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久留米大学医学部の傾向分析2023

2023年度一般入試問題分析

英語

試験時間90分。大問1は短文空所補充8問、大問2は不要文削除2問、大問3は文中語句整序4問、大問4は文中空所補充6問と内容一致8肢3択、大問5は長文内容一致6問、大問6は和文の英語要約と英文の日本語要約各1問の問題構成となっており、2022年度と比べて変化はない。2023年度前期の大問2は解きやすい問題であったが、2022年度推薦の大問2は同じ不要文選択であったものの、かなり難しい問題が出題された。今後の入試でも不要文を絞り込みにくい問題が出題される可能性があるので要注意である。大問3は経験値の有無で大きく点差のつきやすい出題形式であるため、過去問や模試を利用して慣れておく必要がある。大問2~大問5は比較的新しい医学系の話題から出題されており、背景知識の有無も影響するため、英語の学習はもちろんのこと、普段から医学系の時事問題に触れておきたい。全体としては2022年度前期よりもやや難しくなっている。 目標は65%。

大問 形式 難易度 内容
1

マーク

★★★★☆

【語彙】文法・語法、語彙力

2 マーク ★☆☆☆☆

【長文その他】要旨・要約

3 マーク ★★★☆☆

【長文その他】語句整序

4 マーク ★★★☆☆

【長文総合】内容一致、適語補充

5 マーク ★★★☆☆

【長文総合】内容一致

6 記述 ★★★☆☆

【長文その他】要旨・要約

数学

2020年度にマークセンス方式に変わってから難易が上下し安定しなかったが2022年度から標準レベルに落ち着いた。また、2023年度はそれまで問題数が6題 だったのが5題に減り、すべての問題に取り組みやすくなった。さらに2023年度 の問題は図形の性質の4番を除きどれも頻出テーマの問題であり、対策しやすかった。出題分野に偏りはなく、いろいろな分野からの出題が続いている。よく出題される分野は、場合の数と確率、整数の性質、図形と方程式、数列、ベクトル、微分法、積分法である。他に複素数平面、極限も要注意である。2023年度の4番の図形の性質からの出題は珍しいと言える。2024年度も2023年度と同じ5題の出題が予想される。時間配分を考え、すべての問題に取り組むことができるだろう。対策としては、上記の頻出分野を中心に標準レベルの問題で演習を積むとよいだろう。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★★★☆

【平面上のベクトル】
ベクトルの大きさと内積の値の範囲を求める問題

2 マーク ★★★☆☆

【確率】
サイコロの目の数によって変化する持ち点に関する確率の問題

3 マーク ★★★☆☆

【数列】
連立不等式で表された領域にある格子点の個数を求める問題

4 マーク ★★★☆☆

【図形の性質】
2つの同心円と割線に関する諸量の計算

5 マーク ★★★☆☆

【積分法】
定積分で表された関数を求める問題

化学

2科目で120分、設問数は35~40程度で標準的な内容の出題。大問1は、教科書の太字の語句を説明できるようにしておくこと。また、基本的な計算でミスがないように。有機分野の反応や異性体も出題されるので注意。大問2は、電離平衡(緩衝液のpH)に関する問題はしっかり演習しておく。また、気体や蒸気圧および気相平衡に関する問題に注意。大問3は、同族元素ごとにまとめて、酸塩基や酸化還元を利用して反応式を考えること。単なる暗記でなく、理論的に考えるように。大問4は、脂肪族や芳香族について、教科書の内容を整理して、標準的な問題集を繰り返し演習しておくこと。また、糖類、アミノ酸、核酸、合成高分子などの標準問題もしっかり演習しておくこと。Hgの単体が温度計に用いられていた理由(2023前期)やPbの放射線遮蔽材(2022前期 など医療系の題材にも注目する必要がある。

大問 形式 難易度 内容
1 選択・記述 ★★☆☆☆

【小問集合】
密度、濃度の調製、凝固点降下、ニンヒドリン反応の官能基、不斉炭素原子

2 記述 ★★★☆☆

【理論化学】
理論

3 記述 ★★★☆☆

【無機化学】
無機

4 記述 ★★★☆☆

【有機化学】
有機

生物

理科2科目120分、大問4題構成で「論述あり」の「記述式」で例年通りであるが、前期では計算問題の出題がなかった。大問2で植生が出題されたが、久留米大学は「植物」・「進化・系統」・「生態系」等からの出題が他大学よりも多いため、広範囲に渡る知識の習得が求められる。しかし全体的には平易な知識を問う設問が大半なため、苦手分野を作らないようし高得点を狙いたい。また、大問4ではmRNAワクチンに関する出題がなされ、身近な話題ではあるが、教科書のレベルをやや超えている内容であった。久留米大学では2021年度前期の幹細胞に関する出題のように日常で話題になるトピックが出題されることがあるので、日頃から医療関係のニュースに関してはアンテナを張り、高校生物の範囲で説明できるようにしておきたい。100字程度の論述問題も出題頻度が高いので、知識を問うような典型的な論述問題を100字前後でまとめる練習をしておきたい。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★★★☆

【生殖と発生】再生・幹細胞

2 記述 ★★★☆☆

【生物の多様性と生態系】植生の遷移

3 記述 ★★★☆☆

【生殖と発生】動物の受精

4 記述 ★★★★☆

【生物の体内環境の維持】免疫、免疫の応用・疾患

物理

大問数が3、解答数は30問。記号選択が数問あるため、解答数が若干増加したが、分量は2022年度とあまり変わらない。難易度は2022年度前期とほぼ同じ。万有引力による単振動や、マイケルソン干渉計の後半の問題は一度類題を扱ったことがあるかどうかで差がついたと思われる。各大問の前半をほぼ正解することが求められ、各大問の後半の出来で差がついただろう。目標は70%。大問1は(4)までが典型問題であり、(5)以降が万有引力による単振動で、類題をあつかったことがあるかどうかで差がつく。大問2はマイケルソンの干渉計の問題。前半は標準的だが、(6)以降の波長変化による光路差測定はやはり類題を扱ったことがあるか どうかで差がつく。大問3の電流の作る磁場の問題は、直線電流の作る磁場の公式を覚えていないと手がつけられない。また、作業量が多く途中で計算ミスをすると連鎖し易いので慎重に計算を進める必要がある。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★★☆☆

【力学】単振動、万有引力
ばねによる単振動,地球の中心を貫くトンネル中の物体の単振動

2 記述 ★★★☆☆

【波動】光の回折と干渉、反射による位相変化
マイケルソン干渉計,波長の変化による光路差の測定

3 記述 ★★★☆☆

【電磁気】電流による磁界、電流が磁界から受ける力
直線電流の作る磁場,円形コイルの中心磁場

受験者数および合格者数推移

  受験者数 一次合格者数 二次正規合格者数 合格最低得点/満点 得点率
2023年度 1,183名 351名 164名※1 319/500※2 63.8%
2022年度 1,398名 353名 149名※1 321/500※2 64.2%
2021年度 1,888名 352名 154名※1 350/500※2 70.0%

※1.追加合格者含む ※2.2次含む合格点

医師国家試験合格率推移

  全体 新卒
2023年度 92.3% 100.0%
2022年度 77.8% 85.7%
2021年度 77.8% 84.8%
2020年度 84.4% 87.8%

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