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2017年度 川崎医科大学 入試の講評

2017年度 川崎医科大学 入試の講評

入試

メビオ講師コラム

2017/01/23(月)

1月22日、川崎医大の入試がありました。志願者数は現地会場での受験番号から見て1583名のようです。
昨年が1564名ですから微増です。数学がかなり難化した分、合格最低点は昨年より下がり230点ほど(450点満点)になるでしょう。

数学
1 複素数を用いて高次方程式の解を議論する問題。典型的な出題ではあるが、議論・計算ともに非常に重い。
2 (1) は典型問題なので取りこぼしたくない。(2) は図形的な考察力が必要だったり整数問題と融合されていたりしているが、厳密な論証よりも手際の良さで差がついてしまいそう。
3 数Ⅲの微積分。オーソドックスな出題であり,ここは満点が欲しいところ。

大問 1,2 がいずれも複素数 という偏った出題。この 2 問は作業に手間がかかる。大問 3 を完答し、大問 1,2 でどれだけ得点をかき集められたか、という勝負。昨年より大きく難化した。6 割とれればリード。5 割前後がボーダーというところか。

英語
大問数は昨年通り 4 題。全体の分量は去年までとかわらず、特に目新しい形式はない。

大問 1:[文法 4 択]小問数が昨年の 10 題から 11 題へと増加。
大問 2:[語句整序]2 部構成となり前半は短文和文付きの 3 題から和文なしの 4 題へと増加。後半は英文(「アメリカの女性天文学者 Maria Mitchell」)中の語句整序 3 題。
大問 3:[長文空所補充(「子供の携帯電話利用に関する長所・短所」)]昨年の 2 部構成から 1 部構成になり小問数は 5 題。
大問 4:[長文内容一致(「情報リテラシーの能動的学習法」)]は小問数が昨年の 12 題から 14 題へと増加。

大問 2 の英文中語句整序に、やや取り組みにくい問題がある。また大問 4 の長文は、設問・選択肢自体ははっきりとしており易しいが、文章後半部分に出てくる「査読」に関するくだりは受験生には不慣れな内容で、文意をつかみきれなかった受験生もいたであろう。全体としては 7 割 5 分が目標。

物理
Ⅰ 円錐振り子 (標準)
Ⅱ 分子運動論 (標準)
Ⅲ 熱サイクル (標準)
Ⅳ 波の式 (やや難)
Ⅴ 電磁誘導 (標準)
Ⅵ 核融合反応 (やや難)
昨年度に比べて易化し、例年並みの難易度に戻った。波の式は円形波を扱っており難しい。核融合反応に関しても、後半の数値計算や昨年度に続き出題された素粒子の分類などは手が着かない受験生も多かったのではないか。また、熱サイクルに関して選択肢のない問題が含まれていたが、気づかずに通りすぎて問題ないだろう。ボーダーは 6 割 5 分程度。

化学
問題の難易度は昨年と変わっていないが、長い文章の問題が増えており、昨年よりさらに要領の良さが求められている。問題文の長文化は、ここ最近の川崎医大の化学の出題の流れであり、国語力をもつ生徒を獲得したいという大学側の意図がくみ取れる。正規合格には昨年と同様 8 割 5 分欲しいところだが、8 割でも合格圏内である。

生物
例年同様、幅広い範囲からの出題であったが、全体的な解答数は大幅に減った。一見すると複雑な実験・考察問題が新たに登場したものの、落ち着いて情報を整理していけば実は難しくない。8 割は超えたいところ。