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医学部の教育ローンとは? 学費はいくら必要? 奨学金・自治体制度と合わせて解説

基本情報

2019/12/16(月)

(最終更新日2026/04/13)

私立大学の医学部は、6年間の学費総額が数千万円にのぼることも珍しくありません。このため、医学部に入学してから卒業するまでどのように学費を確保するのか悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、医学部の教育ローンの基礎知識から、国の教育ローンや奨学金、自治体の修学資金制度、特待生制度まで、学費負担を抑えるための資金計画を幅広く解説します。

目次

1.医学部の教育ローンとは? 利用前に知っておきたい基礎知識
 1-1教育ローンは医学部進学の資金確保に欠かせない選択肢
 1-2銀行や金融機関によって融資条件が大きく異なる点に注意
2.医学部進学にはいくら必要? 6年間の学費と諸経費の相場
 2-1国公立大学は約350万円、私立大学は約3,242万円が目安
 2-2教科書代や一人暮らしの費用など学費以外の支出も考慮が必要
3.医学部の学費負担を抑える方法は? 教育ローン以外の資金調達手段
 3-1日本学生支援機構(JASSO)などの奨学金を活用する
 3-2地方自治体の地域枠や修学資金制度で実質負担を軽減する
 3-3大学独自の特待生制度や学費減免制度を狙う
4.医学部専用教育ローンのメリット! 一般ローンとの違いを比較
 4-1医学部向けの特例で融資限度額が3,000万〜5,000万円に拡大
 4-2在学中は元金据置で利息のみの返済が可能
 4-3医師免許取得後の高い安定性が高額融資を可能にする理由
5.医学部の教育ローンを賢く利用するための注目ポイント
 5-1医学部は修学期間が6年間!借入総額の膨らみと返済計画に注意
 5-2教育ローンと奨学金などの他手段を組み合わせる
 5-3大学生活の後半(5〜6年目)に発生する大きな出費を想定する
6.まとめ

医学部の教育ローンとは? 利用前に知っておきたい基礎知識

医学部の学費は高額になりやすく、資金調達の手段として教育ローンを検討するご家庭が多いようです。ここでは、教育ローンの基本的な仕組みや種類、金融機関ごとの融資条件の違いなど、利用前に押さえておきたいポイントを解説します。

教育ローンは医学部進学の資金確保に欠かせない選択肢

教育ローンとは、進学や在学に必要な費用を金融機関が融資する仕組みです。銀行など民間の商品に加え、日本政策金融公庫が取り扱う公的な「国の教育ローン」もあり、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金との併用も可能と案内されています(※1)。医学部に特化した教育ローン商品もあります。

ただし卒業後には返済義務が発生するため、教育ローンだけに頼るのではなく、奨学金や自治体の支援制度など利用できる手段を広く確認した上で資金計画を立てることが大切です。(※2)

※1参考:日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」
※2参考:政府広報オンライン「お子さんの進学・在学資金を支援!国の教育ローンをご利用ください」

銀行や金融機関によって融資条件が大きく異なる点に注意

教育ローンは金融機関によって提供されている融資内容が異なるため、利用する前に融資限度額・金利・保証の仕組み(保証会社・保証人)などの条件をしっかりと調べておく必要があります。加えて、在学中の元金据置(利息のみ返済)の可否や据置可能な期間、返済期間の上限までそろえて比較することが重要です。

金融機関によっては医・歯・薬・獣医学部を対象に、据置期間や返済期間の上限を長く設定している場合もあるため、医学部進学を見据えた商品を優先的に確認しましょう。審査基準も異なるため、窓口に直接相談すると商品ごとの違いがよく分かります。多少手間がかかるかもしれませんが、必ず事前に相談をした上で比較検討することが大切です。

医学部進学にはいくら必要? 6年間の学費と諸経費の相場

教育ローンの利用を検討する際、まず把握しておきたいのが医学部の学費総額です。国公立と私立では大きな開きがあり、学費以外の生活費や実習関連費も見落とせません。ここでは、6年間にかかる費用の相場を整理します。

国公立大学は約350万円、私立大学は約3,242万円が目安

国立大学の学費は、文部科学省の省令により標準額として入学料282,000円、授業料535,800円(年額)が定められています(※1)。この標準額をもとに単純計算すると、6年間の総額は約350万円が目安です。ただし、近年は一部の国立大学が標準額の上限(120%)まで授業料を引き上げる動きもあるため、志望校の公式サイトで最新の学費を確認しましょう。

一方、私立大学医学部は大学間の差が非常に大きいのが特徴です。一般社団法人日本私立医科大学協会の資料によると、私立医科大学の6年間の学納金合計は平均3,242.6万円とされており、国立大学医学部の平均353万円と比較すると約10倍近い開きがあります(※2)。

この大学ごとの学費差こそが資金計画の難所です。入学金・授業料・施設設備費などの内訳は大学ごとに異なるため、志望校の公式サイトで学費の一次情報を確認し、6年間の総額を正確に把握しておくことが鉄則といえるでしょう。

※1参考:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
※2参考:一般社団法人日本私立医科大学協会「医学教育経費の理解のために」

教科書代や一人暮らしの費用など学費以外の支出も考慮が必要

医学部に通う上では、授業料や入学金だけでなくさまざまな支出が発生します。教科書・参考書の購入費をはじめ、実習で使う器具や白衣などの備品代、パソコンやタブレットの購入費、通学にかかる交通費も必要です。さらに学年が上がると、模試や国家試験対策の費用、研修先の病院見学に伴う交通費・宿泊費といった医学部特有の出費も加わります。

加えて、自宅外通学の場合は住居費や食費、光熱費などの生活費が上乗せされるため、家計への負担は一段と大きくなります。日本学生支援機構(JASSO)の令和4年度学生生活調査によると、大学学部(昼間部)の学生生活費(学費+生活費)の年間平均は、約182万円でした。医学部は授業料が高額になりやすく実習関連の費用も多いため、この平均を上回る可能性があることに注意が必要です。

資金計画を立てる際は、学費だけでなくこうした諸経費も含めた総額を見積もり、6年間を通じて無理のない計画を組みましょう。

※参考:独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度 学生生活調査報告」

医学部の学費負担を抑える方法は? 教育ローン以外の資金調達手段

医学部の学費負担を軽減するには、教育ローン以外にも活用できる制度があります。ここでは、奨学金や自治体の修学資金制度、大学独自の特待生・学費減免制度など、知っておきたい主な選択肢をご紹介します。

日本学生支援機構(JASSO)などの奨学金を活用する

教育ローン以外の資金確保手段として広く利用されているのが、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金です。奨学金は大きく給付型(返済不要)と貸与型(返済必要)の2種類に分かれます(※1)。給付型は「高等教育の修学支援新制度」として制度化されており、世帯収入などの条件を満たせば、授業料・入学金の減免と給付奨学金を組み合わせて支援を受けられます。

2025年度からは、多子世帯を対象に所得制限のない授業料等減免支援も拡充されました(※2)。貸与型には無利子の第一種と有利子の第二種があり、多くの学生が利用しています。保証人を立てるのが難しい場合には機関保証を利用できるので、教育ローンと併せて検討するとよいでしょう。

ただし、貸与型は卒業後に返済義務が発生するため、教育ローンとの併用を考える際は「返済総額」「返済開始時期」「金利(有利子か無利子か)」の前提をあらかじめ整理しておくことが重要です。卒業後の負担を読み違えないためにも、借入前にシミュレーションを行い、無理のない返済計画を立ててください。

※1参考:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「奨学金制度の種類と概要」
※2参考:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「令和7年度からの多子世帯支援拡充に係る対応について」

大学独自の特待生制度や学費減免制度を狙う

奨学金や自治体の制度に加え、大学が独自に設けている特待生制度や学費減免制度も、学費負担を下げる有力な手段です。特待生制度は入試で優秀な成績を収めた学生を対象に、入学金や授業料の全額または一部を免除する仕組みが一般的です。

奨学金と異なり家庭の経済状況が選考基準とならないケースも多く、学力次第で誰でも挑戦できる点が特徴といえます。

ただし、制度の内容は大学ごとに大きく異なります。「入学後の成績要件で継続可否が決まる」「他の奨学金との併用が制限される」「対象人数が若干名に限られる」といった条件の違いがあるため、志望校の募集要項や学生納付金ページで一次情報を確認し、比較しておきましょう。

制度を上手に活用すれば、私立医学部であっても実質的な負担を大きく抑えられる可能性があります。

医学部専用教育ローンのメリット! 一般ローンとの違いを比較

金融機関の中には、医学部向けに特化した教育ローンを用意しているところがあります。ここでは、一般的な教育ローンとの違いに注目しながら、融資限度額や返済方法、高額融資が可能になる背景を解説します。

医学部向けの特例で融資限度額が3,000万〜5,000万円に拡大

一般的な教育ローンの融資上限は数百万〜1,000万円程度が多く、6年間で2,000万円を超える私立医学部の学費をまかなうには不足しがちです。しかし、金融機関の中には医学部(医歯薬獣医学部)向けに融資枠を大幅に拡大した商品を用意しているケースがあります。

例えば、七十七銀行の「77医大生ローン」は、医・歯・薬・獣医学部の学生を対象に融資限度額3,000万円(10万円〜3,000万円)、返済期間最長20年を設定しています。金利は変動年2.425〜3.125%、固定年2.500〜3.200%で、条件により最大年0.70%の優遇があります(※1)。

さらに、医師・医療従事者向けの兵庫県医療信用組合では、教育ローンとして有担保で最大5,000万円(返済期間20年・金利年2.325%)、無担保でも最大3,000万円(返済期間15年・金利年2.650%)の枠が用意されています(※2)。

このように医療系に特化した金融機関を選択肢に入れることで、高額な学費にも対応しやすいでしょう。

※1参考:七十七銀行「77医大生ローン」
※2参考:兵庫県医療信用組合「融資金利一覧」

在学中は元金据置で利息のみの返済が可能

医学部向けの教育ローンでは、在学期間中の元金返済を据え置き、利息のみを支払う「元金据置」が選べる商品があります。医学部生向けに特化した商品では、在学中最長6年間の元金据置が可能で、据置期間を含めた返済期間が最長15年に設定されているケースがあります。

また、信用金庫の教育カードローンでも、医学部・薬学部など6年制課程については融資可能期間が最長6年9カ月まで延長され、その間は元金据置(利息のみ毎月払い)で対応できる商品があります。

ただし、据置期間中も利息は発生し続けるため、負担がゼロになるわけではありません。据置期間が長いほど支払利息の総額が膨らみ、卒業後の返済額も大きくなる可能性があります。「月々の支払いを軽くする代わりに総支払額が増える」というトレードオフを理解し、据置の有無や期間を慎重に選ぶことが大切です。

医師免許取得後の高い安定性が高額融資を可能にする理由

医学部向けの教育ローンで数千万円規模の融資枠が設定される背景には、医師免許取得後の需要の高さと収入水準があります。

厚生労働省の「職業安定業務統計」によると、「医師・歯科医師・獣医師・薬剤師」の有効求人倍率は全国で2.01倍(2026年1月)と、全職業平均の1.27倍を大きく上回っています(※1)。医療ニーズに支えられて求人が集まりやすく、免許取得後の就職が安定していることがうかがえます。

また、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、医師の平均年収は約1,338万円です(※2)。全職種平均と比べて高い水準にあり、長期の返済計画を立てやすい職種といえます。

こうした需要と収入の裏付けがあるため、金融機関は医師免許取得を前提とした高額融資商品を設計しやすく、結果として医学部向け教育ローンの融資枠が一般より拡大されているのです。

※1参考:厚生労働省「一般職業紹介状況[実数](含パート)」
※2参考:e-Stat(政府統計の総合窓口)「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」

医学部の教育ローンを賢く利用するための注目ポイント

医学部の教育ローンは高額になりやすいからこそ、借入前の比較検討が重要です。ここでは、国の教育ローンの活用法、金利タイプの選び方、卒業後の返済計画の立て方など、後悔しないために押さえておきたいポイントを解説します。

医学部は修学期間が6年間!借入総額の膨らみと返済計画に注意

教育ローンを利用する前にまず注目したいのが、6年間でかかる費用の総額です。医学部(医学・歯学・獣医学を履修する課程)は、学校教育法により修業年限が6年と定められています。途中で学費が尽きてしまうことのないように、入学前に費用の計算を行うのがおすすめです。

一人暮らしをしながら医学部に通学する場合には学費以外に生活費も必要になるので、さらに費用がかさみます。6年間の総額だけでなく、入学時の納付金(入学金+前期授業料)と毎年の授業料、実習関連費・教材費、生活費を年次別に整理し、いつ手元資金が不足しそうかを見える化しておくと、借入のしすぎや資金不足を防げます。学費の問題は早めに目処を立てるように心がけておきましょう。

※参考:e-Gov法令検索「学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第八十七条第二項」

教育ローンと奨学金などの他手段を組み合わせる

教育ローンには返済義務があり、返済不要の給付型奨学金や学費減免制度と組み合わせることで、卒業後の返済総額を抑えることができます。教育ローンの金利負担は決して小さくありません。医師として働いて返済もできますが、やはり金利負担を小さくした方が卒業後の生活が安定します。

なお、入学手続きでは合格後まもなく入学金や前期授業料などまとまった支払いが発生しますが、奨学金の初回振込は入学後になるのが一般的です。そのため「入学時の一時金は教育ローンで確保し、在学中の継続費用は奨学金で補う」といった役割分担をするのが現実的です。

また、金利に注目してより条件の良い奨学金を利用するのも、金利負担を小さくするうえで役立ちます。銀行の教育ローンの情報集めと併せて、他の手段まで幅広く情報収集しましょう。

大学生活の後半(5〜6年目)に発生する大きな出費を想定する

医学部の学生にとって、どのタイミングで費用がかさむのか理解しておくのはとても大切なことです。医学部では4年生の後半から臨床実習を行うことが多くなります。この時期になると早朝から夜遅くまで病院や大学に拘束されることも珍しくなく、生活が不規則になるかもしれません。大学の近くに下宿をして負担を軽減できますが、それに伴って引っ越し・家賃・食費などの生活費がかさむこともあります。

また、学年が上がると国家試験対策に必要な映像授業を受けたり、研修病院を探すために地方の病院へ見学に行ったりと、他学部の学生にはない出費が発生します。

特に病院見学では交通費や宿泊費の負担が大きくなりやすく、見学の回数や地域によって自己負担が膨らむ点に注意が必要です。施設によっては交通費補助(上限5万円程度)や無料宿泊施設を用意しているケースもあるため、見学先の支援制度を事前に確認しておくとよいでしょう。資金繰りを考えるときには、こういった医学部特有の出費まで見据えることが重要です。

まとめ

医学部は6年間の修学期間があり、特に私立大学では学費総額が数千万円に達することも珍しくありません。教育ローンは有力な資金確保手段ですが、金融機関ごとに融資限度額・金利・据置条件が異なるため、事前の比較検討が大切です。

また、国の教育ローンやJASSO奨学金、自治体の修学資金制度、大学独自の特待生制度など、活用できる支援策は多岐にわたります。借入だけに頼らず、これらの制度を幅広く組み合わせて、6年間を見通した無理のない資金計画を立てることが、医学部進学を成功させる鍵となるでしょう。

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