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久留米大学医学部(前期) 各科目の講評および全体総括

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入試

メビオ講師コラム

2023/02/01(水)

2023年2月1日(水)に久留米大学医学部の入試がありました。

英語のコメントは英進館メビオの先生方に書いていただきました。それでは早速両予備校講師陣の声を紹介いたします。

英語
1[語彙四択](やや難)
8問中6問は例年並みの難易度でした。残りの2問は受験生にはやや難しい問題でしょう。
2[不要文排除](易)
昨年と同程度の難易度で解きやすい問題でした。
3[文中語句整序](標準)
「アメリカ沿岸部における海水面上昇の新たな予測」に関する英文。(1)は付帯状況が絡みやや難しい出題,文意を理解しつつ,品詞・文構造を押さえて解答したいところです。
4[長文総合](標準)
「アイルランドにおける守秘義務の権利を脅かす事件」に関する英文。空所補充の選択肢は標準的な語が多かったですが,内容一致には一部難しい選択肢がありました。
5[長文内容一致](標準)
「TBI(外傷性脳損傷)」に関する英文。医学用語も多少含まれるが推測や消去法で十分対応でき,答えやすい問題でした。頭蓋骨内部での頭部打撲についての部分は,理解できた人とそうでない人で差がついたでしょう。
6[要約](標準)
1.は要点の絞り方が難しい問題であったと思われます。制限語数内に収めるのに何を削り,どうまとめるかがポイントとなります。

全体としては昨年度前期よりもやや難しくなりました。目標は60%

数学
1.[平面ベクトル](やや難)
平面ベクトルの大きさや内積の範囲を求める問題でしたが (2) 以降で戸惑った受験生もいたでしょう。(1) は確実に得点したいところ。(2) 以降では予想で埋めることができた受験生もいたのでは。
2.[確率](やや難)
得点のやり取りがある確率の問題で,ある程度視覚化して作業をしないと作業が煩雑になる問題でした。それまでの結果をうまく使いながら作業を進めたい問題ですが,やや得点しづらかったか。
3.[数列](標準)
格子点に関する問題です。まずは式変形をしっかりと行い,y = x · 2^x が単調増加であることをふまえて処理したいです。仮に (1)ができなくとも(2)は定番の数列の和の問題であるため,確実に得点したいところです。(3)も格子点の考え方を用いる典型題であるためしっかりと合わせられるよう頑張りたいです。
4.[平面図形](やや難)
共通テストを意識させるような平面図形の問題でした。図を正確に描くことがなかなか難しく苦労した受験生が多かったのではないでしょうか。複雑な図形の場合は必要な部分のみ切り出して考えることなども心がけたいところです。
5.[数学Ⅲの積分](やや難)
定積分を含む関数方程式の問題です。積分区間に x が含まれる定積分を微分するタイプと,定数となる定積分を文字でおくタイプの両方が出題されました。どの問題も処理力で差がつく設定となっています。何とか(1)(2) は押さえたいところ。なお,解答枠の形から,未知の係数を適当に文字でおいて答を得るという手段もあります。

2022年度前期と比較して,分量,問題の難易度ともに得点しにくくなりました。例年,必ず完答すべき問題がいくつか含まれていたのですが,今回はそのレベルの問題がありませんでした。前半の設問が解けなくても後半の設問で得点する,といった粘り強さも必要となってきます。目標は 50%。

物理
1 [力学:単振動・万有引力](標準)
Ⅰは典型問題であり完答を目指したい。Ⅱは地球の中心を貫くトンネル中の物体の単振動の問題。一度解いたことがあるかどうかで差がつくでしょう。
2 [波動:マイケルソン干渉計](標準)
マイケルソン干渉計の問題です。(6)までは標準的内容なので完答を目指したい。(7) 以降は干渉条件を立てて式の処理を行う必要があり,少し難しいと感じた受験者もいたと思います。
3 [電磁気:電流の作る磁場](標準)
直線電流の作る磁場の標準的問題。直線電流の作る磁場の式を覚えていないと手がつけられません。また,作業量が多く途中で計算ミスをすると連鎖しやすいので慎重に計算を進める必要がありますが,できれば完答したい問題です。

難易度は 2022年度前期とほぼ同じです。万有引力による単振動や,マイケルソン干渉計の後半の問題は一度類題を扱ったことがあるかどうかで差がつきそうです。各大問の前半をほぼ正解することが求められ,各大問の後半の出来で差がつくでしょう。目標は70%

化学
1[小問集合](易)
2022年度同様,取り組みやすい問題。有効数字の桁数など細かな部分にまで配慮を配って完答を目指したいところです。
2[ハーバー・ボッシュ法](標準)
アンモニアの製法に関する出題。熱化学方程式や圧平衡定数,平衡時のモル数の計算,ルシャトリエの原理に関する出題,グラフの描画問題,pH 計算など様々な問題が並びましたがどれも基礎~標準の難易度。丁寧に解いて失点を防ぎたいところです。
3[12族元素の性質](標準)
亜鉛と水銀およびその化合物の性質や反応を問う内容,および化学反応に伴う量論計算についての出題でした。基本的な内容も含まれていましたが,あまり出題頻度の高くない硫化水銀(Ⅱ)を昇華すれば朱色物質となることや,(4)や(5)のような書きにくい論述も含まれていたことから難易度は標準となります。落とせない基本問題と最後の計算問題を正確に合わせたいところです。
4[エステルの構造推定](易)
分子式 C3H6O2 の構造推定。問われている事項はいずれも有機化学の基礎事項であり,短時間で完答を目指したい内容です。分子式C3H6O2のエステルがギ酸エチルと酢酸メチルの2種しか存在しないため,化合物A(あるいはE)に「水酸化ナトリウムを加えて十分反応させ」た操作からこの化合物がエステルであることさえ読み取れたら,その後の検討は易しい設問でした。

分量は2022年度より増えましたが,平均的な難易度は低下しました。化学ではあまり差がつかない高得点勝負になると予想します。目標は75%

生物
1:[キメラマウス](標準)
設問自体は難しくないので,キメラマウスの作製方法やその原理について知っていたかどうかで差がつくでしょう。
2:[遷移](標準)
設問はいずれも標準レベルですが,細菌の炭酸同化,植物の生活感,生物間の相互作用など医学部受験生が後回しにしがちな範囲からの出題ばかりなので,いかに取りこぼしを減らすことができたかで差がつくでしょう。
3:[ウニの受精](標準)
ウニの受精に関してどこまで細かく覚えていたかで差がつきます。
4:[コロナウイルスワクチン](やや難)
身近なテーマではあるものの,受験レベルを超えた知識が問われました。論述問題も解答にたどりつけなくはないものの,100字にまとめるのは厳しいです。

どの大問も,問われている知識自体はそこまで難しくはないものの,いずれも多くの受験生にとって手薄になりがちな範囲で得点しにくかったと思います。受験生としては,「そこを出題されても……」と感じるような出題範囲ばかりでした。目標は60%

全体講評

英語・数学・生物が難化,物理・化学が横ばいもしくは易化したといえます。それに伴い合格最低点も少し下がると予想します。学科としては400点満点中240点あたりが合否を分けるでしょう。

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