題が多いので,しっかり手を動かす勉強をして計算力をつけることが必要。近年は方針が立ちやすい問題が多く,大問を解けるか解けないかで大きな得点差がつきそうな出題となっている。 07/12といった変則的なマークに関する注意書が2018年度まで毎年あったのだが,2019年度にはなくなった。2017年度から変則的なマークとなる解答がなくなっていたので,今後もこの傾向が続くのではないだろうか。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★☆☆☆

平面上のベクトル: ベクトルの内積

平面ベクトルの基本的な計算,直線と外接円の交点,三角形と四角形の面積

2 マーク ★★★☆

確率: 確率の基礎計算,連立漸化式

3状態の確率漸化式,連立漸化式

3 マーク ★★☆☆

積分法:媒介変数による表示, いろいろな関数の積分,面積の応用積分法:媒介変数による表示, いろいろな関数の積分,面積の応用数列:数学的帰納法

曲線の媒介変数表示,積分計算,面積

化学

形式面は例年通りで,大問3つに分かれているが,いずれも小問集合。問題難易度も例年と変わらず易〜標準の問題が中心だが,やや解きにくい問題も散見されるので差はつくものと思われる。近年毎年出題される,長い文章から必要な条件やヒントを読み出す問題が今年も出題されていた。易しい問題を落とさず,かつこういった問題をテキパキとこなす必要がある。7割以上は得点したい。幅広い分野から出題されているが,医学部受験生ならば解けなければいけない問題がほとんど。基礎的な部分での失点が重なると簡単に合格ラインを下回ってしまうだろう。普段から穴のない勉強を心がけたい。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク式 ★★☆☆

小問集合: すべて理論

理論化学より小問9題。例年通り基礎的な問題の他に,有効数字を考えて計算する問題,実験器具の標線が1本のみのものを選ぶ問題,濃度をモル分率に直す問題など化学的センスを問われる問題が出題された。受験生によって差がついたものと思われる。

2 マーク式 ★★☆☆

電気分解小問集合: 理論5題,有機1題

(1)の蒸気圧の問題は苦手な受験生も多いかもしれないが,内容は標準的。(4)電気分解や(6)アミノ酸のイオンの存在比などは選択肢を慎重に選ぶ必要があり,失点した受験生も多かったものと思われる。

3 マーク式 ★★☆☆

小問集合: 無機3題,有機4題

(7)は最近の川崎医科大学のトレンドで,長い文章からヒントを探し出して答えを導く問題だが,前半3題は文章を全く読まなくても解ける。

生物

理科2科目120分。マーク数43。例年通り,大問,中問,小問の形式。難易度は標準。問題文を読んだり,グラフを解釈したりする時間を考えると時間的な余裕はあるとは言えない。知識を単純に問う問題も多いが,実験結果の解釈をする問題もあり,その辺りのデキで差がついたのではないだろうか。進化・生態系と受験生が苦手としやすい分野からの出題も例年通り見られた。対策としては,あらゆる範囲から出題されるので,苦手分野はなくしておきたい。また,近年,実験問題を解釈したりする問題が見られるようになっているので,普段から実験問題では,その実験手順の意味合いを考え,結果の解釈を正確にできる訓練をしておきたい。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★☆☆

生命現象と物質: DNAと遺伝子とゲノム, バイオテクノロジー

Ⅰ. 遺伝子とその働き,遺伝子情報の発現:ゲノム,SNP,血縁鑑定 Ⅱ. 遺伝子とその働き,有性生殖:ヒトの染色体 Ⅲ. 生物の進化のしくみ:コムギの進化

2 マーク ★★☆☆

生命現象と物質: 酵素活性の阻害と調節, 単細胞生物

Ⅰ. 代謝:酵素,発酵 Ⅱ. 動物の反応と行動:ゾウリムシ(収縮胞ほか)

3 マーク ★★☆☆

生物の進化と系統: 進化の仕組み, 気候とバイオーム

Ⅰ. 生物の進化のしくみ:オオシモフリエダシャク Ⅱ. 個体群と生物群集:バイオーム Ⅲ. 動物の反応と行動:ニューロン,CPG Ⅳ. 有性生殖:受精 計算あり

物理

試験時間:理科2科目120分。配点:75/350出題形式:大問6。全問マーク式。出題範囲:物理基礎+物理総選択肢数27(18年度34)18年度に対して大きく出題傾向が変わった。大問数が6→4。マーク数も34→27。問題のボリュームも減。これまで比較的独自色の強い出題傾向が続いてきたが,19年度は全問題の問題設定,選択肢のつくり,ともに非常にオーソドックスなものとなった。オーソドックスな出題であるということは,物理の実力がそのまま得点に反映されるということでもある。これまで,どれだけ丁寧に学習してきたのか,ということがダイレクトに問われている。 ただし,20年度もこの傾向が続くとは限らず,以前のかたちに戻る可能性もある。最低限18年度,19年度の2年分の過去問演習はしておくべき。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★☆☆☆

力学: 力のつり合い,剛体のつり合い

ふたつの支柱で支えられた棒についての,力のつりあい,力のモーメントのつりあい。

2 マーク ★★☆☆

熱:気体分子の運動と圧力, 気体の内部エネルギー

球状の容器に封入された気体の圧力,内部エネルギーを気体分子の運動にもとづいて導出。

3 マーク ★☆☆☆

波動: 光の干渉・ヤングの実験

ヤングの実験。基本どおり。数値計算の問題は,実際に計算をしなくても可視光線の波長,振動数の知識があれば選択可能。計算あり。

4 マーク ★★☆☆

電磁気:電流による磁界, 電流が磁界から受ける力

直線電流が作る磁界,直線電流が磁界から受ける力。

受験者数および合格者数推移

  受験者数 一次合格者数 二次正規合格者数 合格最低得点/満点 得点率
2019年度 1,244名 非公表 367名 210/350 60.0%
2018年度 1,409名 非公表 404名 221.5/350 63.3%
2017年度 1,533名 502名 397名 222.5/350 63.6%

医師国家試験合格率推移

  全体 新卒
2019年度 87.6% 88.6%
2018年度 86.9% 89.0%
2017年度 88.9% 92.5%

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