医学部受験一筋医学部進学予備校メビオ

藤田医科大学の傾向分析2023

2023年度一般入試問題分析

英語

例試験時間90分。前半の大問4題がマーク式、後半2題が記述式という大問構成。2022年度から大問が1つ増えたが、全体の分量としては大きな変化はない。全体として2022年度前期よりもやや難化。前半のマーク式でしっかりと点数を稼ぎ、後半の記述式でどれだけ点数を拾えるかが勝敗を決める。記述式長文問題については、文章内容が受験生にとって馴染みのないものが多く、その場で考える力が求められる。また説明に必要な記述力、要約能力に関しては国公立二次レベルと言ってよい。大問6の英文中の下線部英訳問題については、これまでと違って「日本文化」に関する英文に限らず幅広いテーマで出題されている。文中の英語表現を利用することはできるが、本文自体に目を通す時間を確保するには速読力が鍵を握るだろう。全体として処理力と記述力の有無で大きく点差のつく問題である。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★★☆☆

【文法・語法】文法・語法、語彙力

2 マーク ★★★★☆

【語句整序】和文あり

3 マーク ★★★☆☆

【長文総合】内容一致、適語補充

4 マーク ★★☆☆☆

【長文総合】内容一致、適語補充

5 記述 ★★★★☆

【長文総合】要旨・要約、段落補充、和訳

6 記述 ★★★★☆

【英訳】英訳

数学

例年、マーク形式の小問集合が1題、記述形式の大問が2題の計3題。配点は120+40+40とみられる(前期・後期・ふじた未来入試ともに共通)。小問集合の設問は10個前後。処理力や要領のよさが必要。整数、図形、数列、データの分析などが頻出。「基準点」(年度によって一定しない)に満たないと不合格となる。大問は記述重視。「答だけなら採点対象外」といった記載がある。公式の導出などを含む証明問題や、確率、整数、図形、数と式、数学IIIの微積分などの分野が頻出。2023年度も上の傾向に沿った出題。問題1は例年に比べるとやや軽めだった。問題2は、誘導に乗れなくても他の方法で定積分の結果を出せたかが重要。問題3は難度が高く、多くの受験生は得点出来ていないだろう。対策としては、演習を通してマークならではのテクニックは身に付けたい。小問集合の出来が合否を大きく左右する。大問については、典型的な証明問題の比重は大きくしておこう。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★☆☆☆

【小問集合】 
様々な分野から 10 題

2 記述 ★★★★☆

【積分法】
ある関数の定積分値とその逆関数の定積分値の関係を求め、それを利用して積分計 算する問題

3 記述 ★★★★★

【整数の性質】
格子点とe点に関する問題

化学

化学は第1問~第6問までと、2022年度から大問数に変化はなかった。出題傾向としては、2022年度まで必ず出題されていたグラフ関連(描画または選択)の問題が全く出なかったことが特筆される事柄である。2022年度の第2問のような小問集合が減ったことと、2023年度の第6問(有機構造推定)は差がつきやすいようなやや骨のある出題だった分、得点はしづらくなった。また知識問題にややマニアックな内容も見られ、より知識の深度が要求されていると言える。標準題をしっかりやり込み易問を落とさないようにしながら、図録などを用いて現象や実験操作などへの理解を深める学習を心がけたい。図録に掲載されている内容はすべて出題される可能性があると考え、できるだけ隅の方まで目を通しておきたい。また、有機化学分野の習熟度を上げることも藤田医科大合格には欠かせないだろう。今回は標準レベルの出題が並んだため、一次合格には65%を目指したい内容であった。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★★☆☆

【化学平衡】
電離平衡・溶解度積(金属硫化物の溶解平衡)

2 記述 ★★★☆☆

【酸化還元反応】【有機化合物の反応】
酸化還元滴定、臭素と反応する物質

3 記述 ★★★☆☆

【小問集合】
様々な物質の性質化学の基礎(原子半径・イオン化エネルギー・電気陰性度・分子間力)、 凝固点降下

4 記述 ★★☆☆☆

【典型元素の性質】
典型元素(Ca、Zn、Si)の性質

5 記述 ★★★☆☆

【天然有機化合物】【天然高分子化合物】
糖類

5 記述 ★★★☆☆

【有機化合物の性質】
構造推定

生物

例年どおり大問4題構成で、出題形式に大きな変化はないものの、前期は取り組みにくい大問が多かった。注意すべきなのは「簡潔に記せ」という論述問題で、字数指定はないが、解答欄の大きさから考えると、1題につき20字~40字程度で答えるのが適当だろう。年度によってはこの「簡潔に記せ」が10題前後あるため、いかに手際よく処理できるかで勝負が分かれる。ただ、1題の配点は3~4点だと思われるので、細部にこだわりすぎないように気をつけたい。出題範囲に偏りはなく、2023年度も「植生・遷移」からの出題があり、対策としては、そうした医学部入試において頻出ではない範囲の知識もしっかりと確認しておく必要がある。また、「DNAの変異・修復」など、いわゆる「パターン」では対応しにくい問題もあるため、基礎知識を問う部分で確実に得点できる力を身につけておくことが重要だろう。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★☆☆☆☆

【生物の体内環境の維持】ホルモンと内分泌腺、フィードバック調節

2 記述 ★★★★☆

【生命現象と物質】DNAの複製、DNAと突然変異

3 記述 ★★★★☆

【生物の進化と系統】進化の仕組み

4 記述 ★★★☆☆

【生物の多様性と生態系】植生の遷移、気候とバイオーム

物理

主に解答のみの記述式の大問が4問、数値計算やグラフ、論述の問題を数問含む。解答数は例年25程度。大問4問中2問が力学であることが多く、複数分野の融合問題も出題される。全般的に難易度は高く、受験生が見慣れない問題や計算量が多い問題を出す傾向が強い。目標点が5割程度と、他大学と比較すると低めなことが多い。解答時間に対して難易度が高く作業量が多いため、標準的な設問を優先的に解いた方が正答率は上がり易い。2023年度前期の解答数は2022年度と比べ9問ほど多く例年並で32であった。大問1の剛体のつりあいや大問4の運動方程式の問題は式の処理に時間がかかる、大問2の気体の状態変化や、大問 3の波の式のような、作業量のあまり多くない問題を先に終えて、大問1と4の後半にどれだけ時間を割けたかで差がついたと思われる。過去問で時間配分やどの程度解ければよいのかの感覚を養っておくことは対策として有効。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★★★☆

【力学】剛体のつり合い
剛体のつりあい、弾性力、微少量の間の関係

2 記述 ★★★☆☆

【熱】気体の状態変化、気体の内部エネルギー
気体の状態変化、熱力学第一法則、断熱自由膨張

3 記述 ★★★☆☆

【波動】波の式、波の干渉
反射波の波の式による扱い、定常波の記述、干渉条件の導出

4 記述 ★★★★☆

【力学】運動方程式
定滑車と滑車で結ばれた3物体の運動

受験者数および合格者数推移

  受験者数 一次合格者数 二次正規合格者数 合格最低得点/満点 得点率
2023年度 1,673名 非公表 251名 309/600 51.5%
2022年度 1,681名 非公表 244名 366/600 61.0%
2021年度 1,755名 非公表 239名 312/600 52.0%

医師国家試験合格率推移

  全体 新卒
2023年度 96.6% 98.2%
2022年度 95.7% 96.5%
2021年度 96.4% 98.1%
2020年度 94.2% 94.6%

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