【講師監修】九州大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ
基本情報
2025/04/10(木)
(最終更新日2025/05/09)
九州大学医学部は、福岡県にある国立大学医学部です。国公立大学は私立と異なる入試制度を採用しているため、特徴を理解した上で対策を立てる必要があります。本記事では、九州大学医学部の入試傾向と受験対策に加え、各科目の効果的な勉強法まで詳しく解説します。
目次
1.九州大学医学部の概要
2.九州大学医学部の入試情報
3.九州大学医学部合格に向けたロードマップ
3-1.高1生
3-2.高2生
3-3.高3生・高卒生
4.九州大学医学部の科目別受験対策・勉強法
4-1.英語
4-2.数学
4-3.化学
4-4.物理
4-5.生物
4-6.面接
5.九州大学医学部の受験対策についてよくある質問
5-1.九州大学医学部の特徴は?
5-2.九州大学医学部学の難易度はどれくらい?
5-3.九州大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
6.九州大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
九州大学医学部の概要
九州大学医学部の歴史は、1903年に開設された京都帝国大学福岡医科大学が始まりです。のちに「九州帝国大学医科大学」「九州帝国大学医学部」など名称の変更を経て、1947年に九州大学医学部となりました。
キャンパスには医学部・歯学部・薬学部・九大病院・生体防御医学研究所が併設され、医療教育や研究を共同で担っています。病院と大学で連携してカリキュラムの見直しを行い、常に時代の流れに合わせた教育が受けられます。
九州大学医学部の入試情報
【所在地】〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
【学生数】1303名(※2024/05/01現在)
【公式サイト】https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/
【アドミッション・ポリシー】
医師の仕事は、非常に幅広く、基礎の研究者から臨床医まで選択肢も多い中で、最も大切なことは弱い立場の患者さんの味方となり、病気に苦しんでいる患者さんを助けることです。単に受験学力が高いから医学部に入学するのではなく、医師としてあるいは医科学分野の研究者として活躍するに十分な能力と素質をもち、明確な目的意識をもった学生を望んでいます。
人間で最も大切なことは、「生きがいを持ち人間らしく生きること」です。命に直接関係するような病気を持っている患者さんは、ややもすると、この「生きがい」をなくし、生きる喜び、生きる目標を失っています。このような人達に優しい救いの手をさしのべることができる人間味あふれる学生を求めます。
【6年間の学費】3,49万6,800円
【奨学金情報】
中本博雄賞修学支援奨学金
市川節造奨学金
九州大学 修学支援奨学金
利章奨学金
緊急助成金 (九州大学学生後援会の助成金)
九州大学医学部の試験科目・募集人数・受験料・出願期間、入試日程・会場アクセス、受験者数・合格者数など詳細情報はこちら
九州大学医学部合格に向けたロードマップ
九州大学の医学部に合格するには、正しい道筋に沿って受験対策を行う必要があります。受験を検討している方は参考にしてください。
高1生
医学部に入学するためには、高校1年生の段階から基礎学力を身に付けなければなりません。英語・数学は医学部入試で必須のため、定期試験や模試で点数が安定するよう対策しましょう。その他、生物や化学などの理系科目も同様に、基礎を固めることを重視して勉強してください。
毎日の学習計画を立てて勉強時間を確保するだけでなく、医学部に関する情報収集も必要です。書籍やWebサイトなどを活用して知識を身に付けたり、病院見学に赴いて現場を理解したりすると良いでしょう。
高2生
2年生の時点では引き続き学力の向上に努め、英語・数学・その他理系科目の応用問題に取り組むことを推奨します。大学の過去問や模試を解き、理解度を深めましょう。
また、そろそろ志望大学を絞り込む学年でもあります。各大学の説明会やオープンキャンパスに参加して、雰囲気を体験しておくのもおすすめです。翌年の受験を見据えてボランティア活動に励んだり、インターンシップに行ったりして実践的な経験を積むことも大切です。
高3生・高卒生
3年生または既卒生の場合、受験が間近に迫ってきます。志望大学の過去問対策はもちろん、苦手科目の克服にも力を入れてください。同時に出願要件や受験情報を調べ、書類の準備と面接対策も進めておく必要があります。
また勉強はもちろん大事ですが、健康管理とメンタルケアにも気を配りましょう。試験本番で実力を発揮するには心身のメンテナンスが求められます。軽い運動をする・趣味の時間を持つなど、適度な休息を挟んでコンディションを整えましょう。
九州大学医学部の科目別受験対策・勉強法
続いては九州大学医学部の志望者に向けて、科目別の受験対策や勉強方法を解説します。出願予定の方はぜひ参考にしてください。
英語
傾向分析
九州大学医学部の英語は、試験時間が120分、5つの大問で構成されています。記述式の問題がメインですが、一部で選択式の出題が見られます。大問の前半(1〜3)では長文読解、後半(4〜5)では自由英作文・和文英訳が出題される傾向が続いており、毎年配点の比率が変わるのが特徴です。
長文読解では「○○について説明しなさい」という出題が多く、端的に問題文を理解してまとめないと自由英作文に使える時間が少なくなります。試験の内容は身の回りの話題から社会問題に至るまで幅広く、さまざまなテーマに対応できるよう準備すると良いでしょう。
受験対策・勉強法
全体的に難易度は標準レベルですが、文法・イディオム・表現力で高度な知識を求められます。どのような問題にも対応できるよう、日頃から100語ほどの英作文で文章のトレーニングをしましょう。
試験時間内に全ての問題に回答するには、読解力と記述力が必須です。過去問を繰り返し解いて出題傾向や形式に慣れておき、試験本番で実力を発揮できるよう準備してください。長文読解・自由英作文・英訳のいずれもバランスよく対策し、苦手分野で他の受験生に差をつけられないよう心掛けましょう。なおリスニング問題は出題されません。
数学
傾向分析
九州大学医学部の数学は、理系数学と文系数学で違いが見られます。
理系数学は試験時間が150分、5つの大問から構成されています。全問記述式となっており、出題範囲は数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲです。最重要分野は数Ⅲの微分積分と複素数平面で、続いて確率とベクトルの出題が多い傾向です。
文系数学は試験時間が120分、4つの大問から構成されており、理系と同じく全問記述式で、出題範囲は数学Ⅰ、数学A、数学Ⅱ、数学B(数列・ベクトル)です。微分積分は毎年出題されており、整数・図形と方程式・確率・ベクトルも頻出の分野となっています。
受験対策・勉強法
理系数学の場合、教科書レベルの問題を理解した上で、問題集や過去問などを解いて対策するのが確実な方法です。計算問題はもちろん、証明問題の演習をこなして苦手分野を洗い出し、分からない部分を一つひとつ潰していくようにしましょう。文系より難易度が高いため、標準レベルは手堅く得点できる状態が理想です。
文系数学ではあまり難問が出題されないため、基本問題できっちり得点を取れるよう対策してください。先に解けそうな問題とそうでない問題を見極めて、確実に回答できるところを押さえると良いでしょう。
化学
傾向分析
九州大学医学部では、理科は2科目選択で150分(1科目当たり75分)となっています。科学は5つの大問で構成されており、記述式の出題が中心です。
出題範囲は理論化学・無機化学・有機化学・高分子化合物などで、ときに計算問題・選択式問題に加えて図を描く問題が出るケースもあります。
計算問題では回答のみ求められるものが大半ですが、計算の過程も含めて採点の対象となる年度もありました。日頃からきちんと計算する練習をしておく必要があるでしょう。全体的に出題量が多い傾向にあり、演習を通じて慣れておくことを推奨します
受験対策・勉強法
出題の比重が大きい理論化学は、特に力を入れて勉強しましょう。無機化学・有機化学の知識も絡めて出題されるケースが見受けられるため、出題範囲は満遍なく理解するよう心掛けてください。化学平衡では、形式を変えて知識を問う傾向にあるため、過去問や問題集を解いてさまざまなパターンに慣れておくことが大切です。
大問の後半は有機化学から出題される例が多く、頻出の元素分析・化合物の構造決定は押さえる必要があります。無機化学が大問で扱われるケースは少ないですが、教科書の基礎問題は確実に解けるようにしましょう。
物理
傾向分析
九州大学医学部の物理は全て記述問題で、3つの大問から構成されています。原則として回答のみ答える形式ですが、中には回答を導き出す過程を書かせるパターンも存在するため、普段から過程を含めた計算の正確さを意識しましょう。
大問1では力学、大問2では電磁気、大問3では熱力学または波動の問題が出題されます。これまでの傾向だと原子に関する出題はまれですが、過去に波動の知識と融合させた形の問題が登場しているため油断はできません。全体的に設問が多いのが特徴で、前半は基本レベル、後半はやや難問レベルとなっています。
受験対策・勉強法
徹底的に過去問対策を行い、出題傾向をつかんでおくことが重要です。年度によってはこれまでと違う形式で出題される可能性もあるものの、よくあるパターンを把握しておけばその応用により対応できるでしょう。
生物
傾向分析
九州大学医学部の生物は5つの大問に分かれており、選択・記述・計算・論述など回答の形式がバリエーションに富んでいます。高校生物の全分野から出題されるため、満遍なく学習しましょう。
特に「○○字以内で説明しなさい」といった形式の論述問題は頻出です。端的に回答をまとめる能力が問われるので、過去問を解いて慣れておく必要があります。
難問奇問は少ない傾向ですが、ときに教科書レベル以上の知識を求められる場合もあるようです。まずは基礎知識をしっかり身に付け、確実に点数を取れるよう対策してください。
受験対策・勉強法
出題形式が多岐にわたるため、繰り返し過去問を解いてパターンを覚えるのが合格への近道です。実験の考察問題といった難易度の高い出題も見られるので、幅広い知識を習得しなければなりません。最新の生物学のニュースをチェックする、新しい研究成果がないか調べるなど、情報収集すると良いでしょう。
教科書で基礎を固めたら、過去問演習でさまざまな問題に触れる機会を増やしてください。頻出の論述問題に慣れるには、テーマごとに要点をまとめるトレーニングが必要です。
面接
傾向分析
九州大学医学部では、2020年から面接試験が必須となりました。まだ導入されて間もないため傾向が固まっていませんが、自己紹介・志望動機・短所や長所などのよくある質問には答えられるよう準備してください。
医学部の受験生は出願時に「志望理由書」を提出します。医師になりたい理由・高校時代の経験など、記載事項は多岐にわたります。受験勉強と並行して書類を作成しなければならないため、時間に余裕を持って回答を作成しましょう。
受験対策・勉強法
できる限り模擬面接を受け、頻出の質問事項は答えられるよう準備してください。先ほど挙げた自己紹介や志望動機はもちろん、長所と短所を仕事にどう生かすか・医師になる上で不安や怖さを感じるかなど、医学部ならではの質問にも対応する必要があります。できれば共通テストを受験する前に書類を作成しておきましょう。
学校や予備校の先生から模擬面接を通じて改善点を指摘してもらい、客観的に直すべき部分を把握するのが合格への近道です。自分では気付きにくいため、第三者の視点を借りましょう。
九州大学医学部の受験対策についてよくある質問
最後に、九州大学医学部の受験生によくある質問と回答を紹介します。同大学の医学部を受験する方は参考にしてください。
九州大学医学部の特徴は?
九州大学医学部の難易度はどれくらい?
九州大学医学部の偏差値は70前後とされており、倍率は2.3倍ほどです。私立医学部の中で比較すると、順天堂大学・東京慈恵会医科大学、日本医科大学、関西医科大学などと同じ並びになります。
医学部の難易度は偏差値だけで測れず、入試の形式や傾向などの要素に左右されるため、ランキングで比較するのは難しいでしょう。とはいえ決して簡単とはいえず、合格に至るにはしっかり対策しなければなりません。
九州大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
前提として入試の傾向を把握した上で、自身の得意・不得意を見極めることが求められます。得意分野はさらに伸ばし、苦手分野でも基礎レベルは確実に得点できるよう対策しましょう。
定期テストや模擬試験で学力を測り、ここまで解説してきた勉強方法を取り入れて総合的な学力の底上げに注力してください。毎日の学習時間を確保して計画的に学び、受験本番に備えるのが効果的な受験対策です。
九州大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
九州大学医学部に合格するには、客観的に学力を測り、自分に足りない知識を補うのがポイントとなります。高1の段階から着実に対策を行い、目標達成に向けて地道に努力しましょう。
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