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【最新版】医学部の進級率・留年率はどこが厳しい? 大学別データと教育改革による変化を解説

留年

2026/02/20(金)

(最終更新日2026/02/20)

医学部に入学してから直面しやすい不安の一つに「進級できるかどうか」があります。医学部では高度な専門知識を短期間で習得する必要があり、必修科目を1つでも落とせば留年につながるなど、進級基準が厳格な大学がほとんどです。近年は臨床実習の充実など教育改革が進み、座学に割ける時間が減っていることもあり、学生の学習負担は年々大きくなっています。

受験生の多くは合格することをゴールにしがちですが、医学部に入ってからの6年間をストレートに進級し、医師国家試験に合格するまでが本当の勝負です。入学前に進級事情を把握しておくことは、後の安心につながります。

そこでこの記事では、最新の進級率・卒業率データ、大学ごとの特徴、進級を左右する要因、さらに教育改革による今後の変化まで詳しく解説します。

医学部の進級率・卒業率の最新データ【国公立・私立別】

実際に医学部の進級率や卒業率がどのくらいあるのかは、志望している受験生にとって気になる問題でしょう。日本にある全医学部の進級率・卒業率は、厚生労働省が公表し文部科学省がまとめているデータから把握できます。

ここでは医学部のある国立大学の上位校・全公立大学・私立大学の上位校の状況をデータでご紹介します。

国公立大学の進級率・卒業率の傾向

まずは国公立大学の進級率・卒業率を見てみましょう。国立大学は上位10校、公立大学は全8校をまとめました。

  国立大学名 最低修業年限での6年次進級率※1   国立大学名 最低修業年限での卒業率※1
1 金沢大学 99.10% 1 金沢大学 97.40%
2 滋賀医科大学 96.50% 2 山口大学 94.00%
3 東京大学 95.50% 3 東京大学 93.60%
4 三重大学 94.40% 4 京都大学 93.30%
5 浜松医科大学 94.00% 5 神戸大学 93.20%
6 山口大学 94.00% 6 三重大学 92.80%
7 富山大学 93.60% 7 千葉大学 92.60%
8 京都大学 93.30% 8 信州大学 92.50%
9 神戸大学 93.20% 9 秋田大学 92.30%
10 秋田大学 93.10% 10 旭川医科大学 92.30%
  公立大学名 最低修業年限での6年次進級率   公立大学名 最低修業年限での卒業率
1 和歌山県立医科大学 97.00% 1 名古屋市立大学 95.80%
2 名古屋市立大学 93.60% 2 大阪公立大学 93.60%
3 大阪公立大学 93.60% 3 和歌山県立医科大学 93.00%
4 横浜市立大学 92.20% 4 横浜市立大学 92.20%
5 札幌医科大学 89.10% 5 札幌医科大学 89.10%
6 京都府立医科大学 88.80% 6 福島県立医科大学 86.90%
7

福島県立医科大学

87.70% 7 京都府立医科大学 86.00%
8 奈良県立医科大学 81.60% 8 奈良県立医科大学 81.60%
※1:「最低修業年限での6年次進級率」「最低修業年限での卒業率」はそれぞれ1度も留年せずストレートで6年生まで進級できた・卒業できた学生の割合
※参考:文部科学省「各大学の医学部医学科の入学状況及び国家試験結果等」

国立大学の上位校において、6年次進級率・卒業率は90%台です。つまりほとんどの学生は順調に進級・卒業していることになります。とはいえ100%ではないため、一部の学生がどこかで留年したり途中で退学・休学したりしている状況ではあります。

公立大学は、国立大学に比べて全体的に6年次進級率・卒業率がやや低く、80%台のところも少なくありません。進級率が85%の場合、100人入学しても途中で15人が留年・退学することを意味します。

どの大学も、進級率と卒業率に大きな差はありません。それでも、6年次までストレートで進めても卒業でつまずく学生が一定の割合で発生していることが見てとれます。

医学部に入学できても、ストレートに進級・卒業するのは簡単ではないことが分かるでしょう。

私立大学の進級率・卒業率の傾向

続いて私立大学の進級率・卒業率の傾向を見てみましょう。以下は上位10校をまとめたものです。

  私立大学名 最低修業年限での6年次進級率   私立大学名 最低修業年限での卒業率
1 自治医科大学 97.60% 1 自治医科大学 97.60%
2 順天堂大学 96.50% 2 順天堂大学 93.60%
3 東北医科薬科大学 91.00% 3 東京慈恵会医科大学 90.80%
4 東京慈恵会医科大学 90.80% 4 慶應義塾大学 89.50%
5 慶應義塾大学 89.50% 5 東邦大学 88.70%
6 日本医科大学 89.90% 6 東京女子医科大学 88.10%
7 帝京大学 88.80% 7 日本医科大学 86.50%
8 東邦大学 88.70% 8 関西医科大学 86.10%
9 関西医科大学 88.50% 9 聖マリアンナ医科大学 84.30%
10 東京女子医科大学 88.10% 10 獨協医科大学 84.20%
※参考:文部科学省「各大学の医学部医学科の入学状況及び国家試験結果等」

私立大学では、上位10大学の6年次進級率はおよそ88~98%、卒業率は84~98%です。順調に進級・卒業する学生も多いものの、10人に1人程度はどこかで足踏みしています。国公立大学とほぼ同じ傾向にあるといえるでしょう。

1位の自治医科大学でも6年次進級率は97.6%のため、100人中2人くらいはストレートで最終学年まで上がれていません。相当に高い進級率ではあるものの、数%はつまずく学生がいる現実が分かります。

また進級率と卒業率に3~4%ほどの差がある大学は、卒業までの壁が高いといえます。医師国家試験の合格が難しいと思われる学生には、もう1年じっくり学んで医師としての力を磨く機会を与えるため、卒業の基準を難しくしている可能性があります。

6年で医師になれる確率

続いて入学後の6年間で医師になれる確率を見ていきましょう。確率は文科省が公表するデータに基づき、最低修業年限での卒業率に医師国家試験合格率(92.3%)を乗算して算出しています。

  ストレート卒業率が高めの大学 確率(%)   ストレート卒業率が低めの大学 確率(%)
1 私)自治医科大学 96.9% 1 私)川崎医科大学 57.4%
2 国)金沢大学 97.4% 2 私)東海大学 65.4%
3 公)名古屋市立大学 97.4% 3 私)福岡大学 64.5%
4 国)山口大学 89.3% 4 私)東京医科大学 68.3%
5 私)慶應義塾大学 91.5% 5 私)愛知医科大学 71.0%
※1:東京大学、大阪公立大学と同率のため、6年次進級率の高い順天堂大学を記載※参考:文部科学省「各大学の医学部医学科の入学状況及び国家試験結果等」

6年間で医師になれる確率の上位校は約92~96%と高い確率を誇り、ほとんどが6年間で医師国家試験に合格しています。

一方で、確率が低い大学は私学を占めました。約57~71%のため、入学者が100人いたら、そのうち29~43人程度は6年間で医師になれていない計算です。これは在籍する学生のレベルがどうという話ではありません。実際、確率が低い大学も、医師国家試験の合格率は90%を超えています。このことから習得するカリキュラムの内容や進級・卒業の基準が極めてシビアな大学といえるでしょう。

大学によってどこが違う? 医学部の進級を左右する主な要因

医学部の進級率を左右する要因は複数あり、留年する理由は大学の状況や学生によって異なります。主に以下のような理由が挙げられます。

  • 学習カリキュラムの難易度が高く過密
  • 燃え尽き症候群でやる気を喪失
  • 学習のスケジュール管理の難しさ
  • CBT/OSCEの難易度の高さとフォロー体制の有無

ここでは、それぞれの理由が生じる要素について解説します。

必修科目の比率と基礎医学の難度

医学部は他の学部に比べて進級難易度が高い学部です。その理由の一つとして、入学後早い段階から学ぶ解剖学や生理学、生化学などの基礎医学の難度の高さが挙げられます。これらは医師になるために欠かせない科目であり、専門性が高く膨大な量の暗記をしなければなりません。そのため多くの学生が勉強に追われ、つまずくケースが見られます。

進級基準が厳しいことも、進級率に影響する要素です。ほとんどの医学部では、一つでも必修科目を落とすと留年と定められています。ただし即留年が決定するところもあれば、再試験を受けて合格すれば進級できるところもあり、大学によって留年の基準はさまざまです。

医師は自らの力で人を助けられるやりがいのある仕事ですが、それだけに学生の間はシビアに学ぶことが求められます。

出席の少なさ・燃え尽き症候群

医学部内でも科目によって単位取得の条件は異なります。試験で合格点を取ればよしとする授業もあれば、出席率や授業中の態度、レポートの内容などを総合的に判断して決める授業もありさまざまです。そのため出席率がわずかに足りずに単位が取得できず、留年するケースもあります。

また医学部でしばしば見られるのが、燃え尽き症候群にかかってやる気を失うケースです。医学部に入学するためには、毎日何時間も集中して勉強する必要があります。合格がゴールになってしまい、入学したとたん勉強へのモチベーションが落ちるケースは少なくありません。出なければと思いながら授業に出席できず、勉強が進まず、結果として留年してしまうケースもあるでしょう。

スケジュール管理

医学部では大量の知識を身に付ける必要があるため、他学部に比べて講義量も実習量も極端に多くなります。当然、相当量の自習も必要です。効率良く学ぶためには、入学直後からきちんとスケジュールを管理することが欠かせません。

特に1~2年次は基礎医学の講義、レポートの作成、小テスト対策などが連続します。全体にスケジュールが詰まっているだけに、一つ遅れが出たらリカバリできずに単位を落としてしまうかもしれません。

ところが多くの学生は、これまで塾や予備校で医学部合格を目的として効率良く組まれたスケジュールに従って学んできています。そのため中には自力で学習計画を立案・実行する能力が身に付いていない学生がいるのが実情です。どのように学びを進めればよいか分からず、進級の壁に直面する可能性があります。

CBT/OSCEの扱い方

他学部で見られない医学部のカリキュラムの特徴の一つとして、CBT/OSCEがあります。どちらも日本にある全ての大学医学部で実施される公的な共有試験です。

CBTはパソコンに向かって問題を解く筆記試験、OSCEは試験官の前で模擬患者やシミュレーターを相手に、指定された手技を行う臨床能力試験です。

通常、医学生は4年の前半まで基礎医学と臨床医学を学び、後半から病院実習を行います。病院実習に進めても問題がないかを判断するために実施されるのが、CBT/OSCEです。どちらか一つでも不合格になれば病院実習に進めず、結果的に留年します。

合格基準は厳格で1点でも足りなければ不合格です。ただし追試験は実施されます。医学生にとって、医師国家試験に次いで重要な試験といえるでしょう。

進級率が高い/低い大学の特徴

同じ医学部でも、進級率が高いところもあれば低いところもあります。両者にはいったいどのような違いがあるのか、気になる受験生も多いのではないでしょうか。ここでは進級率が高い大学・低い大学に分けてそれぞれの特徴をご紹介します。

なお進級率が高い・低いだけでは大学の優劣は決まりません。大学の方針によるところも大きいため、誤解しないよう注意しましょう。

進級率が高い大学の傾向

進級率が高い大学には、一般に以下のような傾向があります。

  • 高偏差値の大学で、熾烈な競争を潜り抜けて合格した医学生の地力が元々高い
  • 独自のカリキュラムやサポート体制が整備され、学生を支援している
  • 追試・再試・仮進級などの救済制度が整っている

難易度上位の大学の学生は元々学力が高く、授業や試験についていけるため、進級率が高い傾向にあります。またCBT・OSCE対策が充実している、メンター制度があるなど独自のカリキュラムやサポート体制が整っている大学も、進級率は高い傾向です。成績やメンタルが不安定な学生に早い段階で気付き、適切にフォローしていることが理由として挙げられるでしょう。

また試験に不合格でも追試・再試験や仮進級などの救済制度がある大学は、チャンスが増える分、進級率も落ちにくい傾向にあります。

進級率が低い大学の傾向

進級率が低い大学には、主に以下のような傾向が見られます。

  • 小テストやレポートの提出頻度が高く、日々の学習に対する要求が高い
  • 追試などの救済措置が少なく、1科目の不合格が進級判定に直結する
  • 教員や科目によって成績評価が異なり、学生から進級基準が把握しにくい
  • 国家試験合格率の維持のため、進級・卒業判定を厳格に行っている

カリキュラムが過密で学習負荷が極めて高い場合、一定数の学生にとっては学習ペースの維持が難しくなります。追試や仮進級といった救済措置がない大学も、留年につながる確率が高くなりやすいでしょう。

評価基準が分かりにくい場合、学生はどこまで学べばよいかつかめず、進級率に影響する場合があります。

医師国家試験の合格を重視し、試験で苦戦する学生に学び直しの機会を与えるため進級・卒業の基準を厳格に運用する大学も、進級率が低くなる傾向にあります。

 

医学部教育改革で今後の進級はさらに厳しくなる?

日本の医学教育界では2023年以降、国際的認証を見据えて大きく教育改革を進めており、進級難易度はますます難化することが見込まれます。

教育改革の目的は、少子高齢化や医師の地域偏在など、さまざまな社会の課題に対応できる良医を養成することです。改革においては、例えば以下のような取り組みが進められています。

  • 低年次から多様な実習を実施
  • アウトカム基盤型教育(OBE)の導入

特に地方の医療機関における実習は、地域医療への関心を高めることにつながるとして期待されています。OBEはまず到達すべきゴールを定め、医学生が目標に向かって主体的に取り組む教育システムです。

進級判定は試験の結果のみを取り上げて行うのではなく、年間を通じた実践力を基準として判断する方向へと変化しています。継続的な努力が必要となり、進級が難しくなると予想されます。

※参考:文部科学省今後の医学教育の在り方に関する検討会「今後の医学教育の在り方に関する検討会 第三次取りまとめ」
※参考:一般社団法人 日本医学教育評価機構「日本医学教育評価基準」

医学部を留年した場合のリスク

残念ながら医学部の学生が留年した場合、さまざまな問題が発生します。まず考えられるのが費用の問題ですが、それ以外に精神面や退学のリスクなどへの考慮も必要です。

ここでは留年すると具体的にどのような問題が懸念されるか解説します。受験生の段階で過度に心配する必要はありませんが「こういった問題があるのか」と心の片隅に留めておきましょう。

授業料が余分にかかってしまう

医学部を留年したときに、まず問題となるのが学費です。年間の学費は国立大学で平均53万円、公立大学はそれに準ずる金額ですが、私立は大学によって大きな差があり、最低でも数百万円はかかります。

親元を離れて一人暮らしをしている場合、増えるのは学費だけではありません。家賃や水道光熱費、食費、大学までの交通費といった生活費も余分に必要になるため、さらに負担が増します。

また国家試験対策のため、大学以外に予備校や模試を利用している医学生は少なくありません。利用している場合は、その受講料も1年余分に必要になります。留年すればトータルでの出費は想像以上に膨らむのが実情です。

学年差からくる心理的なストレス

留年すると1年下の学生と一緒に学ぶことになります。同時期に入学した学生が順調に進級・卒業する中で、自分だけなじみのない学生と一緒に学ばなければなりません。「自分だけ進級・卒業できなかった」「周りから後れを取ってしまった」との思いがのしかかり、自信を失ったり強いストレスを感じたりする場合もあるでしょう。

とはいえ医学部はカリキュラムが過密で覚えることが多く、進級基準も厳しい学部です。少しの準備不足や些細なミスが原因で留年するケースも珍しくありません。反省は大事ですが、悲観的になり過ぎず、与えられた1年を生かして積極的に学ぶ強い気持ちが大切です。

放校・再受験の制限

留年すると、せっかく猛勉強して入った大学をやめなければならなくなるリスクが生まれます。多くの大学では、在籍可能期間や留年可能回数、放校(懲戒退学)条件が規定されおり、一定回数以上留年すると強制的に退学させられるためです。

一般に大学側は、在籍期間の2倍の年限まで在学できるとしています。医学部は6年制のため、在籍可能な期間は最大で12年間です。ただし同じ学年で2回留年すると退学と定めている大学も少なくありません。

その場合、12年間どころか2年生に上がるタイミングで2度留年すればそのまま放校となります。つまり1度留年したら、次は必ず進級しなければならないというプレッシャーが生まれます。大学ごとに放校条件は異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

まとめ|進級を不安にしない医学部受験を目指すために

医師は自分の知識や技術を生かして人命を救うやりがいのある職業です。それだけに高度な知識と技術が要求されるため、大学で学ぶカリキュラムは多く、進級基準もシビアな傾向にあります。6年で卒業できないケースも珍しくありません。

とはいえ受験生時代に高い学力を培っておけば、入学後の学習内容も理解しやすくなるでしょう。入学前に確かな土台を築くことが、将来のストレート進級につながります。

医学部進学予備校メビオでは、豊富な実績を誇る講師陣が高い地力を身に付ける指導を行っています。予備校は医学部合格だけではなくその先の学習も見据えて選ぶことが大切です。受験を検討している方は、ぜひお気軽にメビオまでご相談ください。

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