【講師監修】浜松医科大学の入試傾向と受験対策・勉強法を解説｜医学部予備校メビオ

浜松医科大学は、静岡県内唯一の国立医科大学です。浜松医科大学医学部に合格するためには、大学特有の出題傾向や範囲を把握し、分析した上で戦略を立てることが大切です。本記事では、浜松医科大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を詳しく解説します。

浜松医科大学は、静岡県浜松市中央区にある国立の医科大学で、1974年に設立されました。医学部には医学科および看護学科を擁し、高度の知識と技術、豊かな人間性と倫理を有する優れた医師や看護師、研究者を養成することを目的としています。

卒業後は、浜松医科大学医学部附属病院での初期研修プログラムに参加が可能です。本プログラムでは、大学病院で先進的かつ高度な医療を経験できるだけでなく、市中病院においても地域医療を含む総合的な医療を経験できます。

【所在地】静岡県浜松市中央区半田山一丁目20番1号
【学生数】968名　（※2024年5月1日時点）
【公式サイト】https://www.hama-med.ac.jp/index.html
【アドミッション・ポリシー】
医学部医学科では、本学の建学の理念を尊重し、将来、臨床医や医学研究者として社会に貢献できる以下の人材を求めており、志願者の資質と能力を総合的に評価して選抜します。

1. 医学を学ぶために必要な基礎学力と応用できる資質を有する人。
2. 生涯を通して学修する意欲と向上心を有する人。
3. 他者への思いやりと協調性、倫理観を有し、社会的規範に基づく行動がとれる人。
4. 自然科学への好奇心が旺盛で、豊かな創造力と論理的思考能力を有する人。
5. 国際社会や地域社会の情勢に関心を持ち、社会的要請に応えようとする意欲がある人。

【6年間の学費】
入学料
学部・大学院　282,000円
授業料
年額　535,800円 （前期分　267900円 / 後期分　267900円）
諸経費
医学部
医学科 約26万円
看護学科 約13万円

【奨学金情報】
日本学生支援機構奨学金
地方公共団体及び民間育英団体による各種の奨学金制度

浜松医科大学医学部の試験科目・募集人数・受験料・出願期間、入試日程・会場アクセス、受験者数・合格者数など詳細情報はこちら

浜松医科大学に合格するためには、高校時代をどのように過ごすかが重要です。以下では、浜松医科大学合格に向けたロードマップを高1〜高3の学年ごとに解説します。

高校1年生の時期は、基礎を固めることに集中しましょう。授業に真剣に取り組み、分からないことは先生に質問するなどして解決することが大切です。定期的な復習を心掛け、不得意分野を作らないようにすることが肝心です。

テストは必ず復習し、間違えた問題はなぜ間違えたのか分析し、次に生かしましょう。また1年生のうちに医学関連の書籍に目を通したり、病院見学をしたりして医師を目指すモチベーションを上げることも医学部受験を乗り切る原動力となります。

高校2年生の時期は、1年次から続けてきた基礎固めに引き続き集中することが大切です。高3の受験直前になって基礎学力を身に付けようと思っても間に合わない可能性が高いため、2年生のうちに全範囲の基礎固めを終わらせる必要があります。

余裕のある方は、浜松医科大学医学部の過去問を解いてみて雰囲気をつかんでおくのもおすすめです。現段階で合格点に届く必要はないので、自分の得意、不得意分野を洗い出しておきましょう。

高校3年生および高卒生は、いよいよ受験本番を意識し、1、2年次で学習した内容を復習するとともに問題演習にも力を入れる時期です。過去問題集や模擬試験にチャレンジし、制限時間内に問題を解けるよう訓練していきましょう。特に模擬試験を受ける際は常に本番だと思って挑戦することが大切です。

模擬試験の結果で一喜一憂するだけでなく、ミスした問題を徹底分析して戦略を練り、時間配分なども考えながら、入試本番では必ず正答できるよう準備を重ねましょう。

また本番が近づいてきたら、面接試験のためのロールプレイングをすることも重要です。面接は他人に評価してもらうことで上達するので、先生や友人に面接官役をお願いしてみましょう。

浜松医科大学医学部の合格へ向けて、科目別の出題傾向や有効な受験対策・勉強法を紹介します。また面接対策も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

傾向分析

浜松医科大学の英語は、大問3問で構成され、制限時間は90分です。大問3問のうち、2つは長文問題、1つは自由英作文が出題されます。長文問題のテーマは理系トピックが多く、医学や健康に関した長文もよく出題されています。

過去には「パンデミック」や「iPS細胞」、2023年度には「mRNAワクチンの開発経緯と有効性」など、時事的な医学ネタが多く出題されてきました。日頃から医学に関心を持ち、ニュースをチェックする姿勢も重要です。

作文の形式は自由英作文で、分量は100〜150語と長めです。語数や段落構成などについて細かく指示され、従っていない場合は大幅減点の可能性もあるので注意が必要です。

受験対策・勉強法

浜松医科大学の英語試験では、長文読解と英作文の対策が合格への要です。長文は比較的分量が多いため、時間との勝負になります。普段から英語の長文を早く読める訓練をしておきましょう。長文に出てくる文法や構文はそこまで難しいレベルは要求されないため、標準的な内容をしっかり押さえることを心掛けてください。

英作文は設定語数やパラグラフの数、導入や結論を明確にするなどの指示をクリアした英文を作成しなければなりません。はじめは基礎的な英作文の問題をこなし、慣れてきたらさまざまなテーマで演習を重ねて、自分の主張や結論を分かりやすく述べられるようにしておきましょう。

傾向分析

浜松医科大学の数学は、大問4問構成で全問記述式、試験時間は90分です。出題範囲は数Ⅲからの傾向にありますが、比較的広い範囲から出題されるため、全体を網羅的に勉強しておく必要があります。さらに全体的に標準レベルですが、超難問が混じることもあります。

難問は飛ばして、標準レベルの問題を取りこぼさず得点することが重要です。問題を見て、解くべき問題と飛ばすべき難問を瞬時に判断するセンスも求められます。全体のボリュームが大きく、思考力を問われる論証問題も出題されるため、時間配分に注意しながら解くようにしましょう。

受験対策・勉強法

数学の対策で大切なのは、過去問演習をこなして出題形式と時間配分に慣れることです。例えば、たまに小問による誘導のない問題が出題されたり、一つの図形問題を2つの解法で解かせる問題が出題されたりなど、特殊な形式の出題があります。

過去問を網羅して、本番で慌てないように準備しておきましょう。また証明問題や図示問題が多く出題される傾向にあるため、論証問題に慣れておくことも大切です。さらに時間制限内に取りこぼしのないよう、どの問題から手をつけるか瞬時に判断する訓練もしておきましょう。

浜松医科大学数学で合格ラインの点数を取るには、標準レベルの問題で確実に点を取ることが非常に重要です。どの単元が出ても正解でき、不得意な単元を作らないよう一つひとつ潰していきましょう。

傾向分析

浜松医科大学の化学は、大問4問が出題されます。試験時間は理科2科目で120分のため、化学に割り当てられた時間は実質60分です。大問4題のうち、2題以上が理論化学、残りは有機と高分子から1題ずつ出題される傾向にあります。

出題形式は、標準レベルの空所補充と計算問題が中心ですが、発展的な内容の問題や思考力を問われる問題も出題されます。一つひとつ丁寧に解いていけばそれほど難しくはないものの、60分という制限時間内に全て解くのは難しい試験です。もう一つの理科系科目である物理との時間配分も考えて解くことがカギとなります。

受験対策・勉強法

浜松医科大学の化学は出題範囲が広いため、化学全域の対策が必要です。まずは教科書を一章ずつ丁寧に読み込み、基礎を押さえていきましょう。最終的には教科書にある発展や応用レベルまで理解することが理想ですが、最初のうちは書かれていることにざっと目を通すだけでも構いません。

教科書レベルの知識を一通り理解したら、標準レベルの問題演習を数多くこなしてください。演習をたくさん重ねることで、時間配分や素早く解くコツが分かってきます。また化学は実験問題をスムーズに解けるようにしておくのも合否を分ける重要なポイントです。実験問題が多く掲載されている問題集で思考力を深めましょう。

傾向分析

浜松医科大学の物理は、大問が4〜5問出題されます。化学の項でも述べたとおり、試験時間は理科2科目で120分のため、物理に割ける時間は実質60分程度です。

出題範囲は力学、電磁気、熱力学、波動、原子から必ず出題されています。分野内で大きな偏りもなく、バランスよく出題されているのが特徴です。

出題形式は掲載問題と物理用語の空所補充問題がメインです。難易度は基本〜標準レベルですが、計算問題の一部に煩雑なものが混じることもあります。論述問題や描図問題の出題頻度は少なめです。化学よりは素直な問題が多いので、120分の試験時間を物理に多めに配分し、確実に点を取るのも戦略の一つです。ただし、ケアレスミスが命取りとなります。その点は十分に注意しましょう。

受験対策・勉強法

出題範囲が幅広いため、全般的な対策が必要です。計算問題が中心で論述問題はあまり出題されないため、計算問題に重点を置いて勉強するのも一つの有効な戦略です。出題レベルは基礎〜標準がほとんどのため、同様のレベルの問題がまとまった問題集で演習を重ねていきましょう。

また浜松医科大学の物理は、時間制限が非常に厳しい点も大きな特徴です。従って問題文を見ながらどの問題にどれくらい時間を配分するか見極める訓練が必要です。日頃から演習問題を行うときは時間を厳格に計りながら解く訓練をしましょう。小さな減点が命取りとなりかねないため、ケアレスミスをしないように復習を続けることも大切です。

傾向分析

浜松医科大学の生物は大問4問が出題され、試験時間は理科2科目で120分です。全体的に論述問題が多いのが特徴です。標準レベルの知識問題（用語や正誤判断）、描図問題、計算問題など幅広い出題形式があります。

また実験結果からデータを読み解くなどの難易度が高めの問題も出題されます。図やグラフを作成する問題もあり、制限時間内に全て解答するのが難しい傾向です。出題範囲も幅広く、ヒトの疾患や免疫・感覚情報処理などの医学部らしい出題に加え、植物の生殖・生物の進化・生態など幅広い分野から出題されます。

受験対策・勉強法

出題範囲が幅広く、分野の網羅的な対策が必要です。レベルは標準的な問題がほとんどなので、まずは基礎的な問題で点を落とさないよう対策しましょう。論述問題が多いことから、具体的な根拠を示しつつ論理的な解答ができるよう練習することも重要です。

また浜松医科大学の理科系は時間制限が非常に厳しく、全問解き切るのが難しい傾向にあります。本番の対策としては、完答を目指さず解ける問題でしっかり点を取り、時間が掛かりそうな難問は飛ばすという判断も必要です。従って入試本番が近づいてきたら、問題文をざっと見て時間配分を即座に判断する訓練も取り入れましょう。

傾向分析

浜松医科大学医学部の面接は、前期日程は個人面接、後期日程はプレゼンテーションと個人面接が行われます。面接時間は10〜20分程度で、面接官3人に対し、受験生1人で答える形式です。

個人面接では、3人の面接官それぞれから質問されます。質問内容では、毎年、大学のアドミッション・ポリシーについて聞かれます。後期日程で行われるプレゼンテーションは課題を渡され、5分程度の準備時間の後、課題について面接官を前にプレゼンテーションを行う形式です。プレゼンテーション終了後、面接官から質疑応答があります。

受験対策・勉強法

面接対策としては、よく質問される内容を自分なりの答えをまとめておくことです。浜松医科大学の面接でよく聞かれる内容としては以下のような項目が挙げられます。

• 医師を志望する理由
• 浜松医科大学を志望する理由
• アドミッション・ポリシーについて
• どのような医師になりたいか
• 卒業後は静岡に残るか

特に静岡県以外の出身者の場合は、なぜ浜松医科大学を選ぶのかを詳しく聞かれる傾向にあるため、事前に答えをよく練っておきましょう。後期日程で課されるプレゼンテーション対策としては、医療に関する時事ニュースを日頃からチェックしておくことが大切です。

個人面接もプレゼンテーションも、実践経験を積むことが何よりの対策です。先生や友人に面接官役になってもらい、本番を想定した練習を重ねましょう。

浜松医科大学の受験対策に関して、よくある質問を3つ紹介します。詳細な回答と共に解説しているので参考にしてください。

浜松医科大学は、医学科と看護学科から成る医療系国立大学です。両学科の学生が共に学び、福祉施設体験学習と新入生合宿研修など、継続的なコミュニケーション学習を取り入れていることが特徴です。

また国際性や異文化への理解を深める教育にも力を入れています。奇数学年の全学生にTOEICの受験を課している他、eラーニングや英語でのプレゼンテーション、交換留学などを通して、卒業時は英語で医学や医療の討論ができるレベルを目指します。

浜松医科大学医学部の難易度は、偏差値から見ると国公立大学の医学部の中では平均的な水準です。とはいえ、国公立の医学部はどの大学も人気が高く、偏差値で平均に位置している浜松医科大学の入試難易度は相当な高さといえます。

前期日程の倍率は平均よりやや低めですが、後期日程になると高倍率に跳ね上がるため、なるべく前期日程で合格するのが望ましいです。

浜松医科大学医学部の受験対策では、基礎〜標準レベルの問題演習を数多くこなすことが重要です。教科書を読むだけでなく、演習問題を多く解くことでアウトプットを重ねましょう。また出題範囲も幅広いため、不得意分野を作らないよう心掛けることも大切です。どの分野の問題が出ても対応できるよう、ここまで解説してきた勉強法を取り入れながら勉強していきましょう。模試などを活用し、どの分野でどれくらい得点できるか分析するのもおすすめです。

医学部に合格するためには、各大学の出題傾向を分析し、適切な対策をとることが必要です。医学部進学予備校メビオでは、浜松医科大学医学部の過去問を徹底分析し、合格に不可欠な学力を身に付けるためのカリキュラムを用意しています。

また自分の今の学力を見つめ直し、合格への道筋を立てるのに役立つ「学力診断テスト」も実施しています。中高一貫校に通う生徒向けの「新中1中高一貫模試」を利用して、ライバルたちの中で自分がどの位置にいるか知ることもおすすめです。

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