【講師監修】名古屋大学の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ
基本情報
2025/04/11(金)
(最終更新日2025/05/09)
「名大」の愛称で親しまれる名古屋大学は、東海地方最難関の国立大学です。本記事では、名古屋大学の入試傾向と対策について解説します。科目別の対策や勉強法、また受験生が気になる疑問点も解消していくのでぜひ参考にしてください。
目次
1.名古屋大学の概要
2.名古屋大学の入試情報
3.名古屋大学合格に向けたロードマップ
3-1.高1生
3-2.高2生
3-3.高3生・高卒生
4.名古屋大学の科目別受験対策・勉強法
4-1.数学
4-2.英語
4-3.物理
4-4.化学
4-5.生物
4-6.国語
5.名古屋大学の受験ついてよくある質問
5-1.名古屋大学の特徴は?
5-2.名古屋大学の難易度はどれくらい?
5-3.名古屋大学の受験対策や勉強法はどうすればいい?
6.名古屋大学の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
名古屋大学の概要
名古屋大学は日本最古の医学部ともいわれ、長い歴史と高い教育水準で知られています。起源は1871年に遡り、名古屋藩種痘所の伊藤圭介ら先駆者たちの提案を受け入れて、西洋医学の担い手を育成することを目的に、仮病院と仮学校を設立したことが始まりとされています。その後、名古屋医科大学、名古屋帝国大学医学部などを経て、1949年に新制名古屋大学医学部が再編しています。
2020年には岐阜大学と名古屋大学が統合し、東海国立大学機構となり連携が行われています。
名古屋大学医学部は、基礎医学から臨床医学まで幅広い分野を網羅し、高度な医療技術と研究能力を持つ医師・研究者の育成を提唱しています。現在も、最先端医療の研究や地域医療へ貢献する取り組みなど、医療現場に即した実践的な学びが提供されています。
名古屋大学の入試情報
【所在地】〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65番地
【学生数】1572名 ※2024/04/01現在
【公式サイト】https://www.med.nagoya-u.ac.jp/
【アドミッション・ポリシー】
豊かな人間性、高い倫理性、科学的論理性を備え、創造力に富む医師・医学研究者へと成長するために必要な能力と資質を備えた学生を求めています。そのために、幅広い教養及び十分な基礎学力のみならず、知的好奇心や科学的探究心をもって新たな分野を開拓するような意欲を持ち、物事を多面的に捉え深い洞察力を持って発展させることができる思考力を有し、人間に対する共感や高い協調性といった医学に携わる者としての適性を兼ねそなえた入学者を選抜します。
【6年間の学費】349万6,800円
【奨学金情報】
奨学金は日本学生支援機構、地方自治体・民間財団等によるもののほかに、海外留学する学生に向けて名古屋大学基金という名古屋大学独自の奨学金制度があります。これは、成績優秀者に対して海外留学における往復の渡航費を支給する制度です(上限あり)。
また奨学金とは少し違いますが、海外留学に向けた名古屋大学留学積立金制度があります。毎月1万円を積み立て、留学資金を計画的に準備するもので、留学費用が不足する場合は範囲内の金額を無利子で借りられます。
名古屋大学の詳細情報はこちらを参考にしてください。
名古屋大学合格に向けたロードマップ
名古屋大学の入試は難易度が高いため、合格を勝ち取るためには早めの目標設定が必要です。ここでは、学年別に名古屋大学合格に向けた対策を解説します。
高1生
高校1年生は、まず基礎学力の向上を目指しましょう。受験を意識するには早い段階ですが、英語・数学・国語・理科といった主要な科目を中心に、授業をしっかりと理解しておき、高2生以降の本格的な受験勉強を始める前の基礎固めをしておくことが大切です。
また名古屋大学の入試科目や配点、難易度などを把握し、今後の学習計画を考えます。早い段階から受験を見据え、部活動や日常生活と両立させながら、学習習慣を身に付けていきましょう。
高2生
高2生になると、医学部受験を意識した本格的な学習が求められます。特に理科(物理、化学、生物)を中心に重点的に学習を進め、基礎から応用へと進みましょう。
名古屋大学の入試では共通テストの結果に加え、個別学力検査(二次試験)の結果が重視されます。共通テスト対策と二次試験対策をバランスよく進めるため、過去問などに目を通して苦手な科目を早期に発見、克服する必要があります。
また模試を積極的に受けて実力を測り、目標に対する進捗を確認しておきましょう。
高3生・高卒生
高3生・高卒生の段階では名古屋大学の入試形式や傾向に特化した対策を行い、効率的な学習が求められます。なるべく多くの過去問を解き、時間配分や問題の解き方を意識しながら、実戦力を養っていきましょう。
また面接対策も忘れずに行う必要があります。名古屋大学の面接では志望動機や自己PR、大学で学びたい分野などを聞かれます。医師になりたい目的や目標などを明確にしておきましょう。
名古屋大学の科目別受験対策・勉強法
ここでは、名古屋大学の主要科目である数学、英語、理科(物理、化学、生物)、国語の傾向と対策を解説します。
数学
傾向分析
名古屋大学の数学は例年記述式で出題され、論理的な思考力や記述力が求められます。問題の難易度は国公立大学の中でもやや高めですが、医学部の受験では確実に得点することが大切です。
出題範囲は確率、図形と方程式、微分法・積分法などが頻出分野とされています。制限時間は105分で4題程度の出題となるケースが多く、一問一問の配点が高いため、各問題を正確かつ迅速に解答することが大切です。
単なる暗記ではなく、問題を理解し自分で解法を組み立てる思考力、図形での表現を含めた論述力が求められるでしょう。
受験対策・勉強法
数学はまず基礎固めが重要です。教科書レベルの問題を確実に解けるようにした上で、標準的な問題集を活用して応用力を養います。
名古屋大学の数学問題は論述力が求められるため、過去問演習を重視して解答を丁寧に書く練習を行いましょう。特に記述の流れや論理展開が明確になるように意識すると、減点を防げます。
過去問を解く際は時間配分や解法テクニックを意識し、本番と同じ形式で模試を受けて得点を獲得する戦略立案が大切です。数学の出題範囲は幅広いため、苦手分野があれば集中的に対策しましょう。
英語
傾向分析
英語は長文読解と英作文が中心となっており、高度な読解力と論理的な英作文の力が問われます。試験時間は105分で大問は4題です。長文問題は内容一致問題や要約問題が含まれるため、英文の要旨を素早く把握するスキルが必要となります。
英作文は自由英作文の形式で出題されるケースが多く、資料をもとに情報を読み取って説明します。そのため自分の意見を論理的に展開する力が求められ、単語の知識や語彙力が試されます。
受験対策・勉強法
英語の勉強法としては、長文読解と英作文の取り組みが必要です。長文読解の対策として、まずは単語や文法などの基礎力を高め、文章の読解スピードを上げる練習を行うと良いでしょう。
出題される文章は長く、段落ごとに理解し自分の言葉で説明する習慣をつけておくのも効率的です。英作文対策では、テーマごとに自分の意見や考えを英語で書く練習を重ねる方法があります。
実際の試験では、幅広いテーマが出題されます。そのため、過去問だけでなく、ニュースやドラマなども参考にしながら、さまざまなテーマに触れてみると良いでしょう。また文法的な誤りを減らすため、正しい英文を書く練習も大切です。
物理
傾向分析
名古屋大学の物理は力学と電磁気学からの出題が中心ですが、波動や熱力学の出題が見られる年もあります。解答形式は記述式が多く、以前に比べて易化傾向にあるとされているものの、依然として問題の難易度は高いままです。複雑な計算処理能力だけでなく、途中経過を論理的に説明する能力も求められます。
試験は大問3題で制限時間は75分と、それほど余裕はありません。応用問題も多いため、頻出分野の基礎を徹底的に理解し、素早く正確に解答する演習を積んでおくことが重要です。
受験対策・勉強法
基本となる公式をしっかり理解し、教科書レベルの問題を確実に解けるようにした後で、過去問や例題などを活用して応用力を鍛えます。
過去問演習では途中式を丁寧に記述し、論理的な流れを意識すれば減点を防げます。また計算スピードを上げるために、演習を積極的に行い時間内に解き切る力を養いましょう。
特にミスを減らすため、見直しの習慣を身に付けることも必要です。さらに複雑な問題にも対応できるよう多様な応用問題に挑戦し、柔軟な思考力を養うようにしてください。
化学
傾向分析
名古屋大学の化学は大問5題で75分、理論化学・無機化学・有機化学の全分野からバランスよく出題されます。標準的な問題が多く難易度は高くないものの、出題数が多く幅広い知識が求められる傾向にあります。計算問題の比重が高く、特に熱化学・平衡・電気化学などが頻出で、精密な計算力が要求されるでしょう。
有機化学では構造決定の問題が頻繁に出題されるため、構造解析のスキルが必要です。解答は記述式で出題数も多く、化学反応式の正確な記述や論理的な説明が求められるほか、化学の知識を組み合わせて考察する問題も出題される傾向にあります。
受験対策・勉強法
受験対策としては、教科書の内容を十分に理解し基礎を徹底的に固めましょう。その後、問題集などで標準的な問題を繰り返し解きます。出題数なども考慮し、解法パターンを把握してスピーディーかつ正確に解く練習の繰り返しが不可欠です。
有機化学の構造決定問題は頻出パターンを整理し、論理的に考える力を養いましょう。過去問を活用しながら、記述式の解答の書き方を身に付け、減点を防ぐ工夫も重要です。
生物
傾向分析
名古屋大学の生物では、遺伝・代謝・生態学をはじめとする幅広い分野から出題されます。大問が4題で理科2科目、150分で解答します。
記述式の問題が中心で実験考察問題の比率が高い傾向にあり、単なる知識の暗記では対応できません。実験データから導き出せる結論を論理的に考察する必要があります。
近年の傾向としては、分子生物学や遺伝情報に関する出題が増加傾向にあり、これらの分野の知識を深めておくことが重要です。
受験対策・勉強法
名古屋大学受験の生物対策は、教科書を深く理解し、特に遺伝や代謝といった分野を重点的に学習することから始めましょう。これらの分野は、複雑な生命現象を理解する上で基盤となる重要な知識です。
教科書の内容を単に暗記するのではなく、各現象がどのような仕組みで起こるのか、なぜその現象が重要なのかを深く掘り下げて理解しましょう。
記述力も生物で求められる重要な能力です。模範解答を参考にしながら、自分の言葉で答案を作成する練習を行いましょう。どのような構成で解答を書けば採点者に分かりやすく伝わるか、どのような表現を用いれば減点を防げるかを研究し、自分なりの解答パターンを確立しておくのも大切です。
国語
傾向分析
名古屋大学医学部の国語は、現代文、古文、漢文の3分野から出題されています。現代文は漢字の書き取りと読みが10問、130字程度の記述問題が3〜4問という形式が定着しています。
記述問題は現代社会論や歴史論、科学論、芸術論など多様な分野から論説文や評論文が選ばれ、記述式で読解問題、内容説明問題、論述問題などが出題されます。解答には文章の内容を正確に理解する力に加え、自分の考えを論理的に説明する力が必要です。
受験対策・勉強法
まず教科書や参考書を用いて、現代文や古文、漢文それぞれの分野の基礎知識をしっかりと身に付けましょう。現代文ではさまざまなテーマの文章を読み、読解力と論理的思考力を養うことが重要です。
また過去問を使った対策も欠かせません。過去問を解く際は、時間配分や解答形式を意識し、実践的な練習を行いましょう。また過去問を解いた後は必ず自己採点を行い、自分の苦手分野や改善点を見つけ出すことも大切です。
名古屋大学の受験についてよくある質問
名古屋大学を受験するに当たって、受験生からよく寄せられる疑問を解説します。
名古屋大学の特徴は?
名古屋大学は、研究力の高さと実践的な教育が特徴の一つです。ノーベル賞をはじめとする多くの賞を受賞している実績からも分かるように、最先端の研究が行われており学生もその環境の中で学べます。
また学際的な学びが可能で国際交流も盛んであり、海外の大学との連携プログラムが充実している点も魅力で、海外留学の支援体制も整っています。
名古屋大学の難易度はどれくらい?
名古屋大学は全国的に見ても難関大学の一つです。国公立大学の中でも旧帝大に分類される大学であり、他の旧帝大と比べても学部によっては同等、またはそれ以上の難易度となる場合もあります。
特に医学部は非常に高い競争率を誇り、高度な学力が求められます。他の国公立医学部や、私立医学部と比較しても上位の偏差値を維持しており、入試の難易度も非常に高いため十分な対策が必要です。
名古屋大学の受験対策や勉強法はどうすればいい?
名古屋大学の受験対策を進める上で重要なのは、自分の現在の学力を正確に把握することです。何が得意で何が苦手なのかを分析し、それに応じた学習計画を立てる必要があります。
これまで解説してきた各科目の勉強法を参考にしつつ、自分に合ったやり方を取り入れ、効率的に学習を進めましょう。また過去問を活用し、出題傾向を把握しておくと本番での対応力が高まります。試験本番を想定して、時間配分を意識しながら問題を解く練習を積むことも大切です。
名古屋大学の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ
名古屋大学医学部は難易度が高いため、受験対策を万全にするには大学別模試の受験が効果的です。実際の試験形式に沿った模試を受けることで、出題傾向や時間配分に慣れていけます。
医学部進学予備校メビオでは、学力レベルを把握し、モチベーションを維持しながら学力の向上を図ります。当校の「新中1中高一貫模試」や「学力診断テスト」を活用し、最適な学習計画を立てましょう。
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