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医師国家試験の難易度は?大学別合格率の傾向と実態について

基本情報

2019/06/10(月)

(最終更新日2025/04/11)

医師国家試験はいうまでもなく難関ですが、合格率は大学によって大きく異なります。

本記事では、医師国家試験の難易度や大学別の合格率について紹介します。併せて医師国家試験の内容や勉強方法などのポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。

医師国家試験の難易度は高い?

医師国家試験の難易度は非常に高いといわれていますが、ここでは2025年に発表された合格者数や過去5年の合格率の推移をご紹介します。

第119回医師国家試験の合格率

厚生労働省が発表した「第119回医師国家試験の合格発表」によると、全体の合格率は92.3%でした。受験者数は10,282 人で、そのうち合格者数は9,486人です。また新卒者の合格率は95.0%と全体よりも高い結果となっています。合格者を男女別にみると、男性6,044人で合格率91.8%、女性は3,442人で93.1%でした。

過去5年間の合格率

今度は、合格者数の推移を見ていきましょう。2025年と過去5年間の医師国家試験の合格率を以下の表にまとめました。

     
試験回 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第119回 10,282 9,486 92.3
第118回 10,336 9,547 92.4
第117回 10,293 9,432 91.6
第116回 10,061 9,222 91.7
第115回 9,910 9,058 91.4
第114回 10,140 9,341 92.1

※データは厚生労働省の公式発表

このデータからは、大きな変動は見られません。しかし年ごとに試験の傾向が若干異なり、特定の分野で難易度が上がることもあります。医師国家試験の場合は、知識だけでなく実践的な思考力が求められるでしょう。

医師国家試験のスケジュールは?

まず医師国家試験のスケジュールをしっかりと理解しておくことが非常に重要です。医師国家試験の受験までには臨床実習であるポリクリ・病院見学など、さまざまな予定をクリアする必要があり、大学の卒業試験の対策もしなければなりません。また、医師国家試験の受験後には医籍登録や初期研修先への対応などを行う必要があります。

医師国家試験は現在では2日間に渡って行われ、合計で400問の問題を解く必要があります。一般的には2月の上旬〜中旬の土日を使って(大体2月の2週目前後)に試験が実施されるのが通例です。受験の会場は全国の12都道府県(北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県)で、複数の試験会場で一斉に試験が行われます。

医師国家試験の合格率の特徴

医師国家試験の合格率は、大学によって特徴が見られます。厚生労働省が発表した「第119回医師国家試験 学校別合格者状況」を基に、国立、私立、公立大学医学部ごとの医師国家試験の合格率を詳しく見ていきましょう。

国立大学医学部の合格率

国立大学の医学部は全国に43校あり、一般的に高い合格率を維持しています。医師国家試験の受験者5,298人に対し、合格者数は4,951人、合格率は93.5%でした。全体の合格率は前年と比較して0.6%上昇しています。

合格率上位は福井大学医学部の98.4%、金沢大学の97.6%、浜松医科大学の97.5%でした。ただし80%台の大学もあり、合格率の差が出ているようです。

私立大学医学部の合格率

私立大学医学部は全国に31校あり、こちらも高い合格率を維持しています。受験者数は3,776人、うち合格者は3,523人、合格率は93.3%となっており、昨年の94.1%から0.8%上昇しています。

国立大学や公立大学と比較しても、私立大学の合格率の伸び幅が最も大きく、教育レベルの向上を示しています。中でも 国際医療福祉大学は100%という高い合格率を達成し、医学部全体でもトップとなりました。

公立大学医学部の合格率

公立大学医学部は全国に8校あり、こちらも国立大学と同等の高い合格率を維持しています。受験者数889人のうち合格者が840人、合格率は94.5%でした。前年の93.8%と比べて0.7%もアップしています。

ほとんどの公立大学医学部が90%以上の合格率を達成しており、中でも横浜市立大学医学部は97.7%という高い合格率を記録しています。

公立大学医学部の合格率94.5%は、国立大学医学部の合格率93.5%と比較しても高い水準にあります。この結果は、公立大学医学部の教育水準の高さを示しているといえるでしょう。

医師国家試験の合格率が高い国立医学部3選

2025年3月14日に厚生労働省より発表された「第119回医師国家試験の合格状況」を基に、合格率が特に高い国立医学部を3校ピックアップしました。

合格率98.4%%!福井大学

福井大学は、高い合格率を誇る国立大学医学部の一つです。2025年に発表されたデータでは、受験者数126人、うち合格者124人で合格率が98.4%でした。

福井大学医学部は、入学してから早く実践的に学べるのが特徴です。ほとんどの大学が2年次に行う人体解剖を、福井大学医学部では1年次の秋から始めており、医学への情熱が高い時期に実践的な経験ができます。

また福井大学は最新の医学知識を教えるだけでなく、将来の医療を発展させる研究も重視しています。同社の目標は、患者様の気持ちを理解し、しっかりコミュニケーションができる、責任感のある医師を育てることです。知識と人間性のバランスがとれた医療人材の育成に力を入れています。

福井大学の詳細な情報は、こちらをご覧ください。

合格率97.6%!金沢大学

金沢大学医学部は受験者数126人、合格者数123人で、97.6%という高い合格率を達成しています。

金沢大学医学部は1862年、加賀藩時代の彦三種痘所開所を始まりとし160年以上の長い歴史を持っています。高度な医療研究を推進し、専門医を目指す学生に向けた教育環境が整っており、基礎研究と臨床応用を融合させた先進的なカリキュラムが特徴です。また最新の医療技術や治療法の開発にも力を入れています。

また附属病院との連携を強化し、実践的な臨床研修を重視することで医療現場で即戦力となる人材を育成しています。

金沢大学の詳細な情報は、こちらをご覧ください。

合格率97.5%!浜松医科大学

浜松医科大学では受験者数120人に対し合格者117人、合格率は97.5%でした。浜松医科大学は、静岡の地で半世紀近くにわたり医療人材を育ててきた国立大学です。1974年の設立から2004年の法人化を経て、医学と看護の専門教育に特化した環境を整えてきました。

医療技術を教えるだけでなく、自ら学び研究する姿勢を重視しているのが特徴です。現場で必要なコミュニケーション力や倫理観を磨きながら、国際的な視野も育む教育プログラムを展開しています。

医学生や看護学生が共に学ぶことで、チーム医療の基盤となる相互理解も深められる環境が整っています。理論と実践、技術と人間性のバランスがとれた医療人の育成が、この大学の真髄といえるでしょう。

浜松医科大学の詳細な情報は、こちらをご覧ください。

医師国家試験の合格率が高い私立医学部3選

次に私立大学を見ていきましょう。私立大学医学部は受験者が多く、その中でも特に高い合格率を誇る3大学をご紹介します。

合格率100%!国際医療福祉大学

国際医療福祉大学は、127人中127人合格という非常に高い数字を出しました。合格率が100%なのは、国公立・私立大学の中でも1校のみです。

国際医療福祉大学は、グローバルな医学教育の最先端を行く独自のアプローチ方法を採用しています。提携校からの留学生をフルスカラシップで迎え入れ、医学部生の約14%が留学生という多様性に富んだ環境で学べるのが特徴です。

1〜2年次の授業の大半が英語で行われ、5〜6年次には海外臨床実習が必修とされており、日本の医学部としては珍しい国際的な学修体制となっています。

教育環境においても先進性が際立っており、学内には最新鋭の医療機器や検査機器が配備され、実際に触れながら実践的なスキルを磨けます。附属病院や臨床医学研究センターでの臨床実習と併せて、日常的な環境でのトレーニングが可能なため、理論と実践の架け橋となる貴重な学びの場となるでしょう。

国際医療福祉大学の詳細な情報は、こちらをご覧ください。

合格率99.3%!自治医科大学

自治医科大学は、2025年の発表により、受験者数135人、うち合格者は134人で合格率は99.3%でした。こちらも国際医療福祉大学に次いで高い数字を誇っています。 自治医科大学は、1972年に設立された医科大学です。長年地域医療を支える医師の育成に力を入れています。2024年3月までに4,978人もの卒業生を輩出し、日本各地の医療現場で活躍しています。

自治医科大学は、地域医療に献身的に取り組む精神と、高度な医療技術を併せ持った医師の養成を目指しているのが特徴です。医師不足が課題となる地方や僻地での医療体制を支えるため、使命感と専門性を備えた人材を育成する独自の教育理念を掲げています。長年にわたり日本の医療格差の解消に貢献してきた大学です。

自治医科大学の詳細な情報は、こちらをご覧ください。

合格率99.1%!兵庫医科大学

兵庫医科大学は、受験者数110人、うち合格者109人で合格率99.1%でした。兵庫医科大学は、1972年の開学以来、学生教育・医学研究・先端医療の発展に力を注いできた大学です。近年は医師国家試験において高い合格率を持続しており、医学教育の質の高さで注目を集めています。

また2022年4月には、既存の医学部に加えて薬学部やリハビリテーション学部、看護学部を新設し、4学部を擁する総合的な医療系大学へと発展を遂げています。

兵庫医科大学の詳細な情報は、こちらをご覧ください。

医師国家試験の合格率が高い公立医学部3選

公立医学部の高い合格率を誇る大学をご紹介します。それぞれの特徴と合格率を詳しく見ていきましょう。

合格率97.1%!横浜市立大学

横浜市立大学医学部は、2025年度入試では受験者数88人、うち合格者が86人で合格率は97.1%でした。

横浜市立大学は、都市部の医療を支える人材の育成に重点を置いており、プライマリ・ケア医だけでなく臨床医、医学研究者、医学教育者、医療行政官を輩出する教育機関を目指している大学です。

また附属病院、附属市民総合医療センターと密接に連携し、都市部特有の医療ニーズに対応する能力を養えます。さらに高度医療と地域医療をバランスよく学べる環境が整っているのが特徴です。

横浜市立大学の詳細な情報は、こちらをご覧ください。

合格率97.1%!福島県立医科大学

福島県立医科大学は、公立大学の中でも高い合格率を誇る大学の一つです。2025年の発表では、受験者数139人、うち合格者135人で、合格率が97.1%となっており横浜市立大学と同率でした。 福島県立医科大学医学部は、「心を感じ、知を持ち、技を活かし、和を育み、地域を創造する医師」の養成を教育理念に掲げている大学です。医学的知識や技術だけでなく、患者様の心に寄り添う姿勢や、チーム医療における協調性、そして地域医療への貢献という多面的な医師像が込められています。

同大学は高い倫理観と生涯にわたる探究心を持つ医師の育成に注力すると共に、世界に向けて医学知識を発信するという使命も担っています。地域に根ざしながらも国際的な視野を持つ医療人材の育成を通じて、福島の医療の発展と世界の医学の進歩に貢献できるでしょう。

福島県立医科大学の詳細な情報は、こちらをご覧ください。

合格率96.2%!大阪公立大学

大阪公立大学は、受験者数105人、うち合格者101人で合格率96.2%という高い数字を出した大学です。

大阪公立大学では、国際基幹教育機構という多数の専任教員で構成される組織が全学の基幹教育を管理し、質の高い教育プログラムを展開しています。学部の垣根を越え、統一された教育方針の基、学生一人ひとりの成長をサポートしているのが特徴です。

教育手法としては、グループワークやディスカッション、フィールドワークなどの能動的学習法を積極的に取り入れています。参加型の学びを通じて、知識を吸収するだけでなく、大学で主体的に学ぶ姿勢や問題解決能力を養える大学といえるでしょう。

大阪公立大学の詳細は、こちらをご覧ください。

医師国家試験の勉強はどうするの?対策を紹介

大学進学後に医師国家試験の出題内容や勉強を始めるタイミング、効果的な学習法についても把握しておきましょう。

出題内容は?

医師国家試験の内容は、大きく分けて臨床問題・一般問題・必修問題の3種類があります。試験は2日間、全400問で問題配分は「必修」が100問、「一般」が100問、「臨床」が200問です。

合格するには「必修」科目で80%以上の正答率が求められる他、条件ごとのボーダーも毎年設定されておりその点数をクリアしなければなりません。問題量が多く、幅広い知識が求められるため6年間の学習内容を総復習し、しっかりと対策を立てることが重要です。

いつから勉強すればいい?

国家試験の勉強は大体大学の6年生になってから始める学生が一般的です。6年生になる頃には臨床実習(ポリクリ)も終了し、国家試験だけ勉強する期間を確保できます。

国家試験対策には過去問題集や国家試験の内容に合わせて作成されているテキストを利用して勉強を進めるのが一般的で、うまく情報を集めて効率の良い勉強のやり方と知識を身に付けておくことが非常に重要です。

6年生からスムーズに勉強を進めるために、5年生のうちに過去問や参考書を揃え、計画的に準備を始めましょう。6年生の前半で間違えた問題や苦手分野を重点的に克服し、後半は復習を重ねながら自信を持って解答できるようにするのが理想的です。

過去問を繰り返す

医師国家試験の勉強では、過去問演習がとても大切です。出題傾向や重要ポイントを把握し、効率よく学習を進めるため、少なくとも過去3年分の問題を複数回解く練習をしましょう。

ただ答えを暗記するのではなく、なぜそうなるのかを考えると応用力が身に付きます。また2日間で400問とボリュームがあるため、時間配分の感覚を掴み、解答スピードを向上させるのもポイントです。

予備校に通う

医師国家試験の対策として予備校を利用する方法もあります。予備校では、試験のポイントを押さえた授業や効率的な学習方法を提供しており、独学ではカバーしきれない部分を補えるからです。

また最新の傾向や模擬試験なども用意されているため、実践的な学習で苦手分野の克服や効率的な学習法の習得にも役立ちます。医学部受験予備校のメビオでは、医師国家試験対策の指導も行っています。万全の体制でサポートいたしますので、ぜひご検討ください。

合格後の手続きはどうするの?

国家試験合格後の医籍登録は、医師としての第一歩を踏み出すための重要な手続きです。この手続きはシンプルですが、初期研修が行われる4月1日までの間に手続きを終えておく必要があります。

医籍というのは医師免許を得た者の氏名・本籍を記した帳簿のことで、厚生労働省で管理されます。医籍登録を行うのは合格発表の後になり、医籍登録を終えなければ医療行為ができません。

医師免許申請書・健康診断書・戸籍抄本など、いくつかの必要書類を揃えて郵送するだけなので手続き自体は簡単です。この手続きを終えた後には、いよいよ研修医として医療を実践する側として活躍していけるでしょう。

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大学カリキュラムの充実度や臨床実習の環境が合格率に大きく影響していることが特徴です。また、国家試験に向けた対策は早期の準備が重要であり、医学部受験の段階から質の高い指導を受けることが重要です。

医学部専門予備校のメビオでは、受験対策から医師国家試験までを見据えた指導を提供しており、多くの医学部合格者を輩出しています。医学部合格を目指す方は、ぜひメビオの指導を活用して、合格への第一歩を踏み出してください。

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