【2026年度入試】兵庫医科大学医学部の推薦・総合型選抜を完全攻略!出題傾向と対策、合格への最短ルートをメビオが徹底解説
大学編
2025/08/01(金)
(最終更新日2025/08/29)
兵庫医科大学医学部への道、特に推薦・総合型選抜は、一般選抜とは異なる独特の魅力とチャンスを秘めています。しかし、その最大の壁は「情報の非対称性」です。過去問が公開されていないため、多くの優れた受験生が、何を、どのように対策すれば良いのか分からず、暗中模索の状態に陥りがちです。
この記事は、そうした受験生に向けた、合格への「ロードマップ」となることを目指しています。私たち医学部進学予備校メビオは、長年にわたり医学部入試を専門に分析してきました。憶測に頼るのではなく、実際に試験を受けた卒業生たちからの詳細な聞き取りを通じて、過去の出題内容や傾向を丹念に再現・分析しています。
本稿では、2026年度の学校推薦型選抜と総合型選抜の概要を解説します。募集要項のポイントから、科目ごとの詳細な出題傾向、そして合格を勝ち取るための具体的な学習戦略まで詳しく紹介します。この記事が、「情報格差」を武器に変えるための一助となれば幸いです。
目次
1.対策の第一歩 - 兵庫医科大学が求める医師像
2.2026年度 推薦・総合型選抜の全体像
2-1.学校推薦型選抜(一般公募制)
2-2.学校推薦型選抜(地域指定制)
2-3.総合型選抜(一般枠・卒業生子女枠)
2-4.総合型選抜(国際バカロレア枠)
2-5.併願について
3.各試験の出題傾向とメビオ式対策法
3-1.筆記試験(適性検査・小論文)
3-2.面接・書類で差をつけるには
3-3.合否を分ける「プレゼンテーション試験」の実際
4.情報戦を制し、合格へ
5.まとめ
対策の第一歩 - 兵庫医科大学が求める医師像
出願書類や面接、小論文といった選考過程は、単に形式をこなす作業ではありません。これらは、受験生が兵庫医科大学の求める人材像に合致するかを多角的に評価するためのものです。したがって、対策の第一歩は、大学の理念、すなわちアドミッション・ポリシーを深く理解することにあります。
兵庫医科大学は、建学の精神として「社会の福祉への奉仕」「人間への深い愛」「人間への幅の広い科学的理解」という3つの柱を掲げています。この理念に基づき、大学が求めるのは、単なる「基礎学力」を持つ学生だけではありません。「医師となることについて明確な目的と情熱」を持ち、「病める人に対する思いやりを持ち、痛みに共感できる感性」を備え、そして「生涯にわたって自己啓発・自己学修を継続する意欲」のある人物です。
この理念は、入試制度そのものに色濃く反映されています。
- 学校推薦型選抜では、募集要項に「充実した高校生活を送り、全教科にバランスの取れた学力と優れた人間性を有する人材」を求めるとあります。面接では「目的意識を中心に主体性、コミュニケーション能力や倫理性、表現力」が計られます。
- 総合型選抜では、「主体性を持って多様な人々と協働して学び多職種連携を推進する適性」を持つ人材が求められます。小論文では「論理的思考力、表現力」、面接では「多職種連携への理解、目的意識、コミュニケーション能力」が計られ、プレゼンテーション試験ではさらに「判断力」や「プレゼンテーション能力」が評価されるなど、多角的な評価が行われます。
アドミッション・ポリシーは、筆記試験で問われる基礎学力から、面接や書類で評価される人間性まで、入試全体の評価の軸となる重要な指針です。特に面接や出願書類を準備する際には、大学が求める人物像を意識し、自身の経験がどのようにそれに結びつくのかを具体的に示すことが、説得力のあるアピールにつながります。
2026年度 推薦・総合型選抜の全体像
兵庫医科大学では、多様な背景を持つ人材を求めるため、複数の推薦・総合型選抜が用意されています。それぞれに出願資格や試験内容が異なるため、自分に最も適した方式を見極めることが重要です。
※注意: 日程や出願資格などの重要な情報は、必ず大学が発表する最新の募集要項で最終確認を行ってください。
学校推薦型選抜(一般公募制)
医学を学ぶのに十分な能力と広い視野を持ち、自ら問題を解決する意欲のある医師志願者を広く求めることを目的とした選抜方式です。
- 募集人員: 約15名(関西学院高等部からの学校推薦型選抜(特別選抜)3名以内を含む)
- 出願資格: 2025年3月卒業または2026年3月卒業見込みの者で、全体の学習成績の状況が4.0以上、かつ出身高校長の推薦を受けられる専願の者。
- 2026年度入試日程:
- 出願期間: 2025年11月1日(土)~11月6日(木) (消印有効)
- 試験日: 2025年11月16日(日)
- 合格発表: 2025年12月1日(月) 10:00
表1: 学校推薦型選抜(一般公募制) 試験詳細
| 試験科目等 | 時間 | 配点 | 範囲・詳細 |
|---|---|---|---|
| 適性検査(数学) | 9:00〜10:00 (60分) | 100点 | 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B(数列)、数学C(ベクトル) |
| 適性検査(英語) | 10:30~11:30 (60分) | 100点 | 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ、論理・表現Ⅰ |
| 適性検査(理科) | 12:00~13:20 (80分) | 150点(各75点) | 物理、化学、生物から2科目選択 |
| 小論文 | 14:20~15:20 (60分) | 50点 | - |
| 個人面接・調査書・活動報告書 | - | 30点 | - |
| 合計 | 430点 |
学校推薦型選抜(地域指定制)
医学を学ぶ能力と広い視野を持つことに加え、兵庫県の医療充実に貢献できる医師を養成することを目的とした選抜方式です。特筆すべきは、地域枠でありながら卒業後の就労義務がないという、非常に珍しい制度である点です。
- 募集人員: 5名以内
- 出願資格: 一般公募制の資格に加え、出願時点で保護者等が兵庫県内に1年以上在住している、または兵庫県内の高校の卒業(見込み)者であることが条件です。
- 試験内容: 試験日、試験科目、配点はすべて一般公募制と同一です。
総合型選抜(一般枠・卒業生子女枠)
社会に貢献する強い意志と、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を重視し、多職種連携への適性を持った医師志願者を求めることを目的とした選抜方式です。
- 募集人員: 一般枠 約5名、卒業生子女枠 3名以内
- 出願資格
- 一般枠: 医療従事者(2親等以内の親族を除く)の推薦を受けられる専願の者。
- 卒業生子女枠: 両親または祖父母が本学医学部卒業生で、同窓会の推薦を受けられる専願の者。
- 2026年度入試日程
- 出願期間: 2025年10月1日(水)~10月15日(水) (消印有効)
- 第1次試験日: 2025年11月16日(日)
- 第1次合格発表: 2025年12月1日(月) 10:00
- 第2次試験日: 2025年12月7日(日)
- 最終合格発表: 2025年12月12日(金) 10:00
表2: 総合型選抜(一般枠・卒業生子女枠) 試験詳細
| 選抜段階 | 試験科目等 | 時間 | 配点 | 範囲・詳細 |
|---|---|---|---|---|
| 第1次試験 | 適性検査(英語) | 10:30~11:30(60分) | 100点 | 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ、論理・表現Ⅰ |
| 適性検査(理科) | 12:00~13:20(80分) | 150点(各75点) | 「物理基礎、物理」「化学基礎、化学」「生物基礎、生物」から2科目選択 | |
| 小論文 | 14:20~15:20(60分) | 50点 | - | |
| 第2次試験 | プレゼンテーション試験 | - | 50点 | 数理的課題に対するプレゼンテーション |
| 個人面接 | - | 50点 | - | |
| 調査書・活動報告書・自己推薦書 | - | 30点 | - |
総合型選抜(国際バカロレア枠)
主体性や協働性に加え、国際性豊かなリーダーシップを持つ人材の育成を目的とした選抜方式です。
- 募集人員: 約2名
- 出願資格: 2024年4月1日から2026年3月31日までに国際バカロレア資格を授与された(見込みの)者で、特定の日本語要件を満たすことなどが条件です。
- 試験内容: 第1次試験は筆記試験と小論文、第2次試験でプレゼンテーションと面接が課されます。
【2026年度新設】エキスパート養成入試(総合型選抜)
主体性や協働性に加え、不足が見込まれる診療科のエキスパートとして医療への貢献を強く志望する医師志願者を求めることを目的とした、新しい選抜方式です。
- 募集人員: 3名以内
- 出願資格: 年齢制限はなく、高校卒業(見込み)者または同等以上の学力があると認められる者で、合格後に入学を確約し、特定の奨学金制度の契約を結ぶことが条件です。
- 試験内容: 1次試験は筆記と小論文、2次試験で志望診療科に関するプレゼンテーションと面接が課されます。
併願について
各選抜方式は専願が基本ですが、いくつかの併願パターンが認められています。
- 総合型選抜(一般枠・卒業生子女枠)と学校推薦型選抜は、両方に出願することが可能です。ただし、両方に合格した場合は、学校推薦型選抜での入学が優先されます。
- 総合型選抜の卒業生子女枠に出願する際、同窓会からの推薦書に加えて他の医療従事者からの推薦書を提出することで、一般枠の選考対象にもなります。
- 学校推薦型選抜(地域指定制)に出願する者で、一般公募制の資格も有する場合、自動的に一般公募制の選考対象にもなります。
各試験の出題傾向とメビオ式対策法
筆記試験(適性検査・小論文)
総合型選抜で課される適性検査(英語・理科)と小論文は、学校推薦型選抜と同一の問題が使用されます。推薦・総合型選抜の「適性検査」は、一般選抜の学力試験とは傾向が異なるため、その出題形式を理解することが合格の鍵です。以下は、長年の受験生からの情報に基づくメビオの分析です。
- 数学: 難問奇問は少なく、標準的な問題が多くを占めます。これらの典型問題を、時間内にいかに手際よく、ミスなく解ききれるかが重要です。
- 英語: 過去の一般選抜A方式やB方式の出題傾向に類似した問題が見られます。そのため、大学全体の出題スタイルに慣れておくことが大きなアドバンテージとなります。
- 理科(物理・化学・生物): 一般選抜に見られるような極端な難問は少ないものの、出題範囲が非常に広く、標準的な問題が数多く出題されます。
- 物理: 分野の偏りなく、標準的な問題が中心です。問題量が多いため、全範囲を穴なく学習し、ミスなく解ききる総合力が試されます。
- 化学
- 生物: 試験時間が非常にタイトです。短い時間で多くの論述問題と計算問題をこなさなければならず、時間管理能力が合否に直結する、ハードな科目です。
- 小論文: 兵庫医科大学の小論文は特徴的で、「現代文」の読解問題に近い設問が含まれることがあります。医療系だけでなく、人文科学的なテーマが出題される可能性もあるため、多様なテーマで論述する訓練が不可欠です。
面接・書類で差をつけるには
面接と書類に割り当てられた点数は、合否を分ける重要な要素になり得ます。
- 面接: 雰囲気は比較的「和やか」で、圧迫感は少ないと報告されています。質問内容は「医師志望理由」や「本学志望理由」といった標準的なものに加え、活動報告書の内容などについて質問されることがあります。自身で記入した書類の内容は、しっかりと説明できるように準備しておきましょう。
- 出願書類:
- 活動報告書: 学校推薦型と総合型選抜(一般枠・卒業生子女枠)では、主にチェック形式で高校時代の活動実績を報告する活動報告書が求められます。一方で、エキスパート養成入試では、取り組んだ活動内容やそこから得た気づきなどを記述する、異なる書式の活動報告書が必要です。
- 自己推薦書・志望理由書: 総合型選抜では、自己推薦書(一般枠など)や志望理由書(エキスパート養成入試)の提出が必要です。アドミッション・ポリシーによれば、これらの書類は「志望する強い意欲を確認します」とされており、自身の経験と医師を目指す熱意を結びつけてアピールする絶好の機会となります。学校推薦型選抜(地域指定制)でも、自己アピールと志望動機を記述する自己推薦書が求められます。
合否を分ける「プレゼンテーション試験」の実際
総合型選抜における関門の一つが、2次試験で課される「プレゼンテーション」です。大学側はこの試験を通じて、未知の課題に対する「科学的・論理的思考力」や「表現力」を評価しようとしています。
しかし、このプレゼンテーション試験の具体的なテーマや評価基準の詳細は公開されておらず、多くの受験生が対策に苦慮するのが実情です。事実、2025年度入試において、メビオからは総合型選抜で5名、学校推薦型選抜と合わせて計10名の最終合格者を輩出しています。 特に総合型選抜の合格者に対しては、1次試験合格後に徹底したプレゼンテーション対策を実施しており、これが高い合格実績に繋がっています。
情報戦を制し、合格へ
これらの推薦・総合型選抜における最大の障壁は、大学側が過去問を一切公開していないという事実です。独力での対策には限界があります。
メビオでは、過去の受験生から聞き取った情報をもとに、これら非公開の問題の再現に取り組んでいます。長年の情報収集と分析を基に構築された「兵庫医科大学推薦本科」では、出題傾向を徹底的に反映した教材と指導で、合格への最短ルートを示します。情報戦を制し、ライバルに差をつけたい方は、ぜひ詳細をご覧ください。
まとめ
本稿では、2026年度の兵庫医科大学医学部における、多様な推薦・総合型選抜の概要と対策について解説しました。
- 学校推薦型選抜では、医学を学ぶための十分な基礎学力と広い視野、そして優れた人間性が求められます。適性検査での学力はもちろん、面接や書類を通じて、自ら問題を解決しようとする意欲や主体性も評価されます。
- 総合型選抜では、基礎学力に加え、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」が重視されます。小論文やプレゼンテーション試験、面接を通じて、論理的思考力や表現力、そして将来多職種連携を推進していくための適性が多角的に評価されます。
- 新設のエキスパート養成入試は、特定の診療科の専門医として社会に貢献したいという強い意志を持つ受験生にとって、大きなチャンスとなるでしょう。自身のキャリアプランに合わせて、最適な選抜方式を選択することが重要です。
どの選抜方式を選ぶにせよ、成功の鍵は、一般選抜とは異なる試験の特性を正確に理解し、それに合わせた効果的な対策を進めることです。本記事が、皆さんの受験戦略を立てる上での一助となれば幸いです。
著者:医学部進学予備校メビオ講師
医学部進学予備校メビオで、推薦入試の指導を担当。受験生から直接集めた情報を基に非公開の出題傾向を分析し、その分析を活かした指導で多くの生徒を合格へと導いている。


