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医学部コラム

私立大学「医学部入試」の難化

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2018/12/06(木)

(最終更新日2022/06/30)

医学部定員の特殊事情

医学部入試の志願者数が増加し、医学部受験全体が難化していると言われていますが、それは本当でしょうか?

医学部の定員9,430名のうち国公立医学部と私立医学部の定員の内訳はどうなっているか、意外にご存知の方は少ないと思います。

私立大学医学部の定員は全体の何割位占めていると思われますか?

実は、私立医学部は定員が3,650名、割合にすると38.7%です。そもそも、定員が、国公立大学に比べて少ないんですね。しかも、定員の扱いについては、一般の大学受験とは違います。文部科学省の指導により、医学部定員は厳しく守られています。医師の数をどうするかは、国家全体の大きな問題だからです。

つまり、一般の大学受験のように、定員を大きく超過した合格者を出すことはないということです。

したがって、定員=入学者数となり、志願者倍率は、非常に高い倍率となります。

医学部受験の激戦地は、私立医学部にあり。

医学部受験全体の志願者は、国公立と私立を合わせると、この16年で約8万人から約14万人と、2倍弱に増加しています。この少子化の時代の流れの中で、この数字は驚くべきものです。

しかし、更に驚くべきことがあります。

国公立と私立の志願者数を比較してみます。両方増えていると思われますか?

実は、国公立では、この16年間、志願者数はほとんど横ばいなのです。むしろ、若干減少していると言ってもよいくらいです。少なくとも、志願者数の増加傾向は見られません。しかし、私立医学部入試では、状況が全く異なります。16年前に約5万人であった志願者数が、約11万人にまで、急激に増加しています。

要するに、「医学部入試が難しくなった」と言いましても、それは、国公立医学部には当てはまりません。私立医学部だけの問題なのです。

すなわち、日本は今、空前の私立医学部受験ブームを迎えているといえます。

親世代の時代からの変化

現在の医学部受験生の親にあたる世代は、その多くが1980年代に大学受験を経験した世代です。

1980年代は、私立大学医学部のおよそ半数は、偏差値50以下でした。偏差値50とは平均点ですから、当時は全国平均点を割っていてもどこかの医学部には入ることができたのです。

ところが、現在の私立大学医学部は、どこも偏差値65以上です。

この30年間で、私立大学医学部の偏差値は10から20くらい、いくつかの大学ではそれ以上に上がっているのです。

医学部を目指すことは、東大・京大や早慶を目指すこと

偏差値65というと、早稲田大学や慶應義塾大学の理工系学部とほぼ同じです。

したがって、私立大学の医学部は、比較的入りやすいと言われている大学であっても、早稲田・慶應に十分入れるくらいの学力がないと合格は難しい、ということになります。もちろん、慶應義塾大学医学部,東京慈恵会医科大学,順天堂大学医学部などになると、それよりずっと難関です。

また、国公立大学の医学部は、地方に位置する大学であっても、現在は東京大学理科一類と同じくらいの偏差値があります。もちろん、旧帝大などの医学部はそれよりずっと難関です。

まとめると、次のようになります。

私立大学の医学部を目指す=早稲田大学・慶應大学に十分入れるくらいの学力が必要

国公立大学の医学部を目指す=東京大学に十分入れるくらいの学力が必要

認識の修正が必要

医学部受験生の親御さんの中には、時折、自分たちが大学受験を経験した1980年代の記憶から、「国公立の医学部は難しくても、私立大学医学部なら割と簡単だし、現役合格は無理でも浪人まですればどうにかなるのではないか」というように考えていらっしゃるケースがあります。

ですが実際には、前述の通り、当時から比べると医学部は大幅に難化しています。医学部を目指すことは、東大や早慶を目指すこと。

まずはこう認識して、地道に勉強を積み重ねていくことが大切です。

補足

偏差値はその試験の受験生の母集団によって異なります。母集団のレベルが低ければ、自分の偏差値は高く出ます。逆に母集団のレベルが高ければ、自分の偏差値は低くなります。

たとえば、東大合格を目指している場合、一般的な全国模試やマーク模試で偏差値65をとっても合格はかなり困難ですが、東大志望者が集まる東大模試で偏差値65をとればほぼ間違いなく合格できます。

それから、偏差値は問題の形式や難易度、科目数などによっても異なった出方をする場合があります。たとえば、私立大学タイプで受験が3教科だけでよい場合は、合格に必要な偏差値が高くなりやすく、国公立大学タイプで5教科必要な場合は偏差値がやや低くなります。

ですので、今回の記事中に出てきた偏差値はあくまで目安です。

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