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医学部受験において夏休みが重要な3つの理由とは? 学年別の夏休みの過ごし方を解説

基本情報

2025/06/05(木)

(最終更新日2025/06/05)

医学部受験を目指す方にとって、夏休みをどう過ごすかは合否を左右する重要なポイントです。長期休みはモチベーション維持が難しく、最初は勉強を頑張ろうと思っていたのに思うように進まなかったというケースも少なくありません。
本記事では医学部受験を考えている高校生に向けて、夏休みの重要性や過ごし方、一日のスケジュール例、モチベーションを保つコツについて詳しく解説します。

医学部受験において夏休みが重要な3つの理由

1カ月前後の長い休みとなる夏休みは、医学部受験の結果に大きく影響を及ぼす重要な期間です。なぜ重要なのか詳しく解説していきましょう。

基礎固めや苦手克服に適しているから

医学部受験ではどの教科も高得点を取ることが求められます。そのため基礎的な問題を取りこぼすことがないよう、基礎を固めて解答力の底上げを図りましょう。また、苦手分野の克服も必要です。他の教科の足を引っ張るような苦手な分野があると一気に合格が難しくなるため「何がどう分からないのか」を具体的にし、集中的な学習で克服しましょう。
そのためには時間をかけられる夏休みを利用するのが最適です。夏休みは学校の授業がないため1日のほとんどを自分に必要な学習に使えます。復習や苦手分野の対策にもじっくり時間を取れるので、基礎学力の向上と苦手克服を実現しやすいタイミングなのです。

秋以降の学習効率を左右するから

夏休みは時間があり、多くの学習時間を確保できる一方で、強制力がないことから生活リズムの乱れにつながりやすい期間でもあります。「休みだからと遅くまで寝てしまう」「日中だらだらして夜間に勉強する」「勉強が終わってから夜更かししてしまう」など、一度乱れた生活習慣を取り戻すのは大変です。
こうした生活習慣の乱れは誰にでも起こり得る問題です。ここで自分を律して計画的に学習を進められれば、秋以降の学習効率が大きく向上するでしょう。夏休みは、過ごし方次第でライバルに差がつくことがある重要な期間なのです。

集中的に勉強できる最後の長期休みだから

高3生の場合、夏休みは自分に必要な学習に集中的に取り組める最後の長期休暇となります。冬休みには過去問や予想問題を解いたり模試を受けたりと、受験直前の実践的な学習が多くなるでしょう。夏休みに比べて冬休みは短いこともあり、基礎の底上げや苦手克服のための反復学習などの時間を十分に取ることは難しくなります。自分に必要な学習に集中できる長期休みは夏休みが最後と考えて、時間を有効活用しましょう。

【学年別】医学部受験に向けた夏休みの過ごし方

医学部受験を成功させるためには、高3生の夏休みだけ必死に勉強すればいいというものではありません。高1生、高2生そして高3生それぞれの夏休みを有効に使い、段階的に学習を進めていくことが得点力アップにつながります。ここでは医学部受験に向けた夏休みの過ごし方を、学年別に解説します。

高1生

高1生の夏休みは、徹底した基礎固めに注力しましょう。中でも数学と英語の学習には多めの時間を当てるのがポイントです。数学と英語は積み上げが欠かせない教科です。基礎から一つずつ学習と理解を積み重ねておかなければ、高2生・高3生で分からない問題が急増することになりかねません。
また、基礎の早い段階で正しく理解できていないと、応用問題の解答も難しくなります。とはいえ、積み重ねの学習は時間がかかります。高1生の夏休みから反復学習の時間を取って、しっかりと基礎を定着させておくことが大切です。
一方で、まだ受験まで時間の余裕がある高1生の夏休みを活用して、オープンキャンパスに参加してみるのも良いでしょう。予備校の夏期講習に参加し、自宅とは違った環境で集中的に学習に取り組むのもおすすめです。

一日のスケジュール例

高1生の夏休みは、1日当たり5~6時間は学習時間を確保しましょう。継続が大切なので、無理のない時間から始めることも大切です。以下は高1生の夏休み、一日のスケジュール例です。
午前:数学の基礎問題集を解く、公式の確認・・・2時間
午後:英単語や文法の学習、短めの英文読解・・・2時間
夜:一日の復習、苦手な分野の克服・・・1時間
部活などがある場合は、夜間にまとめて取り組んでもいいでしょう。高1生のうちに、長時間集中して勉強することに慣れておくことが大切です。

高2生

高2生の夏休みは、志望校のボーダー得点率を意識した学習を始めましょう。医学部受験の共通テストでは、ほとんどの大学で85%以上の得点が必要となります。この高い得点率を実現するには、総合力が欠かせません。
積み上げが必要な数学と英語の学習時間はある程度確保しつつ、他の教科の学習にも取り組みましょう。予備校や学校の模試を積極的に受け、現状を把握することは学習内容の見直しに役立ちます。足らない部分を補う学習を取り入れ、どの単元が出題されてもスムーズに解答できるよう、全体的なレベルアップを図りましょう。

一日のスケジュール例

高2生の夏休みは、1日8時間程度は学習時間を確保したいところです。高1生より問題の難易度が上がる上、学習する範囲も広がります。取りこぼしのないようまんべんなく学習するためには、1日の多くの時間を勉強時間に充てる必要があります。以下は高2生の夏休み、一日のスケジュール例です。
午前:数学の共通テスト対策、問題演習・・・3時間
午後: 英語の共通テスト対策、問題演習・・・2時間
苦手科目や分野の集中的な学習、各科目の問題集の演習・・・2時間
夜:一日の復習、模試の見直し・・・1時間
上記はあくまで一例なので、午後の学習時間を減らして夜間の学習時間を多く取ってもいいでしょう。そうすれば日中、気分転換に出かけやすくなります。自分の生活リズムを考えつつ、集中しやすい時間配分で継続的に学習することが大切です。

高3生

医学部受験はハイレベル争いになるのが必至です。そのため一つのミスが合否を左右することになりかねません。高3生の夏休みは基礎に抜け漏れがないかを確認するための学習と、応用問題や二次試験対策に時間を割きましょう。英単語の語彙力は夏休みに完成させるつもりで取り組むことが大切です。数学は反復学習で基礎の定着と応用力アップを目指しましょう。公式などを覚えるのはもちろん、たくさん手を動かして問題に慣れ、素早く解答できるよう理解を深めておくことが重要です。
理科は暗記する内容が多くありますが、説明力を試す問題も多く見られます。丸暗記ではなく理論から理解し、どのような問題が出題されても冷静に解答できるよう、演習を繰り返しておきましょう。共通テストレベルの問題は、余裕を持って解けるようにしておくのが理想です。入試では面接や小論文もあるので、高3生の夏休みで対策を進めておきましょう。

一日のスケジュール例

高3生の夏休みはまさに追い込みの期間です。1日10時間以上は学習時間を持ちましょう。とはいえ無理なほど詰め込むと、かえって学習の質の低下につながるためきちんと休憩時間を確保しながら取り組める学習量に設定し、毎日続けることが大切です。以下は高3生の夏休み、一日のスケジュール例です。
午前:共通テスト対策、応用問題の演習・・・3時間
午後:二次試験対策、応用問題の演習・・・4時間
夜:一日の復習、模試の見直し、面接・小論文対策・・・3時間
記憶は定期的に同じ学習を繰り返すことで定着するといわれます。曜日ごとに教科を決めて学習したり、苦手単元は学習機会を多く持つようにしたりしてみるのもおすすめです。

夏休みを迎える前に準備しておくべきこと

医学部受験を成功させるためには、夏休みの計画的な学習が欠かせません。スムーズに夏休みの学習に取り組めるよう、夏休みを迎える前に準備しておきましょう。

自身の学力レベルの把握

夏休みに入る前に自分の学力レベルを把握しておきましょう。これまでに受けた模試や過去問の解答傾向などから、得点力が低い分野を洗い出します。自分自身で苦手と感じている単元もあわせてピックアップしておきましょう。
医学部受験は高得点争いになるため、苦手分野を分からないままにして合格を目指すのは難しいといえます。得意分野を伸ばすのはもちろんですが、夏休みに苦手分野に取り組み、克服を目指しましょう。取り組むべき学習内容が分かれば、学習の目標や計画も立てやすくなります。

明確な目標を設定する

次に何をどれだけ勉強し、どのような状態になりたいかできるだけ具体的で小さな単位の目標を設定しましょう。「全科目の基礎を固める」「苦手科目を克服する」など、漠然とした目標では何から手を付けるべきかはっきりせず、結果的に計画倒れになる可能性があります。
例えば「苦手単元の問題を最初の1週間で3回解く」「1日に○ページ問題集を進める」といった、より具体的な目標がいいでしょう。ただ、高3生では過去問対策として赤本・青本レベルは早めに完了させたいので、「夏休み中に赤本(または青本)1冊やり終える」と少し大きな目標設定にしてもいいかもしれません。もちろんそのために1日に進める具体的なペースを計画しておくことは大切です。

使用する教材を決める

立てた目標を実行するのに必要な教材を決めましょう。問題集には網羅系のものや分野特化型、実践向けなどさまざまな種類があります。全体の学力レベルを底上げしたいなら網羅系の問題集が役立つかもしれませんし、苦手分野を克服したいなら特化型の問題集が役立つでしょう。
ただし、あれこれと手を出し過ぎるのはNGです。いろんな問題を解いてみるという意味では役立ちますが、「どれも数ページだけやって終わってしまった」など結果的に何も身に付かないままになることも考えられます。問題集の解説なども見て、自分にとって分かりやすくレベルアップに役立つと感じるものを選びましょう。

計画表を作成する

やることが決まったら、計画表を作成しましょう。作成した計画表は目に見える場所に貼っておくと、モチベーションを保ちやすくなります。付箋式の計画表を作るのもおすすめです。やるべき課題を付箋に書き「課題が終わったら剥がす」を繰り返せば、進捗が目に見えるので毎日達成感を得られます。
計画表は「夏休み全体の大まかな計画」「一週間ごとの計画」「一日ごとの計画」に区切って立てましょう。学習時間だけでなく休憩時間も入れて計画を立てると、無理なく学習を進めやすくなります。
それでも計画の狂いは付き物です。予備日を組み込み「計画通りに進まなかった学習はその日にする」「計画通りに進めば別の学習をする」と考えておくとプレッシャーになりません。もちろん計画通りに進んだなら、予備日をリフレッシュ日にしても良いでしょう。長い夏休みの学習は、なにより継続できるように計画立てることが重要です。

夏休みに勉強のモチベーションを保つコツ

医学部受験という実現したい夢があっても、長い夏休みの間モチベーションを維持し続けることは簡単ではありません。少しでも前向きな気持ちを保ちながら夏休みを過ごせるよう、ここではやる気低下を防ぐためのこつを紹介します。

医学部受験を目指す仲間と交流する

自宅で一人淡々と学習を続けると知らないうちにストレスがたまり、効率低下につながることもあります。「少しくらい目標通りに学習が進まなくてもいいか」とマイナスな思考に陥り、ずるずると学習が滞ってしまうことも考えられます。
そうした負の連鎖を防ぐためには、仲間と交流するのがベストな方法です。学校や予備校で同じく医学部を目指して頑張っている仲間と、できれば会って話す機会を持ちましょう。同じような悩みを抱えていることが分かれば、お互いに励まし合えるはずです。
また、学習計画を共有してみるのも良い方法です。「自分は○○までにこれだけ学習する」と宣言してしまえば、サボるわけにはいきません。仲間同士良い意味で監視し合えば、サボりたいという弱音に打ち勝って学習を進められるでしょう。

予備校を活用する

自宅での学習は誘惑が多く、集中力が途切れがちです。図書館や学習室など場所を変えて取り組むのも一つの方法ですが、予備校の夏期講習に参加すれば、より集中して学習を進められるでしょう。
予備校では、授業を受けるだけでなく、講師に直接質問したり、アドバイスを受けたりすることも可能です。講師は受験のプロのため、学習方法や苦手分野の克服方法だけでなく、志望校の選定や学習計画の見直し、受験に対する前向きな考え方についてなど、さまざまな相談に乗ってもらうことができます。
また、医学部を目指す仲間と同じ空間で勉強することは刺激になるため、自分も負けずに頑張ろうという気持ちを育ててくれるはずです。予備校に通うだけで簡単に偏差値が上がるわけではありませんが、モチベーション維持が難しい夏休みを乗り切るためには、有効に活用したい場所といえるでしょう。

定期的に模試を受ける

定期的に模試を受けることも、夏休みのモチベーション維持に役立ちます。模試は学習の伸びを確認するのに最適な手段です。これまでの学習が身に付いているか、どの分野がどのように苦手なのか客観的に把握するのに役立ちます。得点が上がれば自信がつくため、モチベーション向上にもつながるでしょう。
もちろん模試を受けることだけで満足してはいけません。模試の後は内容を振り返り、復習と苦手分野の確認を行うようにしましょう。

夏休みは受験の天王山! 有意義に使って差をつけよう

夏休みをどのように過ごすかは、医学部受験の合否を左右するともいわれます。夏休みに入る前に学習の目標と計画を立て、基礎固めと苦手の克服、そして全体的なレベルアップを目指しましょう。
医学部進学予備校メビオでは基礎から難関医学部受験まで、幅広い学力層に対応した指導を提供しています。気軽に質問しやすい環境、分かるまで粘り強く伝える指導力で医学部受験までのステップアップをサポートします。夏休みに集中的に学習して、もう一回り成長したいと考えているならぜひお気軽にご相談ください。