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日本医科大学の傾向分析2023

2023年度一般入試問題分析

英語

近年文章量が急増しており、直近2年度は前期・後期ともに2,000語overの文章が出題されている。自然科学分野から広範に出題され、語彙レベルも高い。記 述式問題では、本文全体を俯瞰して該当箇所を探さなければならないタイプの内容説明問題が多く出題され、難度が高い。最後に内容一致問題も設置されているが、「そのように判断した理由」を論述させるのも本学の特徴。一方、マーク式には判断に迷うような微妙な選択肢が多く、本文の一語一句との慎重な照合が求められる。特に例年2問程度出題される “Choose ALL” 型の内容一致問題は、消去法を使うこともできないためかなり難しい。幸いにして試験時間は90分と長めであるため、落ち着いて精読することを心がけたい。また医学部にしては珍しく、発音や語彙に関する問いが大問1つ分出題されるほか、自由英作文(解答欄12~14行程度)も毎年出題されるため、必ず演習しておこう。

大問 形式 難易度 内容
1

マーク

★★★★☆

【発音・アクセント】発音・アクセント、語彙力、正誤

2 記述・マーク ★★★★☆

【長文総合】適語補充、同義語、内容一致、要旨・要約

3 記述 ★★★☆☆

【作文】自由英作文

数学

2023年度は大問4題の構成で試験時間は90分、大問1は答えのみで、大問2~4は記述式である。ここ数年の出題形式は安定しているが、数年ごとに大問数が変化することがあり、2024年度も同様とは限らないので入試本番で変化が見られても落ち着いて解き進めたい。ここ数年は数学Ⅲ、数学Bの出題率が高く、分野横断的な複合問題も多くなっている。また、高い計算能力を要求される問題が目立ち、これは本学の最大の特徴でもあると言える。文字を多数含む計算にも慣れておく必要がある。毎年共通しているのがとにかく計算量が多いということである。考え方自体は難関入試レベルという視点に立つと平易な問題が多いので、計算力が合否を分けるといっても過言ではないだろう。日頃から数学Ⅲ、数学B を中心にかなりきつめの計算をこなしておかないと入試本番では太刀打ちできないだろう。

大問 形式 難易度 内容
1 答のみ ★★☆☆☆

【確率】【二次関数】
サイコロの目によって決まる二次関数に関する確率の問題

2 記述 ★★☆☆☆

【空間のベクトル】
二つの球の交面に関する問題

3 記述 ★★★☆☆

【極限】【積分法】
多項式の累乗の展開項の係数と極限

4 記述 ★★★★☆

【積分法】
三角形が通過してできる立体の体積の問題

化学

大問4問構成で、試験時間は理科2科目で120分である。例年、理論分野から2題、有機分野から2題の出題で、いくつかの範囲に絞って重点的に出題される傾 向が強いが、2021年度から第1問の理論分野が小問集合となり、この傾向は続くものとみられる。第1問は平易な出題が多いため、日医受験者であれば完答したい。 その他の出題内容をみると、典型問題というよりは「その場で考えて解く」問題が出題される傾向にある。理論分野では「化学平衡」を中心に、有機分野では初見の物質に対してその構造を決定していくといった、知識偏重型ではない出題がなされるので、日頃から考える習慣を身につけておきたい。全体的な難易度は大幅に易化しているが、油断は禁物である。問題文を読んで解ける問題を確実に解き、 計算処理が面倒な問題や難問には手を出さずに得点を積み重ねることが合格への最短経路となる。全体として80%は得点したい。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★☆☆☆

【小問集合】
弱塩基の電離平衡、熱化学方程式、生分解性高分子化合物

2 記述 ★★★☆☆

【無機物質】【化学平衡の法則】【固体の溶解度】
金・銀・銅、溶解度積、硫酸銅(Ⅱ)五水和物の析出

3 記述 ★★★☆☆

【有機化合物】
イブプロフェンの構造決定、有機化合物の分離

4 記述 ★★★☆☆

【天然高分子化合物】
アミノ酸

生物

日本医科大学の生物は、前期・後期ともに大問3題である。記号選択がほとんどであり、時折論述問題が含まれる。計算問題は近年ほとんど出題がない。出題 内容は空欄補充、実験考察問題が中心だが、特徴的な出題としては現象の順番を 並び替える問題がある。第1問と第2問は、標準レベルの問題を中心に作問されているが、実験考察問題や進化と系統分野の問いが含まれており、一分野に偏らない問いたても特徴である。第3問は遺伝子発現や細胞分化に関する近年の研究に基づいた実験考察問題が出題されやすい。いくつもの図や表をもとに、5-7個程度のタンパク質・遺伝子の相互関係を明らかにする考察力が必要である。ただ知識問題は標準レベルであることから、これらはほぼ確実に得点しなければならない。考察問題で得点差がつきやすいことから、標準的な知識と記述力の二つを鍛えることが合格につながる。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★☆☆☆

【生殖と発生】動物の生殖細胞形成、形成体と誘導

2 記述 ★★☆☆☆

【生物の体内環境の維持】ホルモンと内分泌腺

3 記述 ★★★★☆

【生命現象と物質】遺伝子発現の仕組み

物理

長らく大問4問(解答数20)だったが、22年度からは大問3問(解答数20)に変化し、数値計算が大幅に増加した。「原子」を含むすべての分野から出題され、 「力学」と「電磁気」の他には「熱」と「原子」からの出題比率が高い。新規性の高い問題が出題されることは少なく、大まかには、標準レベルの典型問題2問と、 難関大が好むやや難レベルの準典型問題1問から構成されるため、受験生の物理の学習量が点数に反映されやすい。ただし、見慣れたテーマであっても、誘導が少なかったり解答の文字指示があったりと、特有の点数の取りにくさがある。導出過程や計算過程への加点はないので、計算ミスや凡ミスのが命取りとなる。本番で一通り解き終えた後は、解けなかった設問に取り掛かるよりも、設問との対応関係や数値計算などの見直しを行ったほうが結果的に得点を高められるだろう。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★★☆☆

【力学】斜方投射、はね返り係数
斜面での小球のはね返り

2 記述 ★★★☆☆

【電磁気】電磁誘導、電流が磁界から受ける力
斜めレール上の導体棒に生じる誘導起電力

3 記述 ★★★★☆

【小問集合】

受験者数および合格者数推移

  受験者数 一次合格者数 二次正規合格者数 合格最低得点/満点 得点率
2023年度 1,651名 352名 172名 非公表/1000 -
2022年度 1,681名 353名 161名 非公表/1000 -
2021年度 1,715名 350名 169名 非公表/1000 -
2020年度 1,880名 352名 161名 非公表/1000 -

医師国家試験合格率推移

  全体 新卒
2023年度 96.7% 98.2%
2022年度 94.2% 95.6%
2021年度 94.5% 95.9%
2020年度 97.4% 98.1%

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