【講師監修】順天堂大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説｜医学部予備校メビオ

順天堂大学医学部は東京都にある私立医学部の一つです。合格するためには入試の傾向をつかみ、対策を練って勉強を進める必要があります。この記事では順天堂大学医学部を目指す方に向け、順天堂大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を詳しく解説します。

順天堂大学医学部は、1838年に蘭方医の佐藤泰然が「和田塾」を日本橋に開学したことに始まります。1843年には下総の佐倉に移り「順天堂」を開学、1885年には順天堂医事研究会も発足しました。

第二次世界大戦後の1946年に順天堂医科大学に昇格したのち、1951年には新制・順天堂大学として開学しています。2008年以降は健康総合大学院大学として教育課程や施設を充実させ、国際化も進めています。

【所在地】〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1

※医学部1年次は佐倉キャンパス（千葉）寮生活
【学生数】830名　※2025年5月1日時点
【公式サイト】https://www.juntendo.ac.jp/
【アドミッション・ポリシー】
【求める学生像】
医学部では、医学・医療の知識・技能のみならず豊かな感性と教養を持ち、国際社会や地域社会に貢献し、未来を拓く人間性溢れる医師・医学者を養成するため、次のような学生を求めます。

• 一人の人間として、人間と自然を愛し、相手の立場に立つ思いやりと高い倫理観を有する人
• 幅広い人間性、柔軟性と協調性を備えた基本的なコミュニケーション能力を有する人
• 自ら課題を発掘し、知的好奇心を持って、課題解決に取り組む主体性を有する人
• 国際的な視点から医学・医療の進歩に貢献しようとする熱意を有する人
• 入学後も、自己啓発・自己学習・自己の健康増進を継続する意欲を有する人

【入学者選抜の基本方針】
医学部では、医師・医学者になろうと努力する学生に対し、6年間で卒業し、ストレートで医師国家試験に合格させるよう教育しますが、単に医師国家試験合格だけを目指すのではなく、国家試験をものともしない、知性と教養と感性溢れる医師・医学者を養成するため、入学者選抜方法として、学力試験のみならず、受験生の感性や医師・医学者となるべき人物・識見・教養を見極めるために、小論文試験・面接試験を課し、また、小中高に至る活動を知る資料の提出により、総合的な判定に基づき、入学者を選抜します。
【6年間の学費】2,080万円
【奨学金情報】
学費減免特待生制度
基礎医学研究者養成奨学金
その他 日本学生支援機構の奨学金
地方公共団体および民間の奨学団体による奨学金制度

順天堂大学医学部の試験科目・募集人数・受験料・出願期間、入試日程・会場アクセス、受験者数・合格者数など詳細情報はこちら

高校3年生の場合は、以下に注力することが重要です。

まずは受験勉強に集中し、医学部入試に必要な科目や範囲を徹底的に理解しましょう。 過去問題や模擬試験を解いて実践力を養い、苦手分野を克服する努力を惜しまないようにしてください。

また志望校の出願要件や受験情報を確認し、必要な書類や面接対策の準備を行います。同時に継続的なボランティア活動や病院見学など医療現場での経験を積み、自身の意志や目的を深めてください。英語力の向上も忘れずに取り組み、英語のリーディング、英作文の練習を行いましょう。

傾向分析

順天堂大学医学部の英語は試験時間80分、長文読解4題と自由英作文1題の計5題で構成されています。大問1はインタビュー形式の英文、大問2〜4は内容一致問題や類義語選択問題が中心です。長文の語彙レベルは標準的ですが、英文量が多いため速読力が求められます。文章の主題を大まかに把握できれば、比較的解答しやすい傾向にあります。

自由英作文では年度差はありますが、与えられたテーマについて200〜250語程度を記述する形式です。出題テーマは「世界を変えるために必要なものは何か」「医学部以外に考えられる進路は何か」など自由度の高いものが多く、自分の考えを論理的かつ明確に表現する力が試されます。

受験対策・勉強法

英語は配点が高く、重要科目と位置付けて対策を進める必要があります。まず時間内に長文を読み終える速読力を養うことが不可欠です。過去問演習を繰り返し、速読と精読を使い分ける感覚を身に付けましょう。また語句関係の問題も多く、語彙力を強化し文脈から単語の意味を推測する練習も重要です。

自由英作文は、抽象的なテーマについて論理的に記述するトレーニングがおすすめです。日頃からさまざまな社会問題に関心を持ち、自分の考えをまとめる練習をするのはもちろん、作成した英作文を第三者に添削依頼し客観的に評価してもらいましょう。

傾向分析

順天堂大学医学部の数学は、試験時間70分で大問3題が基本構成となっています。大問1は小問集合であることが多く、誘導形式の問題が頻出です。そのため問題文の流れに沿って論理的に解き進める力が求められます。また証明問題や論証問題も出題されやすい傾向にあります。

出題分野は、数Ⅲの微分・積分、複素数平面、数列、確率、ベクトルなどが中心です。難易度は標準〜やや難とされ、典型的な問題に加えて見慣れない設定や高度な思考力を要する問題も含まれます。全体としては試験時間に比して問題量が多く、時間的な余裕はほとんどありません。

受験対策・勉強法

数学対策の基本は、過去問演習を通じて誘導形式の問題に慣れることです。順天堂大学医学部の数学は試験時間に対して分量が多く、時間的に非常にタイトなため、解ける問題から優先的に処理していく戦略が重要となります。日頃から制限時間を意識して問題を解き、計算のスピードと正確性を高めるトレーニングを積みましょう。

基礎力を確実に固めると同時に、解答の取捨選択や時間配分の工夫が合否を分けるポイントとなります。まずは教科書レベルの解法を確実にマスターし、徐々に難易度の高い問題集や応用問題に取り組むと効果的です。

傾向分析

理科は2科目選択で試験時間は120分、大問は2題で構成されています。マーク式と記述式の併用で、前半がマーク式の小問集合、後半が記述式の問題というのが特徴的です。出題範囲は理論・無機・有機の全分野から偏りなく出題されますが特に理論化学が多い傾向となっています。

試験時間に対して問題量や計算量が多く、全問を解くのは難しいとされています。全体的な難易度は易化傾向から近年は「やや難」と評価されており、分かる問題から取り組むのが重要です。

受験対策・勉強法

まずは教科書レベルの基礎知識を徹底的に固めることがポイントです。専門用語や化学式、公式などを正確に覚え、標準的な問題は確実に解けるようにしましょう。特に現役生は手薄になりがちな高校3年生の範囲を早めに終わらせることが推奨されます。

その上で、過去問演習に取り組み、時間配分の感覚を養います。スピーディーな解答が求められるため、難問に時間をかけすぎず解ける問題から確実に得点を取るのが合格の鍵です。思考力を問う問題に慣れる方法として、共通テストの過去問を解くのも有効な対策となります。

傾向分析

理科は2科目選択で試験時間は120分です。物理の大問は例年、マーク形式の大問1と記述形式の大問2で構成されています。大問1は小問集合の形式で設問数が多く、見慣れない設定の問題が出題されるケースもあり物理現象を深く理解しているかが問われます。

問題の内容は全範囲ですが、頻出分野は電磁気や力学です。全体としては「やや難」レベルですが、問題の設定が複雑でも誘導が丁寧な場合もあり、その流れに乗れるかがポイントです。

受験対策・勉強法

重要なのは、解ける問題を確実に見極め優先的に解くことです。物理も時間内に終わらせるのが難しく、一つの問題に固執せず全体を俯瞰して時間配分を考える戦略が不可欠です。

まずは標準的な問題を素早く解けるだけの盤石な基礎力を養い、難易度の高い問題にも対応できるよう応用的な問題集や過去問で演習を積みましょう。見慣れない設定の問題対策には、物理法則の基本に立ち返って思考する練習がおすすめです。化学と同様に、共通テストの過去問も基礎知識の確認に役立ちます。

傾向分析

理科2科目の選択の一つで試験時間は120分です。大問構成はマーク式3題、記述式1題の実質4題構成が定着しており、マーク式は空所補充問題が多く文脈を正確に読み取る必要があります。全体的な難易度は「やや難」レベルとされていますが、記述式はリード文が丁寧でヒントも含まれているため、比較的取り組みやすい傾向にあるのが特徴です。

遺伝分野の問題は計算力や考察力が求められ、また教科書の範囲を逸脱しないものの、かなり詳細な知識が問われる問題もあります。

受験対策・勉強法

やや易しいレベルや標準レベルの問題が出題されることが多い大問1では、できるだけ取りこぼしをしないようにしましょう。例えばたんぱく質の名前や図表をはじめとした細かい知識も含め、しっかりインプットして整理しておくことが大切です。

先述したように、順天堂大学医学部の生物ではさまざまな分野からまんべんなく出題されるため、苦手分野をなくしておきます。夏には一度過去問を解いて、出題傾向や問題の癖を分析してみましょう。

傾向分析

小論文は試験時間が70分、字数は800字以内です。最大の特徴は、写真や絵画などの視覚資料を見て考察し論述するという独特の出題形式です。

2024年は「人種統合教育」の写真からメッセージを読み取る問題、2023年は特攻隊員の写真を見て家族への手紙を書く問題が出題されています。テーマはその年によって異なりますが、倫理観や人間性、社会問題への関心を問う内容が多いです。近年は単に感想を述べるだけでなく、複数の設問要求が加えられる傾向があります。

受験対策・勉強法

小論文対策には特有の訓練が必要です。まずは過去問を確認し、どのような資料が出題されるのかを把握しましょう。

書く前に資料の情報を客観的に分析し、社会背景を考慮して問題を設定します。その上で自分の考え方や解決策を提示するというステップを踏む練習がおすすめです。日頃からニュースなどに触れ、自分の意見をまとめる習慣を付けておきます。また小論文の内容は面接でも質問されるケースも多く、書いたこと、伝えたいことを説明できるように準備しておきましょう。

傾向分析

受験対策・勉強法

順天堂大学医学部は、2024年度の偏差値が72とされ、医学部の中でもトップ10に入る難関私立大学の一つです。合格最低点は例年、得点率65％前後で推移しており、目標得点率はおおよそ60～80％が目安となります。

入試の大きな特徴として、英語の配点が高く合否に直結する最重要科目である点が挙げられます。特に700～1200語程度の長文読解力を強化し、自由英作文での表現力を高めることが重要です。

数学や理科は標準レベルの問題が中心ですが、いずれの科目も試験時間に対して問題量が多く、迅速かつ正確な処理能力が求められます。基礎をしっかり固めた後、速読力や計算力を鍛え、問題を取捨選択する判断力や時間管理能力を養う戦略を立てるのが合格への鍵となるでしょう。

順天堂大学医学部の出願や受験に関する詳細な情報、日程などについてはこちらのページからご覧ください。

＞＞【2025年】順天堂大学医学部の解答速報・過去問解答

順天堂大学医学部は、早期からチーム医療を意識した人間形成を重視しており、基礎医学と臨床医学を段階的に学ぶカリキュラムが整えられています。5・6年次には順天堂大学医学部附属の6病院を中心に、幅広い診療科で実践的な経験を積めるのが大きな特徴です。特に東京の大規模病院群を活かした実習環境は、症例の多様性やチーム医療の現場を学ぶ貴重な機会となっています。

6年間の学費が私立医学部の中では比較的安価で、また東京都心の交通至便な立地であるなどの理由で高い人気を集めています。

順天堂大学医学部は、慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学と並び「私立医大四天王」と称される名門校です。全国的にも難関校の一つであり、2025年度の一般選抜A方式では、受験者数2,039人に対し合格者数は169人でした。近年は人気の上昇とともに倍率なども上昇傾向にあります。

東京都心という立地から、東京大学や東京科学大学といった国内トップクラスの国公立大学を第一志望とする優秀な受験生が併願校として選択する傾向にあり、激しい競争となります。

順天堂大学医学部の合格を勝ち取るには、各科目の傾向を踏まえた上で自分に合った学習計画を立てることが不可欠です。まず自分の現在の学力、特に得意科目と苦手科目を正確に把握しましょう。

英語が得意な場合は、配点が高いこの科目で確実に高得点を狙う戦略が有効です。一方、数学や理科の場合は、時間配分を意識した過去問演習を繰り返し解き、解答を優先する問題を見極める判断力を養う必要があります。

どの科目も時間的制約が厳しく、基礎知識を固めた上で過去問に取り組み順天堂大学特有の問題形式とスピード感に慣れることが共通の鍵となります。自分の強みと弱みを分析し、合格最低点である65%前後、目標70%を超えるよう最適な得点戦略を組み立てていきましょう。

順天堂大学医学部は私立医学部の中でも難易度が高く、自分の理解度を正しく把握した上で戦略を立てることが必要です。医学部予備校メビオでは大学別の模擬試験を行っています。ぜひ受験勉強の道しるべとしてください。

順天堂大学医学部は私立医学部の中でも難易度が高く、自分の理解度を正しく把握したうえで戦略をたてることが必要です。医学部予備校メビオでは大学別の模擬試験を行っています。ぜひ、受験勉強の道しるべとしてください。

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