【2026年度】近畿大学医学部 推薦入試対策|科目別の傾向と合格戦略
受験対策
2025/07/11(金)
(最終更新日2025/09/06)
目次
1.2026年度推薦入試の概要
2.過去の入試結果データと分析
3.一次試験:科目別対策
4.二次試験:小論文・面接対策
5.よくある質問(FAQ)
6.メビオ 近畿大学医学部 推薦入試対策講座
7.結論
1. 2026年度推薦入試の概要
主な特徴
この入試の最大の特徴は、他大学との併願が可能であること、そして評定平均の基準が設けられていない点です。この門戸の広い出願資格のため、国公立大学を第一志望とする受験生なども含め、全国から多くの受験生が挑戦します。その結果、志願者が多数集まり、例年高い競争率となります。
2026年度 入試日程と試験時間割
2026年度の推薦入試の日程と試験時間割は以下の通りです。
表1:2026年度 近畿大学医学部 推薦入試 日程
項目 | 日程 |
---|---|
出願期間 | 2025年11月1日(土)~11月14日(金) |
一次試験日 | 2025年11月23日(日) |
一次合格発表 | 2025年12月3日(水) |
二次試験日 | 2025年12月7日(日) |
最終合格発表 | 2025年12月17日(水) |
表2:一次試験 概要
時間 | 教科・科目 | 配点 |
---|---|---|
9:20~10:20(60分) | 理科(「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」から1科目選択) | 100点 |
11:00~12:00(60分) | 外国語(「英語コミュニケーションⅠ」「英語コミュニケーションⅡ」「英語コミュニケーションⅢ」) | 100点 |
13:00~14:00(60分) | 数学(「数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B(数列)・数学C(ベクトル)」) | 100点 |
表3:二次試験 概要
試験内容 | 時間 | 評価 |
---|---|---|
小論文 | 10:30~11:10(40分) | 段階評価 |
個人面接 | 1人10分程度 | 段階評価 |
(注)
・一次試験は学力検査の成績によって判定し、一次試験合格者を決定します。
・一次試験の合格者に二次試験を実施し、一次試験、二次試験の成績及び調査書等を総合的に判定して最終合格者を決定します。
・理科は中央値補正法による得点調整が行われます。
・最終的な確認は、大学が発表する「令和8年度入学試験要項」(9月中旬発行予定)で行ってください。
2. 過去の入試結果データと分析
過去5年間の入試結果は以下の通りです。
表4:過去5年間の入試結果
年度 | 一次志願者数 | 一次受験者数 | 一次合格者数 | 一次合格最低点 | 二次合格者数 |
---|---|---|---|---|---|
2025 | 670 | 664 | 72 | 208 | 58 |
2024 | 742 | 735 | 74 | 223 | 51 |
2023 | 681 | 677 | 77 | 222 | 55 |
2022 | 608 | 605 | 80 | 182 | 60 |
2021 | 561 | 537 | 70 | 208 | 52 |
過去のデータを見ると、一次試験の合格最低点は年度によって大きく変動しますが、概ね7割前後が目安となります。この水準を目標に学習を進めることが一つの指針となるでしょう。
また、一次試験合格者のうち、二次試験では約20%~30%が不合格となります。このことから、最終合格を勝ち取るためには、一次試験でできるだけ高い得点を確保して二次試験に臨むこと、そして小論文と面接の対策を決しておろそかにしないこと、この両方が不可欠です。
3. 一次試験:科目別対策
英語(60分・100点・マーク式)
2021年度から全学部共通問題となり、会話文、空所補充、文法4択、同意文選択、語彙、語句整序、長文総合の7題構成です。全学部共通問題であるため、医学部以外の学部の過去問も有効な演習材料となります。多様な問題に触れることで、出題形式や時間配分に身体を慣らし、本番での動揺を防ぎましょう。
数学(60分・100点・マーク式)
英語と同様に全学部共通のマーク式問題で、2023年度からこの形式となりました。出題範囲は数学I・II・A・B(数列)・C(ベクトル)で、数学IIIは範囲外です。大問3題で構成されます。対策のポイントは、頻出分野である数列・三角関数・確率を中心に、標準的な問題を迅速かつ正確に解き切る能力を養うことです。60分で大問3題を処理するため、過去問演習を通じて時間配分の感覚を掴み、ケアレスミスをなくす訓練が重要となります。
物理(60分・100点・記述式)
力学、電磁気、波動が中心に出題されます。問題文中の誘導やヒントを的確に読み取り、論理を組み立てる能力が問われます。思考プロセスを明確にするため、図や数式を丁寧に描き、論理展開を視覚化する習慣が有効です。
化学(60分・100点・記述式)
結晶格子や蒸気圧など、受験生の間で差がつきやすい分野からの出題が目立ちます。途中式の記述が求められるため、計算の正確性はもちろん、解答に至る過程を論理的に示す力が必要です。理論・無機・有機の各分野をバランス良く学習することが高得点に繋がります。
生物(60分・100点・記述式)
免疫、心臓の機能、発生、生体膜といったテーマが頻繁に取り上げられます。「論述力」と「図表読解力」が重要となります。複雑な生命現象をキーワードを用いて簡潔に説明する訓練や、初見の図やグラフから情報を正確に読み取り考察する演習を重ねることが不可欠です。
4. 二次試験:小論文・面接対策
一次試験を突破した受験生を待ち受けるのが、二次試験です。ここでは学力だけでなく、医師としての適性や人間性が評価されます。
小論文
形式とテーマ
与えられた主題について論述する形式で、試験時間は10:30〜11:10の40分、評価は段階評価となります。過去には、がん患者のエッセイを題材に主治医としての言葉を問う問題や、ノーベル賞受賞者の言葉から科学への姿勢を問う問題など、医師としての倫理観や人間性を問うテーマが出題されています。
- 核となる主張を事前に準備する: 本番で初めて考えるのではなく、「理想の医師像」「現代医療の課題」「自身の長所と短所」といった頻出テーマについて、自分なりの意見を事前に構築しておきましょう。
- 簡潔な記述を心がける: 400字という字数制限があるため、主張と根拠を明確に示し、簡潔に記述することを心がけましょう。
面接
形式とプロセス
面接官2名に対し受験生1名で行われる個人面接で、時間は1人10分程度、評価は段階評価です。面接前に20〜30分かけて記入する「面接用アンケート」があり、面接での質問の多くはこのアンケート内容に基づいて行われます。
5. よくある質問(FAQ)
Q1. この推薦入試は専願ですか?併願は可能ですか?
A1. 併願が可能です。近畿大学医学部の推薦入試は、合格した場合でも他大学の一般入試を受験することができます。
Q2. 近畿大学医学部推薦入試の難易度はどれくらい?
A2. 私立大学医学部の中でも難易度が高く、上位に位置する入試です。併願が可能で、合格後も他大学の一般入試を受験できるため、学力の高い受験生が集まりやすく、それが難易度の高さにつながっています。
Q3. 過去問は入手できますか?
A3. はい、入手できます。大学の公式ウェブサイトから「近パス」に登録することで、過去問をダウンロードすることが可能です。また、メビオの「医学部解答速報・過去問解答」ページで、詳しい解説つきの解答をダウンロードできます。
▼メビオ「近畿大学医学部 解答速報・過去問解答」はこちら
https://www.mebio.co.jp/medicalschool/answer/kinki
Q4. 出願に際して、評定平均の基準はありますか?
A4. いいえ、評定平均に関する特定の基準は設けられていません。
Q5. 既卒生(浪人生)でも出願できますか?
A5. はい、出願資格には「高等学校もしくは中等教育学校を令和7年3月以降に卒業した者および令和8年3月卒業見込みの者」とあり、1浪生まで出願が可能です。
6. メビオ 近畿大学医学部 推薦入試対策講座
約27倍という高い競争率の試験を勝ち抜くためには、的確な戦略が不可欠です。医学部進学予備校メビオでは、近畿大学医学部の推薦入試に特化した対策講座を開講しています。
この講座では、入試傾向を熟知した講師陣が、長年の過去問分析から生まれた独自のテキストを用いて指導します。また、本講座の受講者で一次試験に合格した方を対象に、二次試験の小論文・面接対策(有料)も用意されており、総合的にサポートします。
講座の詳細や日程、お申し込みについては、以下のリンクよりご確認ください。
7. 結論
本稿では、近畿大学医学部推薦入試の概要、過去のデータ分析、そして科目別の対策について解説しました。
この高い競争率の入試を突破するためには、一次試験で高得点を獲得することが第一の目標となります。合格ラインが7割前後で変動することを念頭に置き、特に全学部共通問題である英語・数学で確実に得点し、記述式の理科で差をつける学力が求められます。
同時に、一次試験を突破しても2~3割が不合格となる現実を踏まえ、学科試験の対策と並行して、小論文や面接の準備も不可欠です。
正確な情報に基づいた計画的な対策を早期から着実に実行することが、合格の可能性を高めるでしょう。
著者情報
医学部進学予備校メビオ講師
医学部受験一筋45年以上。近畿大学医学部をはじめとする難関大学の入試傾向分析と指導経験をもとに、本記事を執筆。