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2月2日 東海大学医学部一般入試の講評

2月2日 東海大学医学部一般入試の講評

入試

メビオ講師コラム

2016/02/04(木)

2月2日・3日と行われた東海大学医学部入試のうち、2月2日分の講評です。

志願者は5398名、昨年が5209名なので189名の増加。志願者を減らしている大学が多い中、今年も厳しい戦いになりそうです。昨年の合格最低得点率が80.9%です。物理や生物選択者の中には心折れた受験生もいるでしょうが、東海大学の理科の採点は偏差値換算なので、絶対的な点数では判断できません。周りの受験者に対してどの程度とれたかが大事です。ただ、少なくとも英語、数学はしっかり獲っておきたいところです。2日間の試験のうち、2月2日分の各科目の講評は以下の通りです。

英語
配点が昨年の150点から100点に変わったが問題形式、分量は同じ。
1(長文総合「バイリンガルであることへの新しい洞察」)
内容一致の選択肢にやや読みにくい部分はあるが、文章・設問ともに平易。
2(文法)典型問題ばかりで平易。完答を目指したい。
3(単語・熟語同義語)東海大で過去に出題されたものばかり。完答を目指したい。
4(会話)昨年に引き続き、引っかけもなく素直な出題。
5(文整序)選択肢を利用すれば迷うことなく選べる。
6(ビジュアル問題)1箇所戸惑うところはあるが、選択肢を見れば答えは選べる。
7(和訳「少子高齢化と年金問題」)無生物主語と比較の典型問題。
8(英作文「アカデミー賞とオスカー像」)与えられた英文中の表現をうまく用いれば単語の選択は容易。

昨年までと同様、マーク部分ではほとんど失点が許されない高得点勝負が予想される。和訳も典型的で、英作文も構造自体は平易であり、単語の選択に少々悩むことを除けばとり組みやすい問題である。8割後半が目標。

数学
1(小問集合)どの問題も基本的で解きやすい。
2(積分計算)決して難しい積分計算ではないが、計算量が多い。差がつきやすい。
3(確率)最後の(キ)のみ難しいが、他は易しい。
大問2 の正答率が合否を分けるだろう。ボーダーは8割5分。

物理
1 電気映像法(難)
2 重心系・換算質量・反跳原子(難)
3 マイケルソン・モーリーの干渉計(やや難)
4 剛体のつりあい(やや難)

大問1 の電気映像法は受験生にはあまり馴染みがない分野で、この誘導から(1) の答えを導くにはかなりの実力がいる。以降(2)~(5) までもかなりの難問が続く。適当な選択肢を選んで飛ばしても問題ないだろう。
大問2 の前半は原子核反応に絡めた重心系の問題。(1) は問題文の通り加速度の大きさを用いると選択肢の中に解答は含まれていない。以降の話の流れから換算質量を選ばせると解釈したが、出題者の意図を汲み取って正解を選べる受験生は相当の実力者だろう。後半(4) は易しい。(5) の反跳原子の問題はややレベルの高い問題。
大問3 は「強め合いの回数」の意味があいまいで、特に(4) では(1)~(3) と同じく最初の強め合っている状態をカウントせずに最後をカウントすることにすると、8A回となってしまい選択肢が存在しない。0 回目の表現がわざわざこの問題だけ存在しないので、解釈を変えて選択肢から解答を選んだが受験生にそこを汲み取れというのはかなり厳しい。
大問4 は棒2 に働く2 力が棒に沿って働くことにはじめに気づけば(3) 以外は易しいがなかなか始めに気づくのは難しいかもしれない。
総じて受験生には相当難しいセットであった。大問3 と大問4 で点を稼いだとしても、ボーダーラインは4 割程度だろう。

化学
Fe2+ とフェロシアン化カリウムのような引っかけ問題もあるが,概ね解答しやすい。特に理論問題は昨年計算が煩雑で合わせるのが難しかったのが、かなり平易な数値になっており解きやすい。受験者平均は上がり、合格点も上がると予想しており、偏差値換算されることを考えればかなりの高得点。最低でも8割5 分は取らないと合格は難しい。

生物
空欄補充の問題では、難問が散見されたが、考察問題は例年に比べて超難問ではなくなった。大問 3、4 などの標準的な問題を落とさないようにしたい。大問 2、5 の後半ができたかどうかで大きな差がついただろう。7 割がボーダーラインか。