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医学部入試の英文について

医学部入試の英文について

入試

メビオ講師コラム

2021/01/04(月)

医学部入試の英文について

 医学部の入学試験に出題される英文と言えば、どんなものを想像されるでしょうか。
やはり医学部だけに医学に関する英文が多いと想像される方も多いでしょう。
それでは西日本の主要な私立大学医学部における2020年度の英語長文の出題内容を見てみましょう

関西医科大学
前期
「世界の国々の幸福度」
「健康であるための方法」
「POTS(体位性頻脈症候群)患者が語る定期健診の重要性」
後期
「ヘリコプターペアレントと子供の成長」
「電気刺激を用いたADHD(注意欠陥多動性障害)の新しい治療法」
「CBT(認知行動療法)について」
近畿大学医学部
前期
「ネズミの嗅覚再生」
「AIの持ちうる認知能力」
後期
「危機に瀕する牡蛎礁」
「磁極の変動とオーロラの関係」 
兵庫医科大学
A日程
「医師と患者間での治療と回復についての認識の違い」
「アルツハイマー型認知症を患った祖父を持つ医師の回想録」
「病院での握手を禁じる試み」
「ジップラインのドローンによる医療物資配送」
大阪医科大学
前期
「正しい数字の評価に基づく医療資源の適正配分」
「使用言語と情報格差」
後期
「複雑化する現代に適応できない公平感」
「人類による野生動物の絶滅」
川崎医科大学

「長時間座ることが健康に及ぼす影響」
「チェックボックスの意義」

福岡大学医学部

「昆虫への生得的忌避感と例外としてのミツバチ」

久留米大学医学部
前期
「機械学習を用いた脳震盪からの回復に要する時間の予測」
「代謝酵素の立体構造の解明」
後期

「音楽を聴く人々における脳波の研究」
「肺がん診断AIについて」

 

 近畿大学医学部では医学含め理系分野に関して幅広いジャンルの文章が出題されてきており、川崎医科大学の大問4に関しては文系理系問わずあらゆるジャンルの文章が出題されてきました。
2020年度の福岡大学医学部の長文では生物学に関する文章で、2019年度は映画で使われたセットについての文章であり医学系長文ではありませんでしたが、福岡大学医学部以外のどの大学でも内容の差こそはあれ、少なくとも一題は医学に関する文章が出題されていると言っても良いでしょう
「医学に関する文章」と言っても様々で、健康を保つための秘訣に関する文章、感染症などの病気を説明する文章、医者の心構えに関する文章、医療従事者のエッセイ、最新の実験や研究を報告する文章など多岐にわたります。

医学系の長文の共通点

 私立医学部で出題される医学系の長文に関して、以下のような出題傾向の共通点があります。

  1. 出典となる文章がネットに掲載されている記事であることが多い。
  2. その記事は入試が実施された年の前年のものである(つまり最新の情報である)ケースも多い。
  3. その記事は何も加工されずそのまま使用されるケースが多い。

 つまり、私立医学部を志す皆さんが対峙していく英文は、皆さんの持っている各種情報端末でも閲覧が可能な情報の英文であり、新しい情報の英文であり、入試用に加工されていない生の英文なのです
入学後に皆さんは英語の文献や論文などを沢山読んでいかねばならず、私立医学部の長文対策(特に医学系)はそのための準備段階と捉えて取り組んで頂ければ良いと思います。

 医学系の長文は確かにとっつきにくいように見えますが、その文章に出てくる用語を覚える作業をきちんと続けて、接触回数を増やしていけば他のジャンルの文章よりも実は対策が容易になります。
例えば、先述した「感染症などの病気を説明する文章」に関しては、「感染源と発生原因」「感染経路」「感染した際の症状」など、慣れてきさえすればこの先どういう文章の流れになるか容易に想像がつくのです。
あと、これはあくまで「英語」の出題です。
基本的には医学の知識がなくとも英語の知識があれば合格点が取れるように設計されているものなのです。
医学部に入ってから得られるような特別な知識は必要なく、入試問題で出される語彙を地道に抑えて、読解と文法の足腰をしっかり付ければ誰にでも出来ます。
気負う必要は全くありません。

2021年度の入試に関して

 さて、出題傾向の共通点を見てもわかりますように、2021度の入試に関して最も警戒しておくべき話題は新型コロナウイルスについてであると思われます。
さすがに入試問題がその話題一辺倒になるとは思えませんが、SARSなどの過去の呼吸器の感染症についての文章や、現在の新型コロナウイルスについての記事にもある程度目を通しておいた方がよいでしょう。
また、COVID-19の陰には隠れていますが2019年から2020年に警戒すべき感染症としてはRSウイルス感染症、溶連菌感染症、風疹、感染性胃腸炎などがあります。
各感染症についての情報も見ておきましょう。
受験勉強の合間にお手持ちの情報端末で医学や生物学についてどんな話題があるか見ても良いと思います。

 地道さと真面目さと人並みの論理的思考さえあれば、受験英語は必ず自分の得意分野になります。
どんなジャンルの文章が出題されるか読めない国公立と比べたら、私立医学部は遥かに対策がしやすいのです。
​共々に切磋琢磨しましょう。

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