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【2026年度入試】医学部 推薦入試(学校推薦型・総合型)を徹底解説!

コラム

2025/08/08(金)

(最終更新日2025/11/18)

はじめに:医学部入試の新たな選択肢「推薦入試」

医学部への道は、もはや一般選抜だけではありません。近年、学校推薦型選抜や総合型選抜といった、いわゆる「推薦入試」の重要性が増しています。これらは年内に合否が決まることが多いため「年内入試」とも呼ばれ、医学部受験における新たな選択肢として注目されています。

しかし、この道は決して一般選抜より「楽な道」ではありません。高い学力が求められるのはもちろんですが、それに加えて学力試験とは異なる能力も問われるため、早期からの情報収集と入念な準備が合格の鍵となります。

  • 学校推薦型選抜:出身高校長の推薦が必須です。大学が定める評定平均などの基準を満たす必要があります。
  • 総合型選抜:高校長の推薦は必須ではなく、受験生自身の意志で出願できます。大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)との合致度が重視されます。

どちらの方式を選ぶかは、各大学の募集要項を詳細に確認し、自身の状況と照らし合わせて判断することが重要です。

なぜ今、医学部で推薦入試が増えているのか?

医学部入試において推薦入試の重要性は年々高まっています。この背景には、大学側の思惑と社会的な要請という、二つの大きな理由があります。

大学側の視点:多様な学生の確保と「良医の資質」の探求

大学が推薦入試を拡充する理由の一つは、早い時期に優秀な学生を確保したいという思惑です。また、文部科学省が学力だけでなく、調査書や本人が記載する資料などを活用した多面的・総合的な評価を推進していることも、この動きを後押ししています。

こうした流れの中で、現代の大学はペーパーテストの点数だけでは測れない「良医の資質」を重視しています。知識や技術はもちろん、患者や他の医療スタッフと良好な関係を築くコミュニケーション能力や倫理観、生涯学び続ける探究心は、これからの医師に不可欠な能力です。

推薦入試は、面接や小論文などを通じて受験生の個性や意欲を多角的に評価できるため、大学側は自校の理念に合った、入学後も成長が期待できる学生を確保したいと考えています。また、一般選抜だけでは出会えないような、多様な個性や背景を持つ学生に門戸を開き、より広い層から人材を発掘しようとする動きもあります。

社会・国の視点:地域医療を支える人材の育成

推薦入試増加のもう一つの大きな理由は、日本の医療が抱える「医師の地域偏在」という課題です。地方の医師不足を解消するため、国や大学は卒業後に特定の地域で勤務することを条件とする「地域枠」の設置を推進しています。

特に国公立大学ではこの傾向が強く、地域医療への貢献意欲が高い学生を早期に確保するための重要な手段となっています。

メリットと注意点 - 推薦入試を正しく理解する

推薦入試は大きなチャンスですが、その特性を理解しておくことが重要です。
メリット 注意点
早期合格の可能性:年内に合格が決まれば、精神的・時間的負担が軽減されます。 専願制の制約:合格した場合、入学が義務付けられる「専願制」が多く、他大学への挑戦権を失うリスクがあります。
受験機会の増加:一般選抜とは別に、合格のチャンスを増やせます。 厳しい出願資格:高い評定平均や現役・1浪までといった年齢制限、出身地が限定されている場合もあります。
人物評価の重視:学力以外の強み(コミュニケーション能力、活動実績など)をアピールできます。 義務年限制度:地域枠で入学した場合、卒業後に一定期間(例:9年間)指定された地域で勤務する義務年限が課されることがあります。
  対策の両立:小論文・面接対策と一般選抜の勉強の両立が必要で、時間管理が重要になります。

推薦入試の倍率が一般選抜より低いことがありますが、一概に「合格しやすい」とは言えません。出願資格によって受験生が絞られるため、質の高い競争になることもあります。一方で、年齢や出身地などの条件を満たす受験生にとっては、大きなチャンスとなる可能性も秘めています。

チャンスを最大化する「併願」という選択肢

医学部の推薦入試は「専願制」が基本ですが、一部の大学では他大学との「併願」を認めています。年内に合格の可能性を確保しつつ、本命の一般選抜に挑戦できるため、これらの併願可能な枠は人気が集中しやすく、一般選抜以上の厳しい競争になります。

併願可能な学校推薦型選抜・総合型選抜の例

  • 近畿大学:医学部の学校推薦型選抜(一般公募)は併願が可能です。
  • 藤田医科大学:「ふじた未来入試」(総合型選抜)は、国公立大学との併願を認めています。

この他にも併願可能な大学はいくつかあります。どの大学が併願可能か、また自分が出願資格を満たしているかなどを把握するためには、正確な情報収集が欠かせません。

一般選抜とは違う「評価軸」を知る

推薦入試では、学力試験だけでは測れない能力を評価するため、独自の試験が課されることがあります。

MMI(マルチプル・ミニ・インタビュー)

MMIは、複数の短い面接を連続して行う形式の試験です。受験生はいくつかの面接室を順番に回り、それぞれで異なる課題に取り組むことで、倫理観や状況判断力などを多角的に評価します。推薦・総合型選抜でも導入が進んでいます。

  • 藤田医科大学:「ふじた未来入試」などでMMIを導入。与えられた課題について、自身の考えを述べるという方法がとられています。
  • 東邦大学:推薦入試(地域枠)や総合入試でMMIを実施。面接官との対話形式で進められるとされています。

プレゼンテーション試験

与えられたテーマについて情報を整理し、聞き手に分かりやすく伝える能力が評価されます。

  • 兵庫医科大学:総合型選抜で実施。「一般枠・卒業生子女枠」では「数理的課題」について、「エキスパート養成入試」では「志望する診療科」について発表するなど、枠によってテーマが異なります。
  • 獨協医科大学:総合型選抜で実施。「私の過去・現在・未来」というテーマで、事前に作成した資料を用いて発表します。
  • 東京大学:学校推薦型選抜で実施。ポスター形式で「高校時代の科学活動と大学入学後の抱負」について発表します。

国公立大学の推薦入試の特徴

国公立大学の推薦入試は、私立大学とは異なる特徴があります。

  • 高い評定平均:出願条件として「評定平均4.3以上」など、非常に高い学業成績が求められることがほとんどです。
  • 地域枠中心:定員の多くが、卒業後の地域医療への従事を条件とする「地域枠」で占められています。
  • 共通テスト必須:ほぼ全ての大学で大学入学共通テストの受験と高得点が要求されます。
  • 専願・年齢制限:併願はほぼ認められず、現役生や1浪生までを対象とすることが多いです。

複雑化する推薦入試、どう対策すれば?

ここまで見てきたように、医学部の推薦入試は大学によって制度が大きく異なり、年々複雑化しています。一般選抜とは異なる対策が必要なだけでなく、併願戦略を含めた緻密な情報収集が合否を分けます。

しかし、多岐にわたる情報を一人で収集し、MMIやプレゼンテーションといった特殊な試験に独力で対策するのは容易ではありません。

メビオの最強講師陣が合格に導く特別講座

年々複雑化する医学部の推薦入試(推薦型選抜・総合型選抜)。その全体像を掴み、合格戦略を立てるには、正確な情報と、それに基づく戦略が不可欠です。

医学部進学予備校メビオは、これらの推薦型選抜や総合型選抜においても長年にわたり多数の合格者を輩出してきました。そのため、実際に受験してきた人たちからの聞き取り情報が数多くあります。これらの情報を用いて、医学部入試に精通した講師が、これから推薦型選抜や総合型選抜を受験するみなさんのための講座を開講します。

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まとめ

医学部の推薦入試は、学力だけでなく、医師としての適性や目的意識も評価されます。面接や書類では「なぜ医師になりたいのか」を明確に伝える準備が大切です。

明確なビジョンと正しい準備があれば、推薦入試は夢を実現するための有力な選択肢となります。専門的なサポートも活用しながら、未来の医療を担う扉を開いてください。

著者:医学部進学予備校メビオ講師

長年にわたり、医学部を志望する生徒を指導。一般選抜はもちろん、複雑化する推薦・総合型選抜の対策にも精通。メビオ独自のオリジナルテキストと指導法で、数多くの受験生を合格へと導いている。

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