【講師監修】高知大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ
基本情報
2025/03/05(水)
(最終更新日2025/03/27)
確実に医学部合格を勝ち取るためには、志望大学の入試で重要視されている科目を知ること、それを踏まえた上での勉強法を確立することはとても大切です。今回は、高知大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説します。どれも受験する上では知っておきたい情報ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.高知大学医学部の概要
2.高知大学医学部の入試情報
3.高知大学医学部合格に向けたロードマップ
3-1.高1生
3-2.高2生
3-3.高3生・高卒生
4.高知大学医学部の科目別受験対策・勉強法
4-1.英語
4-2.数学
4-3.化学
4-4.物理
4-5.生物
4-6.面接
5.高知大学医学部の受験対策についてよくある質問
5-1.高知大学医学部の特徴は?
5-2.高知大学医学部の難易度はどれくらい?
5-3.高知大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
6.高知大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
高知大学医学部の概要
高知大学は1976年に高知医科大学として開学し、1981年には医学部附属病院、1998年には看護学科が設置され、2003年には旧高知大学と旧高知医科大学を統合して高知大学に生まれ変わり、国立大学法人高知大学医学部が誕生しました。
その後は、がん治療センターや先端医療学推進センター、高知地域医療支援センターなどが設置され、最先端医療と地域医療をつなぐ懸け橋のような存在となっています。昨今急激に進んでいる医療のデジタル化にも積極的に取り組み、2022年には医療DXセンターも設置されています。
高知大学医学部の入試情報
【所在地】〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮
【学生数】628名 ※2024/05/01現在
【公式サイト】https://www.kochi-u.ac.jp/
【アドミッション・ポリシー】
- 知識・技能
- 思考力・判断力・表現力
- 主体性・多様性・協働性
- 関心・意欲
医学知識を修得するために必要となる幅広い分野の基礎知識として、高等学校卒業程度の教科学習に関する知識があり理解している。
学習及び生活の中で自ら積極的に問題点をみつけ、解決方法を探求することができる。
科学的根拠に基づいて問題を分析的、批判的に考え、解決することができる。
自分の考えを口頭あるいは図や文章を用いて筋道を立てて明確に表現することができる。
自発的で継続的な自己学習の習慣を身につけている
協調性や他者への深い思いやりがあり、周囲と良好なコミュニケーションをとることができる。
多様な背景を持つ他者の能力を認め、同じ目標に向かって協働することができる。
生命科学や医学・医療に対する強い関心・意欲を持っている。
高知県内の地域医療に従事する強い意欲がある。(一般選抜[地域枠],学校推薦型選抜Ⅱ,総合型選抜Ⅰ)
社会的な善悪に対して正しく判断し、自分の発言や行動に責任を持つことができる。
【6年間の学費】
349万6,800円(1年生:入学金282,000円 +授業料535,800円、2年生~6年生:授業料535,800円)
【奨学金情報】
高知大学修学支援基金奨学金(全学部対象)
高知大学地方創生人材育成基金奨学金(全学部対象)
高知大学医学部岡豊奨学会奨学金制度(医学部学生対象)
その他 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
さらに詳しい内容について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
>>2024年度全国医学部情報 高知大学高知大学医学部合格に向けたロードマップ
ここからは高知大学医学部合格に向けてのロードマップを解説していきます。高1生・高2生・高3生に分けて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
高1生
高知大学は共通テスト950点、個別学力試験900点、面接100点のトータルで合否が決まります。共通テストと個別学力試験の配点比率に大きな偏りはないので、どちらも高得点を狙わなければならないところが難しいポイントです。
これを踏まえた上で、高1生では受験科目となる数学・英語・物理・化学・生物すべての基礎問題を徹底的にやり込んでください。
高知大学の問題傾向として、難しい応用問題がたくさん出るというよりは、基本的な問題をいかに落とさずに得点できるかを重要視しています。解ける問題を確実に得点するためにも、すべての科目で苦手を作らず、まんべんなく解けるような学力を身につけておきましょう。
高2生
高2生になれば、高1生で行っていた網羅的に知識を得る勉強から、高知大学の出題傾向を分析し、それに合った勉強方法を始める時期になります。かといって完全に受験大学対策にシフトするのではなく、バランスを見ながら勉強していくのが理想です。
高知大学の場合、英語のみ他学部と異なる問題が出題され、医学部に沿った内容がテーマになることが多いとされています。英語に自信がない場合は、早めに対策を取っておきましょう。
高3生・高卒生
受験最後の期間は、今までの勉強を継続させつつ、面接対策や2025年度から共通テストに追加された情報Ⅰの勉強も行っていきましょう。また苦手科目があるのであれば、基礎問題からやり直しておくことが大切です。
高知大学では数学・物理・化学・生物は他学部と同じ問題が出題されますが、制限時間が30分ほど短く設定されています。確実に問題に正解するだけでなく、時間内に解けるかどうかストップウォッチを使って本番に備えた練習をしておくとよいでしょう。
高知大学医学部の科目別受験対策・勉強法
ここからは高知大学医学部の科目別受験対策と勉強法について、解説していきます。問題傾向・分析をしっかりと行い、自分に合った勉強方法を確立していきましょう。
英語
傾向分析
英語は年度によって問題構成が微妙に異なり、問題数は3~5題、試験時間は120分の選択式・記述式解答になっています。受験科目の中で唯一、他学部とは違う問題が用意されるので、設問ごとに難易度がバラバラであることが特徴です。
出題範囲はこれといって特殊なものはないですが、難易度の高い穴埋め問題や抽象度の高い文章などが出題される年度もあります。
しかし、全体的に難易度がとても高いというわけでなないので、いわゆる捨て問題はなく、丁寧かつすばやく解けるスキルが求められるでしょう。長文では、医学部固有のテーマが出題されることもあります。
受験対策・勉強法
難易度はそこまで高くないので、難解な単語を覚えるというよりは、着実にすべての問題を素早く解くスキルを身につけましょう。また記述式の問題や英作文の問題もあるので、添削をしてもらう、英作文の問題をたくさん解いて英語での記述に対するハードルを下げておくなどしておくのもおすすめです。
特に自由英作文は自分で構成も考えて、英文を作り上げなければなりません。最初から英作文にチャレンジするのではなく、まずは自分が伝えたいことを論理的に日本語で作る練習をしてみてください。日本語での文章の組み立て方は、小論文の書き方なども参考にしてみるとよいでしょう。
数学
傾向分析
数学は理工学部と共通問題になっており、近年は証明問題が出る傾向にあります。試験問題は4問、試験時間は120分でこちらも他学部と同様です。出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列・ベクトル)で、難易度は標準のため高得点を狙いに行く必要があるでしょう。
いくつかの小問があり、最終的な大問につづくという形式で、ひとつずつ確実に落とさずに解答できるようにしておきたいです。証明問題や論述問題が出ることが多いため、矛盾なく論理的に解答を導く必要があります。
受験対策・勉強法
難易度が高くないかわりに、幅広い知識が要求されます。どの単元においても苦手を作らずに、まんべんなく高得点を狙えるようにしておくことが求められるでしょう。難しい参考書に手を出すのではなく、教科書や基礎問題集を何度もやり込み、どんな問題にも必要とされる基本的な知識を身につけてください。
特殊な計算が必要、マイナーな公式を覚えておかなければならないということはないので、どれだけケアレスミスを抑えられるか、制限時間内にどれだけ多くの問題を解くかが勝因となるでしょう。時間配分もカギなので、過去問を繰り返し解いて時間感覚を養っておくのもおすすめです。
化学
傾向分析
化学は他学部と共通問題で、2科目120分で解く必要があります。問題は基礎的なものが多く、空所補充問題・計算問題・理由説明問題・構造式を解答する問題など、解答形式も偏りなく出題されることが多いです。
化学は試験問題の傾向というよりも、試験時間が短いことがもっとも注意しなければいけないポイントといえます。他学部であれば180分で解く問題も120分で解くことが求められるため、時間配分も含め、自分が解ける問題であるかどうかを瞬時に判断するスキルが大切です。
受験対策・勉強法
頻出分野は理論・無機・有機・高分子で、全体的にバランスよく出題されますが、ここ数年では高分子の出題が増えており、2021年度では全体配点の約1/3が高分子の出題でした。教科書に載っている内容を中心に問われるので、有機・無機問わず教科書に載っている反応式はすべて理解しておくようにしましょう。
また化学式だけでなく、実験についても理論・実験に使われる試薬・器具・方法など細かい部分までしっかりと理解しておくのがおすすめです。前述したように、難易度が高くない分時間との勝負になるので、問題の取捨選択も含めた時間配分を徹底して練習しましょう。
物理
傾向分析
化学と同様、他学部と共通問題で3題、試験時間が2科目120分となっています。出題範囲は物理基礎と物理で、全学部共通問題のために教科書内容を中心とした難易度です。基礎的な問題ではありますが、数学や物理と同様に試験時間が短くなっています。
他学部であれば180分のところを、1時間短い120分で解かなければいけません。頻出分野は力学・電磁気・熱力学で、特に力学は毎年出題されています。これ以外の分野であっても波動や電磁気のコンデンサーが出題されている年度もあるので、できるだけまんべんなくカバーしておきましょう。
受験対策・勉強法
試験時間が短く、1題あたり平均20分で問題を解く必要があります。マイナーな問題を解く練習をするよりも、基本的な問題をどれだけ正確に早く解けるかを練習しておきましょう。
いつもなら簡単にわかる問題でも、いざ試験本番となると慌ててわからなくなることも十分考えられます。そうならないように、何度も同じ問題を繰り返し練習しておきましょう。
試験時間が短いので、自分が確実に解ける問題とそうでない問題のジャッジもすばやくできるような練習も大切です。頻出分野に限らず、全範囲をできるだけ見ておくようにしましょう。
生物
傾向分析
生物は4題出され、試験時間は2科目120分の記述式解答となっています。出題範囲は生物基礎・生物で、他学部と共通の問題ですが、試験時間は1時間短く設定されているのが特徴です。理系学部共通問題なので、応用というよりは基礎的な問題が多く、教科書の内容をどれだけきちんと理解しているかが問われるでしょう。
計算問題は少なく、論述問題が多い点も特徴です。200文字程度の文章を書く問題もあるので、論理的な説明をする練習も必要でしょう。試験時間が短いため、1題あたり15分で解かなければならず、時間ギリギリまで継続した集中力が求められます。
受験対策・勉強法
頻出分野は細胞、進化・系統、生態で、問題全体の半分を占めています。残りは特に傾向はなく、さまざまな分野から出題されているので幅広く勉強しておきましょう。英語以外の科目と同様、問題の難易度は高くないですが制限時間の短さがネックとなるので、この攻略方法をしっかりと練っておきましょう。
問題の取捨選択をすばやくする、簡単な問題を先に解くなど自分に合った対策を見つけてみてください。頻出分野がある程度固定されているので、そこに注力して勉強するのも一つの手かもしれません。自分の得意分野と相談しながら、決めていきましょう。
面接
傾向分析
高知大学の面接は配点が100点と明記されており、しっかりと点数化されている点が特徴です。面接時間は10分程度、学生1人に対して面接官3人という形式です。
高知県出身でない場合、なぜ地元の大学ではなく高知大学を受験したのか・高知県の医療状況について知っていることはあるか・将来高知県で就職する気持ちはあるのかなど深掘りして聞かれることが多いようです。面接の点数を明確に決めていない大学もある中、高知大学ははっきりとした配点があるので、質問に答えられないと合否に響く可能性があります。
受験対策・勉強法
高知県や高知大学についての質問が多く、あらかじめ知識がないと答えられないでしょう。どれくらい高知に興味を持っているのか、高知大学でなければいけない理由は何かなど面接官が納得できる答えを準備しておいてください。
特に出身県に医学部を持つ大学がある場合は、なぜそこではなく高知大学なのかと突っ込まれて聞かれることがあります。願書に書いた志望動機と矛盾しないような答えを言えるようにしておきましょう。意地悪な質問などはないですが、一つの質問をより詳しく掘り下げて聞かれることが多いので、慌てずに対応する練習も大切です。
高知大学医学部の受験対策についてよくある質問
高知大学医学部の特徴は?
先端医療を学べる「先端医療学コース」が設けられ、将来の研究者育成を目的としたコースが勉強できます。研究活動拠点として医学部附属先端医療学推進センターがあり、研究班に属して研究結果を出せば、海外での論文発表や国際学会への出席などグローバルな活躍ができる可能性もあるでしょう。
また地域に根差した医療にも力を入れており、高知県内の山間地を1泊2日で訪れて地元住民やその土地の医師と交流し、地域医療の現実を体感する「家庭医道場」というプログラムも行っています。今求められている地域包括ケアシステムは何かを実感できる貴重な体験となるでしょう。
高知大学医学部の難易度はどれくらい?
高知大学医学部の偏差値は68で、国公立大学医学部の中では比較的チャレンジしやすいレベルといえるでしょう。他学部と比較するとかなり高い偏差値ではありますが、医学部の中でみるとそこまで高いレベルではないので、きちんと勉強すれば十分合格が狙える大学といえます。
令和2年度の合格倍率は4.5でしたが、徐々に偏差値は下がってきている傾向にあるので、今までは合格圏内になかった人でも挑戦してみる価値はあるでしょう。
高知大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?
高知大学医学部の受験対策や勉強方法は、まずは自分の苦手科目や分野をなくしておくことです。高知大学は難易度の高い問題はほぼ出題されません。そのため、応用問題にどれだけ食らいつけるか、人が知らない知識をどれだけ覚えるかではなく、どれだけ問題を取りこぼさずに得点できるか、慌てずにミスを最小限に抑えられるかがカギとなってきます。
自分の現在の学力や得点の仕方などを分析して、ここまで解説してきた勉強方法を取り入れることが重要です。
高知大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
高知大学医学部は、共通テストと個別学力試験の配点がほぼ同じであるため、どちらとも高得点を狙いに行かなければなりません。また他学部と共通問題が出る代わりに試験時間が短い科目が多く、正確にすばやく解答を導く能力が求められます。対策としては、本番を想定した時間配分を意識する方法がおすすめです。
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