医学部コラム
  1. 医学部進学予備校メビオ
  2. 医学部コラム
  3. 基礎知識
  4. 基本情報
  5. 【講師監修】琉球大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ

【講師監修】琉球大学医学部の入試傾向と受験対策・勉強法を解説|医学部予備校メビオ

基本情報

2025/09/16(火)

(最終更新日2025/09/28)

琉球大学医学部は、地域医療への貢献と国際的な視野を兼ね備えた教育で知られています。この記事では、琉球大学医学部の概要をはじめ、取り組むべき学習ロードマップ、そして具体的な科目別対策まで詳しく解説します。

琉球大学医学部の概要

琉球大学医学部は沖縄本島中東部に位置する、日本最南端の国立大学医学部です。設立は1965年、当時の佐藤栄作首相による「沖縄に医学部を設置する」との国会答弁にさかのぼります。1968年には保健学部が設置され、1972年の本土復帰後、1979年10月に医学部が正式に開設されました。

1981年4月より医学科での学生受け入れが始まり、沖縄県唯一の国立医学部として地域医療に貢献する人材の育成に注力しています。豊かな人間性と高い倫理観を備え、医学および生命科学分野で活躍できる医師・研究者の育成を目的としています。

琉球大学医学部の入試情報

【所在地】〒901-2720 沖縄県宜野湾市字喜友名1076番地
【学生数】986名(2024年5月1日時点)
【公式サイト】https://www.med.u-ryukyu.ac.jp/
【アドミッション・ポリシー】

  1. 医学科の教育理念・目的

    医学科は医学に関する専門の知識と技術を修得し、高い倫理性を身に付け、医学・医療の進歩や社会的課題に柔軟に対応しうる医師、研究者を育成することを目的としています。加えて、沖縄県の置かれた自然的、地理的並びに歴史的特性をふまえ、島嶼環境における地域完結型医療の構築に努めます。また、国際性豊かな医学部医学科として発展させ、アジアを主とする諸外国との学術交流をとおして国際医療に寄与します。

  2. 求める学生像

    一般選抜

    • 地域医療に貢献するための県民・地域住民意識をもてる人
    • 生命現象や国内外の医学・医療に強い関心がある人
    • 責任感が強く、人の身になって考え、行動できる人
    • 常に自己点検を行い、自己啓発ができる人
    • 創造性に富み、物事を理論的に整理・展開できる人
    • 医学を学ぶ基礎学力を有する人
    • 主体性をもって多様な人々と協働して学ぶことができる人

【6年間の学費】351万3,800円
【奨学金情報】
琉球大学医学部医学科富雄奨学金
沖縄県医師修学資金等貸付金
全保連未来創出奨学金
公益財団法人 似鳥国際奨学財団
日本学生支援機構奨学金など

琉球大学医学部の試験科目・募集人数・受験料・出願期間、入試日程・会場アクセス、受験者数・合格者数など詳細情報はこちら

琉球大学医学部合格に向けたロードマップ

高1生

高校1年生の段階では、医学部受験に必要な基礎学力を着実に身に付けることが大切です。英語・数学・理科といった主要科目については早いうちから教科内容をしっかり理解し、基礎レベルの問題集を繰り返し解きながら土台を築いていきましょう。

特に高校1年生の夏休みは、医学部受験において重要とされている時期です。学習習慣を確立し、苦手分野の早期発見と克服が推奨されています。また医学部への関心を深め、医療系のニュースに触れたり、オープンキャンパスに参加したりするのもおすすめです。

高2生

高校2年生では高1で培った基礎力を土台に、応用問題への挑戦を始める時期です。教科書レベルの知識を完璧にした上で、標準的な問題集へとステップアップし、解法の引き出しを増やしておきます。特に数学の微積分や数列、理科の重要単元など頻出分野の理解を深めることが重要です。

高校2年生の夏休みは、自分の弱点克服に特化した学習プログラムを計画します。また英作文や論述問題など、記述力の基礎を養う練習も少しずつ始めましょう。

高3生

高校3年生では、医学部合格に向けて本格的な受験対策を進める段階に入ります。これまでに培った基礎・応用力を生かし、過去問演習や志望校対策を中心に学習を進めましょう。

特に夏までに全範囲の学習を一通り終え、秋以降は実戦演習に集中できる体制を整えることが重要です。時間配分や記述力の向上にも意識を向け、志望理由書や面接対策にも徐々に取り組み始める必要があります。この段階では、継続的な復習はもちろん、健康管理も忘れないようにしましょう。

琉球大学医学部の科目別受験対策・勉強法

英語

傾向分析

琉球大学医学部の英語試験は、大問4題構成で試験時間は100分です。出題内容は、長文読解が2題、会話文問題が1題、英作文が1題となっています。
長文読解・会話文問題は空所補充や内容説明が中心ですが、同意表現や内容真偽を問う問題も出題される可能性があります。大問3題の会話文は選択肢のない穴埋め形式で、2023年度以降は記述式の設問は出題されていません。
難易度はやや易しめ〜標準レベルで、得点差が付きやすいのは150字程度の自由英作文です。

受験対策・勉強法

英語の試験は文章量が多いため、速読のスキルが重要です。教材を活用して英文に慣れ、読んだ文章は繰り返し音読して読むスピードを高めていきましょう。また語彙力の向上も英文理解の鍵であり、英単語の学習も並行して進めることが大切です。
自由英作文は一朝一夕でマスターできるわけではなく、事前の対策が求められます。構文・文法・語彙の基礎力を固めると共に、医療や社会問題など多様な分野の英文に触れ背景知識や表現の幅を広げておくのが有効です。200〜400語程度の文章で、自分の意見を論理的かつ説得力のある構成で述べる練習を積み重ねましょう。

数学

傾向分析

数学の試験は大問4題で構成され、試験時間は120分、全て記述式で解答します。出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、A・B・Cと広く、特に微積分法、数列、確率、確率の漸化式が頻出です。加えて、証明問題や図を用いた図示問題が出題されるケースもあります。特に「場合の数」や「確率問題」が頻出であり、数Ⅱの微積分からは面積・体積に関する問題が多く出題される可能性があります。
難易度は標準レベルで、高校の定期テストや教科書に準拠した問題集程度の基礎的な問題が中心です。全体的な分量も少なめとなっており、比較的時間に余裕があるといえるでしょう。

受験対策・勉強法

まずは出題範囲全体にわたり基本的な演習を行い、教科書の例題や章末問題をスムーズに解けるようにしましょう。公式や解法パターンを確実に理解し、重要な定理や公式は導出方法まで把握して、自分で証明できる力を養うことが大切です。
基礎が固まったら過去問を利用して頻出分野に絞った演習に移行し、標準レベルの問題を確実に解けるようにします。
また計算力は日頃の学習で身に付けるものであり、正確かつ迅速に解く習慣が重要です。記述式では簡潔な答案ができるよう、模範解答を参考に限られた解答欄で伝わる表現力を磨いておきましょう。

化学

傾向分析

医学部の理科は2科目で試験時間は合計100分です。化学は例年大問2~3題構成で、理論分野と有機分野からの出題です。
理論分野は熱化学、中和、平衡定数など計算問題が多く正確な計算力と応用力の育成が不可欠です。有機分野は構造決定の問題がよく出題され、情報を整理する力や論理的思考も問われ、やや難易度が高めの傾向があります。合成試薬や生成物、検出法、反応式、構造式の確実な記憶が重要です。
全体的な難易度は標準レベルですが、良く練られた良問が多く計算量もあり時間配分が重要です。有機分野では発展的な内容が出題されるケースもあります。

受験対策・勉強法

理論分野では、計算問題が重要な要素を占めます。基礎理論を深く理解し、計算力と応用力を養うために多くの問題演習に取り組みましょう。
有機分野では、合成試薬と生成物、およびそれらの検出法についてまとめ、名称、反応式、構造式、異性体などよくあるタイプの問題に慣れておきます。無機分野では原子の電子の並び方を周期表と関連付けて理解し、各元素やその化合物の性質を覚えるのが基本です。
また論述問題に備え、知識を覚えるだけではなく概念と理論を深く理解し、的確に説明できるよう練習しておきましょう。

物理

傾向分析

物理は大問3題構成です。出題範囲は例年、小問集合や力学、電磁気の各分野から1題ずつ出題されます。小問集合は易しいとされていますが、原子分野を含む物理の全範囲から出題され、基礎的な問題は全分野を網羅する必要があります。
特に計算力に加え考察力も必要であり、物理法則や公式の理解が求められるでしょう。難易度は標準レベルですが、計算に要する時間などからテンポよく解答しないと、完答は難しいとされています。

受験対策・勉強法

物理では公式や法則の暗記だけではなく、その導出過程を理解し、現象を具体的にイメージしながら考える力が重要です。教科書や例題、問題集を繰り返し解いて理解を深めましょう。計算式の記入による回答形式となり、ミスを防ぐ計算力も不可欠です。
力学と電磁気は頻出分野なので、図やグラフを使って物理量の関係を整理し、簡潔に説明する練習を重ねておくのがおすすめです。重要問題集などの標準問題集を一通り解けるようにしましょう。また試験時間の配分にも気を配り、スムーズに解答できるレベルまで繰り返し演習してください。

生物

傾向分析

生物は大問2問構成です。出題範囲は生物の全範囲で、その中でも代謝、進化・系統、生態、遺伝情報に焦点が当てられています。また沖縄の動植物に関する地域独自の要素が強調された問題が出題されるときもあります。
難易度は標準とされていますが、教科書に記載のない発展的な知識が問われたり、実験・観察結果に基づく深い思考を必要とする論述問題が多く出されたりするケースもあるので注意が必要です。分野の偏りはなく典型的な問題がほとんどです。ただし計算問題も頻出し時間的に厳しい印象を受けるかもしれません。

受験対策・勉強法

生物の勉強は、教科書に加え問題集や要点を整理した参考書を活用して学習を進めましょう。出題頻度の高い分野には特に注意を払い、図説などを使って内容を視覚的に理解するのも効果的です。また記述問題はすぐに得点できるようになるわけではありません。早めの論述対策への取り組みをおすすめします。
典型的な問題が多く出題されるため、過去問や標準問題集を1周するだけでも合格点に十分到達できるでしょう。また生物試験では難しい問題が比較的少なく、時間に余裕が生まれやすい傾向にあることから、短時間で仕上げて化学や物理など他の選択科目に時間を回す戦略も有効です。

小論文

傾向分析

小論文は試験時間は120分で、大問2題構成となっています。内容は、英文の医学や科学関連の専門雑誌記事からの高度なトピックを取り扱っており、設問は主に英文読解力を評価する内容説明と、受験生の理論的思考力、文章表現能力、医学への関心度を評価する2つのタイプからなります。文字数が制限されている解答が多く、簡潔かつ明確に表現できる力も必要です。

受験対策・勉強法

英文読解力の養成には、まず英文素材を正確に理解できる能力が不可欠です。構文や文法、語彙のスキルを充実させ、特定のテーマに関する文章を理解する練習を行いましょう。また、専門分野を含むさまざまなトピックについて自分の意見を表現する練習も重要です。
過去問などを参考に説得力のある文章を書く構造について考え、文章を執筆する練習を重ねましょう。

面接

傾向分析

面接は生徒1人に対し面接官3人、約10分間です。志望動機や琉球大学を選んだ理由、理想の医師像、併願校の有無などオーソドックスな質問に加え、沖縄への関心なども質問される傾向があります。
面接では適性・意欲・表現力などが総合的に評価され、短い時間にもかかわらず面接点で差が付くと言われるほど評価に大きく影響します。

受験対策・勉強法

面接では、限られた時間の中で自身の強みや志望理由をしっかりアピールすることが大切です。また地域医療や今後の医療の在り方、医師不足の解消など、沖縄の地域の特色に関する質問にも答えられるように準備しておきましょう。事前に模擬面接を重ねて練習しておくのも有効です。

琉球大学医学部の受験対策についてよくある質問

琉球大学医学部の特徴は?

琉球大学医学部は日本最南端に位置する国立大学医学部です。地域医療への貢献や沖縄県の深刻な医師不足解消に真剣に取り組んでいます。

また感染症や寄生虫、沖縄特有の疾患などに力を入れている点も特徴です。東南アジア地域との国際連携や共同研究、国際貢献も推進しており、「熱帯医学研究会(熱医研)」によるタイの大学医学部との交流など、ユニークな課外活動も行われています。

琉球大学医学部の難易度はどれくらい?

琉球大学医学部は、私立大学医学部の中でも偏差値としては中〜下位に位置していますが、国立大学医学部全体が高いレベルにあり、十分に難関校といえます。後期試験の倍率は、九州エリアの中でも高い水準です。

ただし特筆すべきは、琉球大学医学部が再受験生に寛容であるという点です。令和7年度入試の年齢別合格者数のデータを見ると、4割程度が19歳以上であり、22歳以上の合格者もいます。高い学力があれば、年齢に関わらず合格を目指しやすい大学であるといえるでしょう。

琉球大学医学部の受験対策や勉強法はどうすればいい?

琉球大学医学部の学科試験は、基礎的〜標準的な問題が中心で、反復演習を重ねることで十分に合格点に到達できるレベルと評価されています。一方で面接は得点差が付きやすいため、模擬面接を通じてコミュニケーション力を高めるなど事前の十分な対策が不可欠です。

英語は読解が多く、日頃から英文を読み速読力を養う必要があります。数学や理科は過去問を活用して頻出分野を中心に計算力を付け、スムーズに解けるよう繰り返し演習を行いましょう。

琉球大学医学部の受験対策なら大学別模試の受験がおすすめ

琉球大学医学部の試験は、どの科目も基礎的・標準的な問題が多く出題され、事前の入念な対策が合格の鍵を握ります。

医学部進学予備校メビオは、医学部受験に特化した専門予備校です。独自の分析に基づく模試や学力診断テストを提供しています。一人ひとりの実力に基づく適切な学習プランで、効率的な得点力アップをサポートします。ぜひメビオの学習環境を活用し、合格への一歩を踏み出しましょう。

↓医学部受験一筋!メビオはこちら↓
↓医学部受験のことを詳しく聞くならこちら↓

無料体験授業はこちら