医学部受験一筋医学部進学予備校メビオ

帝京大学医学部の傾向分析2021

2020年度一般入試問題分析

英語

試験時間60分。大問1の形式がやや淡白な設問になった以外は例年通り。難度は高くないが、60分という制限の中で高得点を取らねばならない。空所補充では、英文構造、論旨の把握の両方が求められる。短文語句整序をいかに早く処理するかが鍵となろう。

大問 形式 難易度 内容
1

記述・選択

★★☆☆

【長文総合】適語補充、指示語、語句整序、短文挿入、下線部和訳

「公衆衛生における取り組みの推移」に関する英文。イディオムに関する前置詞の選択、前後内容に関わる接続副詞の空所補充。指示代名詞の指す内容。語句整序し文章中に挿入。下線部和訳。2020年度の本文中下線部が含意する内容の選択は出題されなかった。

2 選択 ★★☆☆

【長文その他】適語補充

「減量と栄養」に関する英文。長文中の空所に適切な語句(接続詞、副詞、接続副詞、形容詞、名詞を補充。例年通りの形式での出題。

  選択 ★★☆☆

【長文その他】内容一致

「コロンブスに対する白人至上主義的解釈」に関する英文。例年通りの形式の出題。

4 選択 ★★☆☆

【語句整序】語句整序

反復を避けるための省略、of+抽象名詞=形容詞、独立分詞構文、二重否定など文法・文構造などに関する正確な知識と理解が必要。

数学

難易度・問題量ともに例年通りである。2科目で120分となっているので、時間配分には気をつけたい。教科書応用レベルの内容が大半である。日程による大きな差もない。教科書応用レベルの内容を完璧にすることが重要であるので、まずは教科書の節末、章末レベルの内容を確実にし、その後は入試レベルの内容も併せて演習していくのがよいだろう。

大問 形式 難易度 内容
1 答のみ ★☆☆☆

【小問集合】定積分、曲線と接線の囲む面積

(1)積分区間が定数の積分方程式、(2)放物線の共通接線と、それらに囲まれた部分の面積。いずれも教科書の延長上にあるような問題で、落とせない問題となっている。

2 答のみ ★☆☆☆

【小問集合】空間ベクトルの演算・成分、三角関数の応用

(1)空間内のベクトルの内積と面積、(2)正七角形の対角線の長さ。問題条件を踏まえて丁寧に式の計算を進めたい。

3 答のみ ★☆☆☆

【小問集合】対数不等式、対数関数のグラフ

(1)対数不等式、(2)対数関数の最大値。いずれも教科書の延長上にあるような問題で、落とせない問題となっている。

3 答のみ ★★☆☆

【小問集合】確率の基礎計算、いろいろな数列の和

(1)袋の中から玉をとり出す確率、(2)周期がある数列の和。(1)は落とせない。(2)は見慣れない受験生も多いだろうが、実験してみることが大切。周期性が見えてくる。

化学

出題はやや易〜標準レベルのものがほとんどであるが、大問ごとに難易度の差が激しく、計算問題もほどよく出題されているため、問題の取捨選択が重要になってくる。また、2020年度、2021年度と2年続いて有機化学で立体構造に関する大問(RS表記法、DL表記法)が出題され、通りいっぺんの学習では歯が立たないのも特徴的である。過去問を通してやや難度の高い内容もしっかり勉強した上で、基本問題で確実に点数を取っていく姿勢で受験に臨む必要がある。また、見たことのない題材であったとしても焦らずに問題文をよく読み、落ち着いて解答したい。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★☆☆

【物質量】原子量・物質量・アボガドロ数の測定

物質量に関する総合問題である。いずれも解いたことのある問題であり、完答が望ましい。

2 記述 ★★☆☆

【脂肪族エステル】脂肪族エステルの構造決定、異性体

脂肪族エステルの構造決定に関する出題である。C4H10Oで表される化合物の異性体やその性質など様々な知識が問われており、しっかり勉強できていないと大きく差がついた。

3 記述 ★★★☆

【電子軌道】フントの規則、パウリの排他律、輝線スペクトル

炎色反応を題材にした、電子軌道や輝線スペクトルに関する出題である。教科書では発展事項に記載されている内容であり、高校では深く扱われないことが多いため、題意を把握することが難しかったと思われる。

4 記述 ★★☆☆

【合成高分子化合物】糖類、アミノ酸、合成高分子化合物、医薬品

高分子化合物全般に関する出題である。知識があれば十分に点数はとれるため、丁寧に解答をすすめたい。昨年に続き、NBRの定番の計算問題も出題された。

生物

例年、大問数は4題であったが、2021年度は3題であった。近年は20〜40字の論述問題が1問出題されている。また、計算問題が1〜数問程度含まれる。大問ごとにテーマが決まっており、そのテーマに関する文章を最初に読ませてから問いに答える形式が典型的である。問1は、空欄にあてはまる適切な語を語群から選ぶ形式が多く、問2以降で下線部や実験に関して問われる。全体的には標準的な出題が多いが、計算問題や実験考察問題などでやや解きにくい出題も見られる。基礎から標準的な幅広い知識を身に付けておく他に、計算練習や30字程度の短い論述練習をしておくとよい。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★☆☆

【生命現象と物質】遺伝情報とタンパク質の合成、物質輸送とタンパク質

細胞成分とその合成・輸送に関する出題。問6はタンパク質の分子量を求める計算問題、問7はmRNAの移行に関する論述問題(30字以内)であるが、いずれも標準的である。

2 記述 ★★☆☆

【生物の体内環境の維持】肝臓のはたらき、腎臓のはたらき

血液の流れと恒常性に関する出題。肝臓と腎臓の構造や機能について問われた。糖尿病や高血圧などによる腎不全の治療法として、腎移植や透析療法に関する医学部らしい問題がみられた。

3 記述 ★★☆☆

【生命現象と物質】遺伝情報とタンパク質の合成、バイオテクノロジー

遺伝子配列解析に関する出題。新型コロナウイルスの遺伝子配列解析に関する内容であり、タイムリーな誘導文であった。

物理

大問はこれまで4問であったが2021年度は3問に減少した。それに伴い、大問1問あたりの分量はやや増加した。大問3問の構成は「力学」「電磁気」「熱・波動・原子のいずれか」であり、難易度は「やや易〜やや難」から万遍なく出題される。原則的に「素点」が最も高い日の成績が採用される本学においては、アタリ日・ハズレ日の存在する年度が多い。本学への志望度が高い受験生は、3日間すべてを受験すべき。

大問 形式 難易度 内容
1 記述 ★★☆☆

【力学】剛体のつり合い

松葉杖のモデル化についての出題。目新しい設定ではあるが、標準的な問題。

2 記述 ★★★☆

【電磁気】交流回路

オシロスコープについて出題。有名問題ではあるが、初見では難しい。

3 記述 ★☆☆☆

【熱】気体の状態変化

熱サイクル(V-T図)についての出題。与えられたV-T図をP-V図に変換すると解きやすい。完答必須。

受験者数および合格者数推移

  受験者数 一次合格者数 二次正規合格者数 合格最低得点/満点 得点率
2021年度 6,236名 非公表 172名 211/300 70.3%
2020年度 7,768名 データなし データなし 215/300 71.7%
2019年度 6,923名 非公表 198名 212/300 71.7%
2018年度 7,697名 非公表 161名 217/300 72.3%

医師国家試験合格率推移

  全体 新卒
2021年度 80.0% 93.8%
2020年度 79.4% 86.2%
2019年度 78.1% 83.1%
2018年度 84.2% 91.1%

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