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岩手医科大学の傾向分析2023

2023年度一般入試問題分析

英語

2021年度以降、試験時間は「英語60分・数学60分」から「英語・数学併せて120分」へと変更。出題内容・形式は2022年度と同じ。全問マーク式。大問1は伝統的な長文中空所補充形式の出題で「疲労の種類とその様々な原因」に関する英文。大問2の発音・アクセント、大問3の熟語・語法4択、大問5の不要文排除、大問6の語句整除などそれ以外の大問は旧センター試験の出題形式を踏襲しているものが多い。大問2、大問3、および大問4会話文中空所補充以外の大問は医学系の内容・表現を含む出題で、大問7長文総合形式の出題も「子供の近視の増加とその原因」に関する英文。医学にまつわる語彙や知識があれば非常に取り組みやすくい。時間的な余裕はあまりないので、現場での思考を要する大問1、大問4、大問6には必要以上に時間をかけず、60分で英語全問を解ききることができるよう各大問に取り組む順序・時間配分に注意したい。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★★☆☆ 【長文総合】適語補充
2 マーク ★★☆☆☆ 【発音・アクセント】語彙力
3 マーク ★★★☆☆ 【文法・語法】文法・語法、語彙力
4 マーク ★★★☆☆ 【会話】適文補充
5 マーク ★★★☆☆ 【長文その他】要旨・要約
6 マーク ★★★☆☆ 【語句整序】和文なし
7 マーク ★★★☆☆ 【長文総合】同義語、内容一致

数学

例年、マークシート形式の大問が3題出題される。数学Ⅲの微積分はほぼ必ず出題されると言ってよい。また、確率、空間図形の問題も頻出である。数学Ⅲの微積分は計算量が多いことが多く、60分という試験時間で完答は難しい、というのが例年の出題傾向であったが、2023年度はいくぶん計算量が穏やかになり、取り組みやすくなった。確率は思考力を試される問題も多い。2023年度は設定がやや難しく、題意をつかむのに苦労した受験生も多かったであろう。2023年度は例年に比して問題の難易度、計算量が穏やかになり,より差がつきやすい出題になったと言える。対策としては、数学Ⅲの微積分の計算で素早く正確に計算できる力を養っておくことが最重要であろう。また、2023年度は空間図形の問題は出題されなかったが、岩手医大では頻出分野であるのでこの分野の訓練も積んでおきたい。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★★☆☆ 【図形と方程式】
円上の動点に関して、軌跡や線分の通過領域について考える問題
2 マーク ★★★☆☆ 【積分法】
円柱を平面で切断してできる立体の体積を考える問題
3 マーク ★★★★☆ 【確率】【場合の数】
10種類の人形のうち2種ずつ入ったカプセル3つにより、何種類の人形が得られるかについて考える問題

化学

2科目120分で大問3つという形式は2022年度と変わらず総マーク数も25のままであった。大問はすべて小問集になっており、理論化学の融合問題や有機構造推定などはなく、各小問が独立した内容になっているのも同じである。大問1では化学の基礎に関する知識問題や基本的な計算問題が問われる。実験操作に関する問題やグラフの読み取り問題も2022年度同様出題されている。大問2は無機化学に関する知識問題だが、かなり細かい知識を要求される正誤問題が複数の組み合わせで出題されるため、ほとんど知っていたとしても一つ間違うと0点になってしまう。知識の精度が高い受験生でなければ高得点は望めない。それに比較して大問3の有機化学は取り組みやすい形式である。時間配分を考えて、取るべきところをミスなく取り切る要領の良さが求められる。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★★☆☆ 【小問集合】
濾過、硫黄、原子価、イオン半径、原子の重さ、金属混合物からの水素の発生量、速度と平衡、熱量計算
2 マーク ★★★★☆ 【小問集合】
水素、貴ガス、塩素、リン、バリウム、銅、気体の製法、金属沈殿
3 マーク ★★★☆☆ 【小問集合】
有機化合物の反応、エーテル、マレイン酸、トルエン、アニリン、セルロース

物理

60分の試験時間に対してマーク数は25問と標準的。2022年度までと同様、医学部入試としては一般的な難易度の問題。大問1は衝突に関する典型問題。問5や問7がやや見慣れない問いかけだが、類題を解いた経験があれば解答可能だろう。大問1に時間を取られると苦しい。大問2の後半と大問3はやや難しい。平均速度の計算、経路差と位相差の変換など基本的な作業が身についているかと、類題を解いた経験があるかで差がつく。近年は難易度も安定していて、癖のない良問が出題されている。試験時間に対して作業量は多め。大問の後半の難易度が高い問題をうまくとばすなど、試験時間の使い方で差がつきやすい。完答を目標とした典型問題の演習が対策として有効。高得点を狙うためには、作業ミスからの時間ロスが致命傷となりかねない。過去問演習を通じて自分がミスなく進むことのできるペースを見つけておきたい。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★★☆☆ 【力学】運動量の保存、はね返り係数
1直線上の2体衝突
2 マーク ★★★★☆ 【電磁気】電流が磁界から受ける力
磁場中の荷電粒子の運動
3 マーク ★★★★☆ 【波動】光の回折と干渉
マイケルソン干渉計

生物

理科2科目で120分。例年どおり、大問5題、出題形式は「計算あり」の「マーク式」である。マーク数は30と多くはないが、問題文が長く、かつ実験考察問題や計算問題(遺伝を含む)など時間を要する問題も出題されており、時間的な余裕はなかったと思われる。2021年度以前に出題されていた高校生物では習わないようなテーマは出題されておらず、一部やや難易度の高い問題が出題されていたものの、基本~標準レベルの問題が中心なので、それらを取りこぼすことなく、確実に得点することが重要である。対策としては、正確な知識や典型的な計算問題の処理を身につけることはもちろん、普段から実験考察問題をしっかり読み、実験内容を理解する練習や、グラフの縦軸・横軸がなにを表しているのかをしっかりと確認し、グラフが表す意味を正確に理解する練習をしておきたい。

大問 形式 難易度 内容
1 マーク ★★★☆☆ 【生物の環境応答】個体間の情報伝達、個体間の相互作用
2 マーク ★★★☆☆ 【生物の体内環境の維持】腎臓のはたらき
3 マーク ★★☆☆☆ 【生殖と発生】動物の受精、ウニの発生
4 マーク ★★★☆☆ 【生命現象と物質】呼吸とそのしくみ、発酵
4 マーク ★★★☆☆ 【生命現象と物質】遺伝子の調節、遺伝子発現の仕組み

受験者数および合格者数推移

  受験者数 一次合格者数 二次正規合格者数 合格最低得点/満点 得点率
2021年度 2,097名 497名 136名 167/350 47.7%
2020年度 2,317名 546名 140名 188/400 47%
2019年度 2,834名 551名 249名 非公表 -
2018年度 3,253名 656名 186名 非公表 -

医師国家試験合格率推移

  全体 新卒
2021年度 89.6% 93.0%
2020年度 91.6% 95.5%
2019年度 74.1% 81.2%
2018年度 77.3% 81.7%

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