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医学部の大学院はどんな研究が行われている?博士課程の魅力とは?

基礎知識

2019/10/29(火)

(最終更新日2022/04/17)

医学部を卒業した後にさらに学びを深めたい。この時に誰しも考えるのが大学院への進学です。大学院では医学部に在学している間に行われる研究室への配属以上にさまざまな研究を行うことができ、さらなる医学的な知見を深めることができます。医学部での研究の魅力・大学院の役割について詳しくご紹介いたします。

医学部での大学院の位置付け

卒業後にすぐ入学する訳ではない

医学部は他の学部と異なり、大学で学ぶ内容が日本国内で統一されていて、大学間の差はあまり大きくありません。一方、大学院では、各大学院の研究室や教室によって学べる内容が異なっています。

大学院は教授・准教授が中心となり、各教室でいくつかのテーマを決めて研究を進めていて、大学院に入学するとその教室で行われているテーマについて研究をすることができます。このため、大学院に進学する時にはまず自分の希望するテーマを見極めなければなりません。
 

また、医学部の大学院は他学科の大学院と異なり、一般的に学部卒業後すぐに入学する訳ではありません。これは大学院で行われている研究に医療の知識・経験が欠かせないためで、大学院入学の前にある程度の医療の現場経験を積む事が必要になります。

博士課程に至る道のり

一般的には大学院に入るまでに、初期研修と後期研修を経験します。

初期研修は医師免許を取得した後にすぐに経験する研修で、全ての診療科の診察・治療に参加し、さまざまな病気について理解を深めていきます。初期研修期間では実際に手術を行ったり、産婦人科の分娩に立ち会ったりと医学部で学んだ以上に多くのことを経験します。この間にどの診療科の専門医になるのかを決める事が多いので、医師として一人前になっていく上で重要な期間です。一方、後期研修は自分が希望した診療科に所属し、その診療科で行われている治療にターゲットを絞って経験を積んでいきます。
 

これらの研修期間を通じると、病気についてより多くの知識が必要だと実感したり、治療法が確立されていない病気の治療法の確立、既存の治療法の改善の必要性に直面したりすることがあります。このような経験を通して、大学院進学を考える人が多いです。

大学院で経験できる研究や授業

大学院ではさまざまな研究が行われています。大学院で行われる研究や授業についてご紹介します。

基礎研究

基礎研究は、科学的な手法を利用してさまざまな医学的な課題を解明する研究です。遺伝子を扱う分子生物学や、体の中のさまざまな分子の機能を解明する生化学、体の仕組みを解明する生理学などの研究技術を土台にし、病気の原因となっている分子の特定や、治療に必要な医薬品の開発に関わる研究です。

臨床研究

臨床研究は、例えば咳が出る患者さんに対して行う投薬治療の成績を評価したり、新しい手術法の研究や診断基準を作り出したりする研究が該当します。患者さんを対象にした研究なので、患者さんの情報を多く集めて、病気の診断治療に活かすことが目的です。そのため、病気の治療法を発展させるために欠かせない研究です。

大学院での授業

大学院では学部生時代と同じように、授業を受けることもあります。大学院の授業は、定期的に受けるものではなく、短期間に集中して行われる講義や、単発の特別講義といった授業形式が一般的です。最新の研究の成果や、研究手法を学ぶための講義を受けると今までできなかった研究技術が身につき、大学院での研究をさらに深めることができます。

大学院進学の目的とメリットは?

博士課程入学の目的はさまざま

医学部の博士課程に入学する医師はさまざまな目的を持っています。治療の技術を向上させたい、病気の成り立ちを明らかにしたい、病気の原因となる遺伝子の機能を解明したいなど、人によって大学院進学を希望する理由やきっかけは異なります。
 

また、研究を通して論文を世に送り出したり学会で発表をしたりすると、医学の世界で業績として評価されます。そのため、医師としてより成長するためにも、大学院での研究理由をしっかりと持って進学する必要があると理解しておきましょう。

博士号取得は出世の条件

博士号の取得というのは学問を追求するために取得するとは限りません。市中病院の診療部長をはじめ、出世を考える際には博士課程を卒業し、博士号を取得する事が有利に働く可能性があります。また、大学内にとどまって診療に当たる場合でも博士号の取得を求められる事があり、医師にとってキャリアアップの条件になる事があります。博士号が出世にポジティブな影響を与える可能性があると理解しておきましょう。

研究を理解できることで次のステップが見えてくる

実は、研究経験がないと論文の内容を理解することは、とても難しいことが多いです。実際に研究をしてみるとわかるのですが、自身が経験した実験以外の実験を理解したり、専門領域以外の分野の実験を知ったりすることに対して、苦労することもあるでしょう。
 

研究を理解できることは、日進月歩の医学分野の中で常に新たな知見を学び続ける必要のある医師にとって、大きな武器になります。新たな医療技術を身につけたり、新たな領域に関する知見を広げたりするためにも研究を理解できることが役立ちます。その力を養うことにつながるという点が、大学院進学のメリットの1つです。

大学院入学に必要なこと

基礎医学の知識は必須条件

大学院入学後に、欠かせないのが基礎医学の知識です。PCR法・ウェスタンブロッティング・細胞の培養といった基本的な実験の技術や、分子生物学・生化学といった基本的な基礎医学知識無しに実験をすることはできません。

医学部の1・2年で履修する基礎医学は学年が上がるにつれて忘れてしまうこともあるかもしれませんが、大学院に入学してから基礎医学の知識が活躍します。基礎医学の勉強だけでなく、基礎配属期間の経験を活用し、大学院での学びに活かすように計画を立てましょう。

臨床経験も必要になることもある

医学部の大学院では臨床経験が活きることもあります。実際に治療をすることで、実務に必要なテーマや、医学会から注目されるような分野を見いだすきっかけとなり、より意義のある研究につながることもあります。今ある医療をより発展させるためには、治療の経験や、患者さんと医療現場で関わる経験が必要になるのです。
 

最近の傾向として基礎医学と臨床医学、双方に強い医師を育成しようという流れがあります。研究者を育成するためにサポートをしている大学もあるので、進学の際の参考にしてみましょう。

まとめ

医学部の大学院は医師としてキャリアアップを目指す上で避けて通れません。大学受験をするときに研究という観点で大学を選ぶ事で、自分にあった大学を選ぶ事ができます。大学院は大学入学前にイメージするのが難しいものですが、大学のホームページを見ると、どのような研究が行われているのかわかるので、大学受験前に十分に情報を集めるように心がけましょう。
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