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医学部はなぜ人気?受験者数や合格者数、定員推移のほか、人気の理由も解説!

トレンド

2023/04/11(火)

(最終更新日2023/04/11)

近年医学部の人気が非常に高まっており、なかでも私立大学の競争率は非常に高くなっています。なぜこれほどまでに医学部人気が高まっているのでしょうか。医学部進学を考えているなら、まずは医学部受験の現状を知っておくことが大切です。この記事では、医学部の受験者数や合格者数、合格倍率、定員推移、医学部が人気の理由などを紹介します。

医学部の受験者数と合格者数は?

文部科学省が発表した「令和3年度の医学部(医学科)の入学者選抜における男女別合格率について」という資料によると、2022年度における全国の医学部の受験者数は男女合計で10万5,680人でした。合格者数は1万4,301人、入学者は9,122人という結果になりました。

合格率は13.55%と7.3人に一人しか合格できない非常に狭き門だったことが分かります。男女別では、男性の受験者が6万2,325人、合格者が8,421人で合格率は13.51%、女性の受験者が4万3,243人、合格者が5,880人で合格率は13.60%と、合格率に性差はほとんどありませんでした。

受験者は国立が300~400人、私立は7,000人超も

上記の資料をもとに、国立大学と私立大学それぞれで特に受験者数が多い大学を紹介します。

国立大学

  • 岐阜大学 500人
  • 広島大学 499人 
  • 愛媛大学 456人
  • 高知大学 450人
  • 島根大学 442人

国立大学は、大半の大学で受験者数が300人を超えており、400人を超える大学も少なくありません。最も受験者数が多かった岐阜大学では500人にのぼりました。

公立大学の受験者数はほとんどの大学が200人台でしたが、最も多かった奈良県立医科大学は606人、次に多い福島県立医科大学は456人でした。

私立大学

  • 帝京大学 7,144人
  • 昭和大学 4,428人
  • 埼玉医科大学 3,769人
  • 金沢医科大学 3.658人
  • 東海大学 3.641人

私立大学の受験者数は国公立大学と比べて格段に多く、多くの大学で1,000人を超えました。

私立の中には合格率一桁の大学も

  • 帝京大学 2.87%
  • 東海大学 5.90%
  • 埼玉医科大学 6.16%
  • 日本医科大学 6.54%
  • 昭和大学 6.87%

国公立大学の合格率は20~40%台に収まっているのに対し、私立大学の合格率は1桁台にとどまるところが少なくありません。私立大学31校のなかで合格率が10%に満たない大学は14校と、約半数にのぼりました。反対に、私立大学で合格率が20%を超えた大学は東京女子医科大学、北里大学、東北医科薬科大学の3校だけです。

医学部の合格率を引き下げているのは、私立大学の合格率が国公立大学と比べて軒並み低くなっていることが影響しています。かつては、医学部といえども私立大学は難易度が低く、合格しやすいイメージがありました。しかし、近年では状況が変わっており、私立大学医学部の難易度はかなり高くなり、合格しづらくなっています。

医学部の志願者の推移は?

2000~2020年の医学部志願者の推移を、医学部進学予備校「メビオ」が提供するデータをもとに見てみましょう。

国公立大学の志願者数は、20年間を通じてさほど大きな変化は見られません。年度ごとに多少の増減はあるものの、ほぼ横ばいの状態が継続しています。一方、私立大学では過去20年間に大きな変化が見られます。

医学部の志願者数は、2005年に国公立・私立の合計で10万人を超えました。私立大学ではその後も志願者数が増え続け、2014年には私立大学だけで10万人を超える勢いとなりました。そして、その状態は2020年まで続き、私立大学医学部の志願者は高止まりの状態です。

増加傾向の医学部定員

※出典:文部科学省「令和5年度 医学部入学定員増について」
https://www.mext.go.jp/content/20221017-mxt_koutou02-000025506-02.pdf
(2022年10月17日)

1973年に「無医大県解消構想」が閣議で唱えられたのをきっかけとして、医学部の定員は増加し続け、1981年には8,280人とピークを迎えました。その結果、医師が余る状況となり、医学部の合理化や整理も含めて定員を削減する方針に転換します。

その結果、2000年代半ばには過去の歴史上最も少ない水準まで定員が削減されました。ところが、高齢化社会を迎えるにあたって今度は医師不足の状況となったことから、2008年以降は医学部定員を増やすよう閣議決定が出されました。

翌2009年には、かつてのピークであった8,280人を軽く超える8,486人となり、以降は段階的に人数が増加しています。そして、2017年に医学部定員は9,420人と最も多くなり、2020年にやや減少したものの微増し、執筆時点(2023年3月)まで9,300人台という高止まりの状況が継続している状況です。

医学部人気の理由とは?

医学部の定員は増加傾向にあるものの、志願者数も増加しています。なかでも私立大学の志願者数はこの20年間で大幅に増加し、依然高止まりの傾向が継続中です。定員増加以上に志願者数の増加が顕著なため、特に私立大学の競争率は軒並み高くなっており、合格を手にするには非常に狭き門をくぐり抜けなければなりません。

医学部の受験生はなぜこれほどまで増加しているのでしょうか。ここからは、医学部が人気の理由を探っていきます。

安定した職業

日本は高齢化社会が今後ますます進んでいくため、医師不足が顕著です。政府も地域医療の拡充をめざしており、社会的な需要は今後も続いていくでしょう。

医師は専門的な知識や技術を必要とし、誰でもがなれる職業ではなく限られた条件を満たした人のみがなれる職業です。そのため他の職業と比べて高所得が約束されており、安定した生活を送ることができることも、人気の理由の一つといえるでしょう。

私立大学の学費値下げ

私立大学医学部における6年間の学費は2,000~3,000万円程度、高いところに至っては4,000万円を超えることも少なくありません。この金額は国公立大学の学費と比べた場合はもちろん、私立大学の他学部の学費と比べても、かなり高額です。

一般のサラリーマン家庭では学費を工面することが難しく、私立大学医学部を志望できるのは一部の裕福な家庭に限られていました。ところが私立大学医学部のなかには、優秀な学生を確保するために学費を値下げするところも出てきています。これまで学費の面から私立大学医学部の受験をあきらめざるを得なかった人にも、門戸が開かれるようになったことも、医学部人気に火をつけました。

地域枠の充実

これまで自治医科大学や防衛医科大学には、卒業後に一定の条件を満たすことを条件として学費が免除になる制度が設けられていました。この制度に類似した地域枠という制度を設ける大学が増えており、79大学中71大学(90%)に及んでいる状況です。

地域枠は実質的な学費の負担が少なくなるので、家計の負担を減らして医学部に進学できます。その結果、高額な学費がネックで医学部進学をあきらめざるを得なかった人にも門戸が広がりました。また、地域枠は一般選抜とは別枠で入試が行われ、一般選抜と比べて競争率が低いため、医学部を目指しやすくなっています。

新型コロナウイルスの影響

2020年からの新型コロナウイルスによって経済は打撃を受け、景気の先行きが見えない状況が続いています。緊急事態宣言が何度も出され、医療現場のひっ迫や感染症に立ち向かう医療従事者の姿などがメディアで報道され続けました。

コロナ禍による学生の就職難も継続しており、このような状況下においては、職業に直結する資格を取っておくことが大切だと考える人が増加しています。このことが理系人気、医学部人気につながっているといっても過言ではないでしょう。

女性医師も働きやすい

女性医師は増加傾向にあり、2016年には全医師に占める女性医師の割合は21.1%、医学部入学者の約3分の1を占めていました。それに伴って、女性医師が働きやすい職場環境整備も進んできています。

院内保育、夜間保育、病児保育をおこなう病院数は増加傾向です。育児休業を取得している人は約6割で、93%の人が1年以内に復職しました。子どもがいる女性医師は、男性医師や子どもがいない女性医師と比べて40代までは勤務時間が1週間あたり20時間短い傾向があり、育児と仕事のバランスを見ながら勤務している人が多いことがわかります。

※出典:厚生労働省医政局医事課|厚生労働省が取り組む女性医師等勤務環境改善
https://www.ajmc.jp/pdf/jyoseiishi_20181102-5.pdf

歯学部・薬学部の人気が低下したため

同じ医療系の歯学部や薬学部の人気が低下して受験生が減少したことにより、医学部の人気が高まり受験生が流れている背景もあります。薬学部は2006年から6年制となったため、進学を希望する人が減少しました。

また、歯学部離れは首都圏を中心として歯科医師が多くなりすぎている状況から、受験を控える人も出てきています。

医学部の定員増加

019年のOECDのデータによれば、人口1000人あたりの医師の数は平均で3.5人であるのに対し、日本は2.4人にとどまっています。また、2.4人という人数はOECDの中でも少ないほうから数えて3番目です。

高齢化社会を迎えたことで今後ますます医師不足になることは目に見えており、社会的需要も高まっています。そのため、国策によって医学部の定員増加が図られました。定員が増加したことに伴い、医学部の志願者も連動して増加している状況です。

医学部人気は今後も続きそう

国公立大学はもちろん、かつては国公立大学よりは難易度が低いといわれていた私立大学も、医学部人気の高まりを受けて競争が激化しています。志望校の合格を勝ち取るためには、非常に狭き門をくぐりぬけなければなりません。そのためには志望校に合わせて効率良く受験準備を進めていく必要があります。

国公立大学であれば幅広い科目を網羅することが必要ですし、私立大学であれば大学ごとの入試傾向に沿った対策を行わなければなりません。医学部受験に特化した予備校「メビオ」では、1クラス10人以下の少人数クラスで、プロの専属講師が長年の経験から培ったメソッドで徹底指導しています。人気の医学部受験を制するためにも、ぜひ利用を検討されてはいかがでしょうか。

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