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【講師監修】宮崎大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ

基本情報

2025/06/09(月)

(最終更新日2025/06/09)

医療を通じて社会貢献をしたいと考える若者にとって、医学部合格という難関突破を実現するためには受験科目や出題傾向などを抑え、的確な対策を取ることが欠かせません。本記事では宮崎大学医学部の入試傾向と受験対策、勉強方法を解説します。

宮崎大学医学部の概要

宮崎大学医学部は、前身の宮崎医科大学の開学から50年を超える歴史を持つ、宮崎県唯一の医学部です。
一県一医大構想のもと1974年に宮崎医科大学が開学し、1977年に附属病院が設立されたことで、臨床経験と高度な医療教育を提供する場として盤石の体制が整いました。2001年には看護科も設置され、医学科との合同講義により医師と看護師の相互理解を図る学習も進められています。
2003年には宮崎大学との統合により「宮崎大学医学部」として発足し、現在に至ります。2018年度には日本医学教育評価機構(JACME)による、医療教育分野別認証を受けました。これは国際標準に準拠した教育機関であることの証明でもあります。

宮崎大学医学部の入試情報

【所在地】宮崎市清武町木原5200
【学生数】917名 ※2025/01/22現在
【公式サイト】http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/home/
【アドミッション・ポリシー】
医学科では,臨床医,医学研究者,あるいは医学教育者として宮崎の地域医療に貢献し国際的にも活躍できる,優れた人材の育成を目標としています。
≪求める学生像≫
医学科では,自ら課題を見つけ解決しようとする探求心と意欲,行動力(主体性・学問への関心)を有し,医学と医療を学ぶために必要な幅広い基礎学力・応用能力(知識・技能)と他者と協調・共感できる豊かな人間性(協調性・思考力・表現力)を持つ人,また,学習を通して獲得した知識・スキル・行動力を社会に還元することのできる人材を求めています。
【6年間の学費】349万6,800円
【奨学金情報】

  • 入学料免除・徴収猶予、授業料免除制度
  • 日本学生支援機構奨学金

宮崎大学医学部の基本データはこちら

宮崎大学医学部合格に向けたロードマップ

高1生

医学部合格を目指すためには、まずは基礎をしっかり固めることが大切です。受験勉強が本格化する前の高1生のうちに「なぜそうなるのか」に着目した本質的な学習をしておきましょう。分からないことをそのままにしておくと、後の授業でつまずいたり、復習に余計な時間を取られたりすることになります。
また宮崎大学医学部の共通テストでは、地歴公民と数学、理科において科目の選択ができます。高1のうちに自分の得意科目を模索しておくのも良いでしょう。
さらに、受験までまだ余裕のある高1生のうちにオープンキャンパスに参加しておけば、進学へのイメージが具体的になりモチベーションも上がるため、学習も進めやすくなります。

高2生

高2生では新たに学習する内容の基礎をしっかり固めると同時に、応用力も伸ばしていくことが大切です。過去問や問題集などを活用し多くの問題に取り組み、考える力を養いましょう。
また模擬試験を受けて、現状を把握しておくことも重要です。高3生までにどれくらい得点力を上げる必要があるのかを知り、逆算して学習計画を立てましょう。苦手科目は夏休みなどを利用して、集中強化するのもおすすめです。

高3生・高卒生

高3生・高卒生は本格的な応用力強化に取り組むことが重要です。まずはこの1年を有効に使うための学習計画を立てましょう。そして計画に沿って学習を進めていきます。
得意科目のさらなる強化、苦手科目の克服にはやはり多くの問題を解くことが欠かせません。過去問や問題集を積極的に取り組むことで、実践的な力が身につき、自信にもつながります。本番の試験を想定し、所定の時間で解答を済ませられるよう時間配分を意識する癖を付けることも大切です。
また宮崎大学医学部の入試では二次試験で面接があります。学習と併せて面接対策にも取り組むようにしましょう。

宮崎大学医学部の科目別受験対策・勉強法

宮崎大学医学部の二次試験(個別試験)では、英語、数学、理科が出題されます。理科は化学、物理、生物の中から2科目を選択します。3教科の点数配分はいずれも200点で、共通テストと合わせると1教科400点となるためかなりのウエイトです。ここではそれぞれの教科・科目別の傾向分析と受験対策・勉強方法を解説します。

英語

傾向分析

宮崎大学医学部の英語は、試験時間90分、変動はあるものの大問題が3題の構成が多い傾向です。出題範囲は英語コミュニケーションⅠ~Ⅲと論理・表現Ⅰ~Ⅲです。
英文和訳や和文英訳、内容説明、英作文問題といった記述問題が多く、とにかく「書く」問題が多い傾向があります。設問は全て英語で書かれているため、スムーズに理解できる英文読解力が欠かせません。英文作成ではメール文作成が出題されることも多く、英文法の他に自分で文章を構築する力が必要になります。医学系テーマの出題はあまりありません。

受験対策・勉強法

英文問題は文章量と記述量の多さから、全問題を時間内に完璧に解くのは難しいかもしれません。よって受験の際は効率的な時間配分が重要です。「配点が高いと考えられる文章問題に注力する」「基礎的な問題は時間をかけずに確実に解答する」など、自分にとって有効な試験の進め方をシミュレーションしておきましょう。
長文問題集などを活用し、できるだけ多くの問題をこなして慣れておくことが大切です。英作文は予備校や学校の先生の添削を受けてみるのも有効な方法です。添削によって弱点を知り、より良くする方法を学習して実践力を高めましょう。

数学

傾向分析

宮崎大学医学部の数学は、試験時間120分、大問5題の構成が例年の傾向となっています。5題中4題が医学部の専用問題ですが、問題のレベルは標準的で問題数も多すぎるということはありません。対策次第で十分な得点を取ることが可能です。
出題範囲は数Ⅰ・A、数Ⅱ・B、数Ⅲ・Cで、計算量が多い問題も含まれます。分野別では「微分・積分」「ベクトル」「複素数平面」の出題が目立ちます。2025年の入試では、数Ⅰ・数Ⅱ、数Ⅲ、数A全般と、数Bの「数列」「統計的な推測」、数学Cの「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」が出題範囲として指定されていました。

受験対策・勉強法

標準的なレベルの問題が多いため、数学が得意な方であれば8~9割、それ以上の得点を狙うのも難しくないと考えられます。その分他の受験者も確実に高得点を取ってくる可能性があるため、基本的な問題を取りこぼすことのないよう対策しましょう。
数Ⅰ・A、数Ⅱ・Bを中心に、過去問や全単元を網羅しているような問題集を繰り返し解き、基礎と応用力を高めておくことが重要です。計算量が多い問題もあるので、時間配分を意識しましょう。

化学

傾向分析

宮崎大学医学部では、2022年から化学を含めた理科科目が二次試験に追加されました。医学部では化学、物理、生物から2科目を選択し120分で解答します。
化学は大問4題で、学部共通の問題です。理論化学、無機化学、有機化学、高分子化学のバランスが取れた問題構成で、化学の基本的な内容を網羅した内容といえるでしょう。出題難易度も標準的です。記述式の出題形式で、選択問題や計算問題、実験などの考察問題が含まれることがあります。

受験対策・勉強法

理科科目はまだ導入から日が浅いため、今後出題傾向が変更になる可能性を考慮して満遍なく対策しておく必要があります。問題の難易度は標準的ですが、他学部が1科目90分の試験時間であるのに対し、医学部では2科目を120分で解く必要があります。そのため、限られた時間内でスピーディーに問題を解き進める練習も必要となるでしょう。
高得点を取るためには、まず基礎をしっかり固めることが重要です。その上で応用力を伸ばし、考察問題に対応できるように、結果から論理的に推論を組み立てる力も身に付けておきましょう。そのためには、他学部の過去問や教科書の内容を網羅する問題集などで演習を重ね、解答方式に慣れておくことが重要です。

物理

傾向分析

宮崎大学医学部の物理は、大問3題の構成で学部共通問題です。実験観察に関する問題が多い傾向で、単元では力学と電磁気が頻出しています。難易度は標準レベルなので、手早く解答できれば高得点も狙えるでしょう。
出題方式は記述式で、計算力と理論的な解答力が求められます。大問に対する小問が多く、前問の解答を使って計算する問題もあるため、一つの計算ミスが大きく影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。

受験対策・勉強法

出題レベルは標準的なため、物理では点差がつきにくいかもしれません。反対にここで点差をつけられることがないよう、どの単元も問題なく解答できるように偏りなく理解度を上げておく必要があります。特に頻出している力学と電磁気の実験問題については、教科書や問題集などで重点的に学習しておくと良いでしょう。また、本番では限られた時間の中で正確に解き進める必要があるため、日頃から時間配分も考えながら演習を繰り返しておくことが重要です。

生物

傾向分析

宮崎大学医学部の生物は、学部共通の大問4題構成での出題です。医療に直接関係する問題はなく、標準レベルの基本的な問題が多い傾向です。分野としては細胞・代謝、恒常性、環境応答、生態などの問題が頻出しています。
解答方式は記号選択が多く論述問題は少なめの傾向のため、化学や物理のように考えることで時間を取られる心配が少ない科目です。

受験対策・勉強法

選択問題が多いため、基礎的な内容を確実に暗記していることが求められます。教科書や標準的な問題集、過去問を中心にこつこつと学習を積み重ね、内容を正確に理解しておきましょう。
生物も高得点争いになることが予想されますが、比較的スピーディーに解答しやすい科目でもあります。そのため、選択科目のうちの一つに生物を選ぶことで、もう一つの科目に多くの時間を割けるというメリットがあります。

面接

傾向分析

宮崎大学医学部の二次試験で行われる面接は、15分程度の個人面接です。受験生一人に対して面接官3人で行われます。面接官がそれぞれ異なる質問をし、受験生はそれに回答します。
よく聞かれる質問には以下のようなものがあります。

  • 短時間の自己PR
  • 医者を目指す動機
  • 宮崎大学を志望した動機
  • 宮崎県に残る予定があるか
  • なぜ地元大学ではないのか
  • 理想の医師像、尊敬する医師
  • 高校時代の生活ぶり(学校生活の活動における質問)

順番が遅いと待ち時間も長くなるため、面接の設問集などを持参し有効活用しましょう。面接官は3人ですが、終始和やかな雰囲気で行われるため、過度に不安に感じる必要はありません。

受験対策・勉強法

宮崎大学医学部の面接では、特に「なぜ宮崎なのか」「田舎に来ることは大丈夫なのか」「宮崎に残る予定はあるか」など、宮崎県に関する質問が頻出する傾向です。これは宮崎大学医学部が地域医療に注力していることが理由に挙げられます。宮崎県や宮崎県の地域医療の現状などを深掘りし、予備知識を持っておくことが大切です。
また、自分の回答に対してさらに質問を受けた場合も想定し、矛盾なく答えられるようロールプレイングをしておくのも良いでしょう。

宮崎大学医学部の受験対策についてよくある質問

宮崎大学医学部の特徴は?

宮崎大学医学部は、宮崎県の地域医療の中心的な役割を果たすことを使命の一つとして掲げており、その姿勢は入試制度やカリキュラムにも表れています。
例えば、2022年度入試からは、学校推薦型選抜(地域枠)の定員を15名増員し40名に拡充しました。また「KANEHIROプログラム」という地域特性を補完する単位互換制の臨床実習を展開するなど、従事する地域を問わず適切な医療を実践できる医師の養成につながる新しい取り組みも積極的に進めています。
宮崎大学のスローガンは「世界を視野に地域から始めよう」です。このスローガンを軸に、地域医療に貢献できる医療人材の育成に力を入れているのが宮崎大学医学部の特徴です。

宮崎大学医学部の難易度はどれくらい?

宮崎大学医学部の偏差値は、全国の医学部と比較するとそれほど高くはありませんが、別の学科と比べるとやはり高い偏差値が必要です。2025年の前期日程では定員45名に対して382名が志願しており、倍率は約8.5倍と国公立大医学部の中では高い競争率となっています。
共通テストのボーダーとしては80~85%以上の得点率が必要です。二次試験の難易度は標準的で高得点争いになることが予想されるため、共通テストで高い得点率をマークしておく必要があるでしょう。

宮崎大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?

宮崎大学医学部を目指すなら教科書レベルの内容を網羅的に学習し、苦手分野を克服しておくことが必要です。あらゆる単元の問題に対応した問題集などを活用し、反復学習で基礎学力を高めましょう。
二次試験の英語は難易度が高めのため、合否が分かれる教科になると考えられます。過去問の演習、添削などによりハイレベルな問題にも対応できる応用力を養っておきましょう。

宮崎大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ

宮崎大学医学部を目指すなら、出題傾向をよく理解し、苦手を克服して得意を伸ばす対策が必要です。自分の現状を把握し、計画的に学力アップを目指しましょう。
医学部進学予備校メビオでは、医学部受験に特化した「質」と「量」の両方を追求する学習を提供しています。本番さながらの環境で受験できる大学受験模試や、自分の得意と苦手を認識できる学力診断テストも実施しているので、宮崎大学医学部合格に向けてぜひ活用してください。