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【講師監修】愛媛大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ

基本情報

2025/03/05(水)

(最終更新日2025/03/10)

愛媛大学は医学部を含む7学部を有する四国最大規模の総合大学です。愛媛大学医学部を目指す場合、早い段階で入試の傾向を把握することが合格への近道になります。

この記事では、愛媛大学医学部の入試傾向や受験の対策を解説します。学年別・科目別に学習方法も紹介しますので、受験勉強の参考にしてください。

愛媛大学医学部の概要

愛媛大学は、1949年に愛媛県松山市に創立した国立の総合大学です。7つの学部と大学院を擁するキャンパスは、自然豊かな落ち着いた環境です。

愛媛大学の医学部は医学科・看護学科の2学科で構成されています。「患者から学び、患者に還元する教育・研究・医療」を理念に掲げ、医療技術と人間性を兼ね備えた医師の育成を目指しています。

学内の研究施設や設備は充実しており、最先端の医療・看護・福祉について学ぶことが可能です。医学部・看護学部以外の他大学との合同授業も行い、多職種連携教育にも力を入れています。

また、愛媛大学医学部は地域医療への貢献にも力を入れている点も大きな特徴です。実習を通じて地域社会とのつながりを深め、卒業生の多くは地域の医療を支える人材として活躍しています。

愛媛大学医学部の入試情報

愛媛大学医学部の詳細や入試情報は以下のとおりです。

【所在地】愛媛県東温市志津川454
【学生数】698名 ※2021/05/01
【公式サイト】https://www.m.ehime-u.ac.jp/
【アドミッション・ポリシー】
愛媛大学医学部では、愛媛大学学生として期待される能力(愛大学生コンピテンシー)を備え、医学部の基本理念である「患者から学び、患者に還元する教育、研究、医療」を実践できる医療人の育成を目指しています。

愛媛大学医学部は以下のような人物を求めています。

  • 基本的な知識・技能思考力・判断力・表現力と人間の尊厳を重んじる豊かな人間性を備えた人物
  • 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を身に付けている人物

【6年間の学費】349万6,800円(入学時別途諸経費15万5800円が必要)
【奨学金情報】

  • 愛媛県地域医療医師確保短期奨学金
  • 愛媛県南伊予地域医師確保奨学金

愛媛大学医学部の基本データはこちら

愛媛大学医学部合格に向けたロードマップ

愛媛大学医学部への合格を目指すためには、早期の取り組みが大切です。ここでは、学年別に合格へのロードマップを紹介します。現在までの学習状況の振り返りをしてみましょう。

高1生

愛媛大学に限らず、医学部合格を目指すためには、高い学力が求められます。受験に必要な応用力を身に付けるには、基礎学力の強化と学習習慣の見直しが欠かせません。

1年生の時点では、レベルの高い問題にチャレンジするよりも、授業や教科書などで扱う基礎問題や標準問題に取り組みましょう。丸暗記ではなく本質的に理解することが大切です。

愛媛大学医学部は、共通テストに加え数学・理科・外国語・面接の二次試験があります。高校1年生のうちから苦手科目を作らないように意識して取り組むことが大切です。

また、比較的時間の余裕がある高校1年生の時期は積極的に医療施設を見学するなど、医学部を目指す意識を高めておくと面接にも役立ちます。

高2生

高校2年生では、応用力の強化と基礎力の定着を目指しましょう。

二次試験の受験勉強以外に共通テストの得点率を安定させておきたい時期でもあります。共通テスト対策が順調にすすめられているかを確認するためには、模擬試験が有効です。この時期に基礎学力を固められれば、受験に必要な応用力を身に付けやすくなります。

また、翌年からの本格的な受験対策に向けて、学習環境を整えることも大切です。模試の結果を確認し、必要な学習時間が確保できるよう調整します。

高3生・高卒生

高校3年生は学習時間の確保が合格の鍵を握っています。気力・体力とも厳しい状況に入るため、自己管理能力も必要です。

高3に入ると本格的に出願の準備も始まります。過去問題に取り掛かり、志望校に向けた学力の強化を図ります。受験勉強のラストスパートに向けて積極的に模擬試験を活用し、学力の伸びを確認しましょう。

また、先述したように愛媛大学医学部の入試科目には面接があります。医療現場でのボランティアや見学会などに参加し、志望理由や進学目的を明確にしておくと、面接に役立ちます。

愛媛大学医学部の科目別受験対策・勉強法

愛媛大学医学部医学科の一般入試は前期日程のみで行われます。医学部医学科の個別学力検査の受験科目は「数学」「理科(化学・物理)」「総合問題」「面接」です。ここでは、各科目の傾向と対策について解説します。

数学

傾向分析

愛媛大学の数学は、2021年度以降用意された6問から学部ごとに指定の問題を解答する形式になっています。医学部は後半の4~6問目のみ解答するように指示され、4問目は穴埋め形式、5問・6問目は証明問題を含む小問集合となっているのが近年の傾向です。

出題範囲は、数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学Ⅲ・数学A(図形の性質、場合の数と確率)・数学B(数列)・数学C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)となり、幅広い範囲から出題されています。ただし、難易度はとりわけ高くないため、出題範囲に苦手分野を残さないように対策を進めましょう。

受験対策・勉強法

愛媛大学の数学の試験時間は120分です。試験時間に対して問題数はそれほど多くありませんが、第6問目には証明問題などボリュームのある小問が配置され解答に時間がかかる可能性があります。過去問で傾向をきちんと把握して、時間配分を考えて進めましょう。

医学部が解答する問題には、例年「複素数平面」「極限」「微分」「積分」など数3の範囲からの出題が多い傾向が見られます。難易度はさほど高くはなく標準的な問題が多いので、まんべんなく得点できるように日頃から繰り返し演習を積み、基礎力の強化と応用力の向上を目指しましょう。

化学

傾向分析

愛媛大学「理科」は、問題冊子の前半が「物理基礎・物理(物理)」、後半が「化学基礎・化学(科学)」といった構成になっています。

近年の化学の出題傾向を見ると大問は5つあり、それぞれ3~8問ほどの小問が並びます。化学基礎と化学(科学)の出題範囲からは、知識問題・計算問題の他に論述問題も出題され、まんべんなく解答できるように対策が必要です。

理科の試験時間は100分で、医学部受験者は100分間で化学と理科の両方を解答する必要があるため、時間配分がポイントになります。ただし、問題の難易度は標準的なので、焦らずに確実に得点するようにしましょう。

受験対策・勉強法

理科の試験時間は化学と物理あわせて100分と短いため、時間配分への対策が必要です。愛媛大学の化学の難易度はさほど高くありません。時間内に効率よく解くことを優先しつつ、確実に解答できるようにしましょう。

化学の出題傾向を見ると、化学は理論化学・無機化学・有機化学・高分子化合物からまんべんなく出題され、特に高分子化合物はよく出題されています。出題範囲が広いので、得意な範囲から取り組むなど工夫して時間を使うのがポイントです。

化学反応式など式を答える問題が多く、数行で答える問題も例年出題されています。過去問や類似問題で論述問題に取り組み、解答の仕方に慣れておきましょう。

物理

傾向分析

物理の問題は力学・電磁気・波動・熱力学からなる大問4つに分かれていますが、医学部はこの内から2つの大問が指定されます。近年の傾向を見ると、力学と電磁気の大問を指定される場合が多いようです。ただし、難易度は標準的なので、どの範囲が指定されても慌てないように幅広い知識を身に付けておきましょう。

それぞれの大問は2つの問いに分かれている場合が多く、さらに複数の小問が設置されているため、問題数は決して少なくありません。理科は試験時間内に化学と物理の2科目を解かなくてはならないため、時間に余裕がない可能性が高いので時間配分が大切です。

受験対策・勉強法

化学の対策と同様に、物理も時間配分が合格の鍵を握っています。物理は化学ほど範囲が広くありませんが、計算が多く時間がかかりやすい科目です。時間に追われて焦ってミスをしないように、安定した基礎学力を養い、落ち着いて本番に臨めるようにしましょう。

また、広範囲をまんべんなく学習し、苦手を作らないこともポイントです。物理は力学・電磁気・波動・熱力学の大問から当日2つが指定されます。苦手な範囲を残したままでいると得点が安定しないため、模擬試験の結果を積極的に活用して、苦手な範囲をなくしておくのがおすすめです。

総合問題

傾向分析

医学部医学科では、2021年度より英語が「総合問題」として出題されるようになりました。総合問題は、英語力と国語力の両方の学力が必要です。英語の読解力と英作文力に加え、小論文のように自分の意見をまとめて陳述する力が試されます。

総合問題のこれまで傾向を見ると、記述式の大問2題が出題されています。それぞれ700~800語程度の英文を読み、日本語や英語で意見を述べる出題形式です。

試験時間は120分で、他学科より長く設定されています。医学部独自の専門性の高いテーマについて読解し意見を述べなくてはならないため、時間配分を考えて進めるようにしましょう。

受験対策・勉強法

医学科の総合問題の難易度はやや高く、長文を解くためには英語の基礎的な学力が欠かせません。定期テストや模擬テストで苦手な箇所を把握し、早めに克服しておきましょう。

総合問題は英語と小論文の性質を併せ持つ出題形式です。過去問で出題の傾向を把握し、時間配分を考えながら解答する順番を検討する練習も有効です。

ただし総合問題は2021年度から始まった出題形式のため、過去問の数は多くありません。類似の問題をできるだけ多く解いておきましょう。

総合問題では、これまで医学部特有のテーマで長文が出題されています。日頃から読書やニュースで医学分野の知識を増やし、自分の意見をまとめる練習をしておくこともおすすめです。

面接

傾向分析

愛媛大学医学部の面接は、受験生1人に対して面接官3人の15分程度の個人面接です。15分ほどの面接時間内に、面接態度や質問への応答を通して愛媛大学医学部を目指す理由や協調性・社会性などを総合的に判断しています。

大学への志望理由の他に医師を目指す理由や自分の長所・短所といった一般的な質問がされ、特に志望動機については深く尋ねられる場合もあります。答えづらい質問や難解な質問をされる場合も想定して、面接の練習をしておきましょう。

受験対策・勉強法

愛媛大学医学部の面接では、志望動機や自分の長所・短所など標準的な質問をされる傾向があります。そのため特別な対策は必要なく、一般的な面接対策をしておきましょう。特によく聞かれる質問については、自分の答えをまとめておくと落ちついて面接に臨めます。

ただし、厳しい質問がされる場合もあるようです。答えづらい質問をされてもその場で自分の考えをまとめて的確に伝えられるように、日頃から会話力を高めておく練習も必要です。

愛媛大学医学部の受験対策についてよくある質問

愛媛大学医学部の特徴は?

愛媛大学医学部では「基礎と臨床の融合」を掲げ、独自の教育体制で人材の育成に取り組んでいます。たとえば1年生での基礎医学展望が受講でき、早期から希望の研究室に所属して研究を進めることも可能です。

また、愛媛大学医学部は地域医療に力を入れている点も大きな特徴です。地域連携病院で12週間の臨床実習を行うなど、地域医療の担い手となる人材の育成に取り組んでいます。その結果、愛媛県内を始め全国各地で活躍する人材を輩出しています。

愛媛大学医学部の難易度はどれくらい?

愛媛大学の7つの学部の中で、医学部を目指すには高い偏差値が必要です。また、全国の医学部で比較してみると、愛媛大学医学部は中間的な位置にあります。

令和6年度の一般選抜の志願状況を見ると、医学部医学科の募集人員55名に対し志願者数は569名でした。倍率は10.3倍と国公立医学部の中では、かなり高くなっています。

また、愛媛大学医学部では大学入試共通テスト第一段階選抜が行われます。共通テストの合格最低点(合格ボーダー)は318.90点で、得点率に換算すると70.9%です。愛媛大学医学部の合格を目指す場合、共通テストの得点率は80%を目指すと良いでしょう。

愛媛大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?

愛媛大学医学部に合格するためには、高い偏差値が必要です。とはいえ、出題される問題は標準的なものが多く、基礎力を着実に積み上げて安定した学力を築ければ高い得点を目指せるでしょう。

ただし、総合問題として出題される英語は他の科目に比べて難易度が高くなっています。英語の長文読解や論述が苦手な場合は、早めの対策が必要です。

得点力を上げるためには、自分の苦手な科目や範囲を知り、現在の学力を正確に把握することが大切になります。その上で、ここまで解説してきた勉強法を取り入れて、一歩ずつ合格へ近づいていきましょう。

愛媛大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ

愛媛大学医学部医学科の合格には高い偏差値が必要ですが、医学部全体では比較的狙いやすいでしょう。地域医療に力を入れ、早期に専門的で実践的な知識を身に付けられる学習体系は、医療の現場で活躍したい方におすすめの環境です。

合格を目指すためには、苦手科目や苦手範囲をなくして安定した学力を身に付けておく必要があります。自分の弱点を把握するには、模擬試験を積極的に活用して自分の学力を定期的に活用するのが近道です。

メビオでは、模擬試験の機会が少ない中1から受けられる中高一貫模試や高校生・既卒性対象の学力診断模試を定期的に実施しています。愛媛大学医学部の合格に向けて、メビオの模擬試験をぜひ活用してください。

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