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医学部受験は小論文対策も万全に!出題形式やチェックポイントなどをまとめました

受験計画

2022/01/03(月)

(最終更新日2022/06/30)

医学部を受験するとなれば、国公立では大学入学共通テストが必須になるため、主要科目の英数理以外に国語や社会の学習も行わなければなりません。私立大学を目指す場合でも、大学入学共通テスト利用の場合は同じく国語が必要です。多くの受験科目の学習をしなければならない医学部受験生の中には、国語の学習に不安を感じる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、医学部受験における国語の位置づけや現代文・古文・漢文それぞれの攻略法について紹介します。

医学部受験と小論文

医学部を受験する人は複数の大学を受験することが多いため、いずれかの大学で小論文が必要になってくることもあるでしょう。

国公立大学前期日程で小論文を課す大学は少数ですが、国公立大学後期日程や私立大学の入試では多くの大学で小論文が課せられます。小論文は点数化されており、多くの大学で配点を公表しています。わずか1点の差でも合否に違いが出ることがあるため、小論文の対策をしっかり行うことが必要です。

また、小論文は医師にふさわしい倫理観や考え方を持っているかを大学が受験生に対して問う課題でもあります。逆を言うと小論文の対策によって、受験生にとっての医学部受験の意義や目的を今一度考える機会となり、受験勉強のモチベーションや面接対策につながることもあるでしょう。

医学部で出題される小論文の出題形式

大学によっても年度によっても出題形式は変わってきますが、医学部受験で出題される小論文の形式には主として3種類のパターンがあります。小論文の出題形式ごとに文章の書き方のポイントが違ってきますので、まずはどのようなパターンがあるのかを見ていきましょう。

テーマ型

数行程度の短い設問文が提示され、それを読んで受験生自身がどう考えるかを問われる出題形式が「テーマ型」です。小論文の中では最も自由度が高い出題形式で、論理的思考や記述力が問われます。

まず、伝えたいことを決め、構成を考えてから書き出すことがポイントです。具体例や経験談を入れると、より分かりやすい文章になります。説得力のある文章を書くためには、あえて自分と反対の意見を持つ人の意見を取り入れると効果的です。

資料文型

図やグラフ、写真、詩などが資料として提示され、そこから読み取れる事実を分析したり考察したりすることが求められる出題形式です。提示される図やグラフは一つだけとは限らず、複数の資料を関連付けて読み取ったり、時系列の観測から背後にどのような事象が隠れているかを推察したりするなど、さまざまな出題法があります。

図やグラフを正確に読み取り、それに基づいて論理を展開していくことが必要です。数字を読み取る際には突出した部分に着目し、細かな部分にはとらわれないことがポイントとなります。

現代文型

現代文の試験で出題されるような長文の資料を読み、その文章に基づいた設問が出題される形式です。答えは文章の中にある場合が多いため、現代文の読解演習を行うことでも訓練できます。与えられた文章を大まかに要約し、そこから自分の考察を混ぜ込んで論理を展開していきましょう。現代文型の場合、その文章を書いた筆者や著者、作者と問題の作成者は異なります。

筆者や著者、作者が文章を書いた意図を読み取るのではなく、問題作成者がどのような目的で出題したのかを読み取ることが大切です。

医学部入試で小論文が課される理由は?

医学部は将来医師になる人を育てる学部です。そのため、医学部への入学者を選抜する段階で、医師としての適性があるか否かを見極める必要があります。

また、小論文の試験を通して受験生がどれだけ真剣に医師になりたいと考えているかを見ていることもあります。さらに「自分が持つ意見を理由と合わせて述べられるか」「文章を分かりやすく構成できるか」「自分の意見を客観的に捉えられるか」「与えられた課題を読み取れるか」などのスキルが試されます。

医療や福祉、生命などのテーマは医学部入試の小論文のテーマとしてしばしば取り上げられますが、普段から関心を持ち、自分なりに考えているかを問われて

医学部受験での小論文対策は?

医学部入試において欠かすことのできない小論文で高得点をマークするためには、他の科目と同様に適切な対策を行うことが必須です。それでは、医学部受験に向けて小論文対策はどのように行っていけばよいのでしょうか。ここからは、小論文対策に向けてのポイントを紹介します。

普段から時事問題にアンテナを張る

医学部入試では、時事問題がテーマとして取り上げられることが少なくありません。そのため、普段から新聞やテレビをチェックし、よく議論されている時事問題にはどのようなものがあるかアンテナを張り巡らせておきます。話題になっている事象に対して自分はどう思うのか、考えをまとめておくとよいでしょう。

近年の入試では、東北医科薬科大学で2018年度に犯罪被害者・加害者の人権保護に関するテーマ、2019年度に慶應義塾大学で児童虐待に関するテーマが取り上げられています。

医療や福祉分野

医療や福祉、生命に関するテーマは医学部入試の小論文では頻出分野になるため、チェックしておきましょう。これらのテーマは面接で問われることもあるため、面接対策にもなります。

獨協医科大学では2019年に渡邉琢 「言葉を失うとき――相模原障碍者殺人事件から二年目に考えること――」から出題されました。また、2019年の東京女子医科大学では「あなたの母親が遺伝性乳がんの疑いがあると診断されたとき、あなたと母親は遺伝子検査を受けるか否か」について考察するテーマが選ばれています。

過去問に目を通す

これまで説明してきたとおり、小論文の出題形式や内容は大学ごとに異なるため、自分の志望校の過去問には必ず目を通し、出題傾向を掴んで分析しておきましょう。特定のテーマが出題されやすい傾向がある場合は、あらかじめ知識としてその分野に関する情報をインプットしておくことが小論文を書くうえで助けになります。

実際に書いてみる

知識がいくらあったとしてもそれだけでは十分ではありません。自分の考えを理論的に人に分かりやすく伝えるためには実際に書いてみましょう。自分の考えだけを述べるのではなく、具体例や体験談なども交えて書いていくと説得力のある文章になります。自分が書いた文章を自分で評価するのは難しいため、塾の先生や学校の先生など第三者に見てもらい、客観的な視点を入れていくことが大切です。

近年の小論文の出題傾向

医学部入試の小論文では医学に直結する医療や福祉、生命などに関するテーマが頻出ですが、大学によっては独自のユニークなテーマが選ばれることがあります。志望校に合わせた小論文対策を行ううえで、こうしたテーマが選ばれる可能性があることもチェックしておきたいところです。

続いては、過去に出題された小論文のテーマから独自性のあるものについて紹介します。

順天堂大学のテーマ

順天堂大学では、絵や写真を見て自由に感じたことを書く形式の小論文が出題されます。設問には絵や写真のヒントになる解説が付けられていることがあります。

2017年には兵士が猫に餌やりをしている写真を見て、猫の気持ちを想像して書くというテーマが出題されました。想像力や発想力、他者を理解する力が求められています。2019年には3歳で聴力を失った写真家、井上孝治氏が撮影した子どもの写真を見て、子どもの様子や育った背景を想像し、感じたことを述べるよう求められました。

愛知医科大学のテーマ

愛知医科大学では、絵や写真を見て感じることを書く形式の他に、テーマ型でもユニークな題材のものが選ばれる傾向です。

2018年には11枚のイラストが提示され、その中から共感できないものを選び、その理由を述べるよう求められました。2019年には、結婚式に参列し付添人の祝辞に涙したものの、その祝辞はネットで購入したことが分かった場合、その祝辞の価値はどう変化するのかを自分の考えを根拠と共に述べる問題が出題されています。

慶應義塾大学のテーマ

慶應義塾大学の小論文は、医療問題と社会問題を兼ね備えたテーマ型の出題傾向です。2019年にはテレビや新聞でも大きく取り上げられている児童虐待をなくすにはどうしたらよいかがテーマとして選ばれました。児童虐待は医療機関との連携も重視されており、医師が担う役割も大きい社会問題であることから、出題されたといえるでしょう。

2018年には、担当になった末期がんの患者がネットで購入した「がんによく効く湧き水」だけを摂取しているとき、研修医として患者さんにどのような言葉をかけるかを問われました。

国際医療福祉大学

国際医療福祉大学では200字を超えるテーマ型が出題されています。前半は、前提やヒントになる内容が提示されており、後半が設問になっている形式です。

2018年は少子化の問題が取り上げられ、少子化が抱える問題点や対策法を述べる問題が出題されました。2019年には外国人労働者の増加と社会への影響について述べる問題が出題されています。外国人労働者の問題は少子化問題にも関連性があるため、双方を絡めて考えを整理しておくことが必要です。

近畿大学

近畿大学では例年テーマ型の出題傾向ですが、受験方式によってテーマの長さが違っています。テーマは医療に関することや社会に関することが中心です。医療に関するテーマはニュースや新聞などをチェックし、基礎的な知識を身に付けておきましょう。医療以外のテーマとしては、優先座席に若者が座ることについての是非、医師以外の職業に就くならどのような仕事をしたいか、などについて述べる問題が出題されました。

関西医科大学

関西医科大学ではかなり長めのテーマ型の出題が主体です。社会的な問題に関して自分の意見を述べることが求められています。2018年には税金を高齢者と若者のどちらにより多く使うべきかを述べる問題が出題されました。2019年には、「医学部生は他学部生と同様に振る舞うことで患者さんと同じ気持ちに立てる」という意見と「他学部生とは違った意識や行動が必要」という2つの相反する意見について、将来臨床医を目指す立場として自分の考えを述べる問題が出題されています。

医学部受験は小論文対策も万全に

医学部入試では、国公立大なら後期、私立大学では多くの場合に小論文が出題されます。小論文は多くの大学で二次試験の試験科目に含まれるため、まず一次試験に合格することを主眼において学習を進めていくことが大切です。

とはいえ、二次試験も合格するためには小論文の対策もしっかり行わなければなりません。医学部進学予備校メビオでは、前期・夏期・後期・冬期の季節ごとに練習を重ねるだけでなく、一次試験合格後に各大学に特化した小論文含む二次試験対策が行われます。医学部への合格切符を効率よく手に入れるために、医学部進学予備校メビオに通学してはいかがでしょうか。

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