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大阪医科大学 後期試験 入試問題の講評

大阪医科大学 後期試験 入試問題の講評

入試

メビオ講師コラム

2016/03/11(金)

昨日、3月10日 大阪医大の後期試験が行われました。

昨年は定員15名に対して志願者は836名。今年の志願者数はまだ発表になっていませんが、当日の大阪会場の印象としては昨年より受験者が減っているようです。それでも厳しい戦いには違いありません。

以下に示している各科目の講評では、メビオの講師は各科とも最低点を高めに設定していますが、実際化学以外、前期試験と比べて難しい問題だったようで、昨年の後期試験と比べてもさらに難化したのではないでしょうか。昨年の合格最低点が400点満点の228点でしたから、それよりもさらに下がるかもしれません。

数学
〔1〕(整数) (標準)よく知られた証明問題。同じ証明を何度も書かねばならず煩雑である。
〔2〕(複素数) (やや難)(1) は易しいが、(2) の領域を厳密に論じるのは難しい。
〔3〕(極限) (やや難)(2) をうまく利用して(3) の評価式をたてられるかどうかがポイント。
〔4〕(微分) (標準)合成関数の微分計算をうまく処理していきたい。
〔5〕(確率) (標準)数え落としが命取りとなる。内容自体は易しい。
昨年度後期、今年度前期に比べて難化した。スーッと答えにたどり着くような問題はほとんどなく、力の差が出やすいセットとなっている。〔1〕・〔4〕・〔5〕は半答以上、〔2〕・〔3〕は半答前後で仕上げたい。ボーダーは 7 割程度。

英語
大問Ⅰは技術への依存が認知に及ぼす影響に関するもので、形式は例年通り。
大問Ⅱは不公平を回避しようとするヒトの性向に関するもので、前期同様説明問題が出題された。どちらも、内容は把握しやすいが、訳語の選択は難しい。説明問題は全ての要素を 50 字以内に収めるのに工夫が必要であっただろう。
大問Ⅲは構成自体にそれほど難しいところはない。語彙力・表現力の差が点に反映されるが、大阪医科大によく出題されるフレーズのトレーニングをしていれば対処出来たであろう。全体としては前期同様 6 割 5 分程度必要と思われる。

物理
Ⅰ.小問集合:(1) 摩擦角(2) 気体と弦を伝わる波の速さ(3) 粒子や波長の大きさ(4)α崩壊の4題。いずれも基本的な問題。
Ⅱ.力学。保存則を使う標準的な問題。
Ⅲ.RLC 交流回路。計算が繁雑で難しい。誘導が無いのでどこから手をつけて良いのかわからない受験生も多かったただろう。
Ⅳ.気体の状態変化。問題文が読みにくく何を聞かれているのかを読み違え易い。状況を上手く整理して進まないと最後まで到達するのは難しい。例年よりもやや難しい。Ⅲ、Ⅳ は計算に時間がかかるので、時間を使い切ってしまった受験生も多かっただろう。 6 割 5 分もとれれば十分だろう。

化学
大問Ⅰは標準的な状態変化の問題であり、しっかりと学習していた受験生は解けたはず。
大問Ⅱは問5 以外は平易な中和滴定の典型問題であった。
大問Ⅲも問5 以外は基本的な知識問題で難なく解けたであろう。
大問Ⅳは標準的な構造推定問題で受験生のレベルを考えれば合格するのに落としてはいけない。全体でみると正規合格には 8 割 5分くらいは必要であろう。

生物
考察問題の分量が増え、論述問題も手際よくまとめるにはかなりの論述力が必要とされる出題が多かったため、本年度の前期試験・昨年度の後期試験のどちらと比較しても難化したと言えるだろう。6 割 5 分を目指したい。